宇和島闘牛について牛主さんとの話してきました。
vol. 1 2022-09-25 0
宇和島闘牛が他の地域と違っているのは、闘牛のファイトマネー。
通常は、勝者の方が割合が高いが、宇和島の場合は敗者の方が多い分け前となっている。
情に厚い地域性かもしれないが、負けた牛は傷も負っているものもいる。しっかり養生してまた取り組みに参加してほしいとの心意気からだ。
勝者は、名誉で十分。闘牛での勝利は、牛主だけのものではないからだ。ずっと世話をしてくれる勢子やトレーナー。ご近所やご贔屓さん、みんなの勝利になる。
そんな人たちと、「よかったな~」「おまえんとこの、がいに強かったな~」など、喜びを分かち合うのも勝利が故の醍醐味。
現在の牛主は、殆どが兼業で、どこかに務めながら牛の世話をしている。
そんな牛主にとって、闘牛は先に述べたようなご贔屓や仲間とのコミュニケーションの中心で、闘牛は生活の一部である。
それは、地域に昔からあり、関わったものにとっては、かけがえのない文化、または自分のルーツにつながるような、大切な文化なのかもしれない。
現在、若い世代の後継者不足はどの世界も同じかもしれないが、闘牛の世界にとっても、継続できるかどうかの大変な課題である。
宇和島に住んでいる人でさえ、一度も見たことない人の方が多い状況なのが現実。
すぐ解決とはいかない問題だが、まずは地域の人たちに、知ってもらう。そして既に知っている人たちには、もっと闘牛を好きになってもらいたい。
その為には、子供たちが喜ぶような、牛とのふれ合いの時間をとったり、写真など撮ったり、何か子供たちの記憶に残るような体験をさせてやりたい。
そして、闘牛を見た子供たちが、宇和島闘牛はすごい!面白い!と思ってもらえれば、少しづつでも広がっていくのではないか。
少しづつでも、増えていけば、牛主もやりがいもあるし、子供たちの為に頑張っていける。
宇和島市では、行政が地域文化の保護という観点から、補助金を出してくれています。牛主としては、その熱い心意気に感謝しながら、ただ継続するだけでなく、少しでも牛主が成長し、自分たちでもできることを取り組んでやっていきたい。
今秋の、全国サミットにおいても、ただのイベントではなく、これをきっかけにして、一人でも多くの地域の人、そして全国の人に「宇和島闘牛」を知ってほしいし、関係者もしっかり成長するきっかけにしていきたい。
また、闘牛をはじめとする、愛媛県の中でも独特の文化が育つ地域である「宇和島」を知ってもらいたい。
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