進捗状況のご報告(奥田)
vol. 27 2023-10-16 0
みなさま
三人之会主宰の奥田です。
クラファンの締め切りまで残り一週間、そして公演まで残り5日となりました!
目標金額の60パーセントに到達し、20万円達成まで後少しです。ここまでのご支援に本当に感謝しています。
舞台装置の実験版は組み立てが完成し、現在は本水を使った通し稽古を繰り返しているところです。気温がグッと下がる日も多く、俳優への身体の負荷はかなりのものですが、水という制約がある状況での身体遣いに慣れるため、通し稽古の段階で本水を使う必要があると考えています。放出する水量などを調整し、完成版の舞台装置を19日に仕込みます。予算としてはすでに舞台装置作成費として12万円、映像制作費として5万円を支出していますが、今回はより多くの方に中国の演劇作品・実験的な作品に触れていただくためチケット金額を1000円以上低く設定しており、公演の実施にはみなさまのご支援が不可欠です。⇩稽古場の風景(実験の一コマです。劇中このようなシーンはありません)
水量は200リットルになり、他にもプロジェクターの2台遣い、映像という媒体で書を表現するなど、さまざまな実験的な演出を取り入れています。高行健『逃亡』は89年に中国で発生した天安門事件が契機となり書かれました。劇中で「天安門」という単語は使われていませんが、中国では上演が禁止されています。しかし『逃亡』が描く人間性の悲しみと実験的な作風は、30年近くが経つ今も私たちの胸を打ちます。おそらく最初は映像・舞台装置・美術に目がいくと思いますが、『逃亡』が描く作者の悲しみを真に伝えることができるのは、戯曲のセリフと俳優の身体のほかはありません。その主題の強さ、制約の多いト書きゆえに多くの仕掛け(演出)を施していますが、どうかセリフを聞きにきてください、俳優を見にきてください。三人之会の試みをどうか最後まで見届けてください。
劇場で、お待ちしています。
10月16日 稽古場 若葉町ウォーフにて 三人之会主宰 奥田知叡