FUNDED
「動物Z」MVの公開にかこつけて、副島監督の脚本につっこむ回。
vol. 6 2021-02-20 0
これは撮影台本の表紙なのですが、
最初、3月か4月あたりに企画の相談をされたとき、この表紙を見て「ミュージシャン多いな？？」と思いました。
大前提として、本作には二つの時間軸が存在します。
・大学院生マイのストーリー
・レコーディング中のミュージシャン
はじめから、前作のスピンオフとしてムージックラボの企画として進んだため、ミュージシャンが出演することはもちろんわかっていました。副島監督前作の「ソウルミュージック」の主演・「カタリメ」のふたりの続投…大島輝之さん、小山和朗さんと、それから大谷能生さんの出演もなんとなく想像していました。
しかし、ミュージシャンの人数、想像の二倍くらい多い！
中身を読んでいくと、
ミュージシャンの出てくるシーン数自体も、結構分量が多い。
とはいえ、脚本段階ではマイのストーリーとは最後の最後まで絡み合っているように見せられるか大不安の中、大事故と紙一重の予感がし、戸惑いました。そのまま、5月にDos Monosの荘子itさん、没さん、DC/PRGの秋元さんにオファーをうけてもらい、6月に遅れてオファーした田島ハルコさんからOKをもらうと、すべてのミュージシャンが決定。そこからは怒涛で、いったんミュージシャンのレコーディングパートは置いといて脚本の改稿を重ね、ロケ地がどんどんきまっていきます。
8月にアートディレクターが合流し、9月に制作部が合流し怒涛のスケジュール感で進行。
10月にはマイのパートの撮影が終わりました。
そして、また、マイのパートがアップしてから気がつくのです…。
ミュージシャンパートの撮影、このままして大丈夫なんだろうか、、？と。
11月のミュージシャンパートの撮影まであと１ヶ月にも関わらず、全くこの映画がどういう方向になっていくのか見えていなかったのです。
おそらく副島監督もおなじだったとおもいます。
ドキュメンタリーのような感じで撮るということと日程だけは決まっていたものの…。
ちなみに、脚本は一部お見せすると、こんなかんじ。
#21とか、唐突に「インタビュー」とか書かれても、
なにもわからん。
ミュージシャンのみなさん、特に今回はじめましてだった秋元さん、荘子itさん、没さん、田島さんはよくこの脚本見てオファー受けてくれたな？？という感じで、今でも不思議です。
インタビューを撮るのは分かるけど、そこでインタビューを撮るのはなぜ？？
ということが脚本からよくわからず。
（今思えば、副島監督はデビュー作の「バンドA」の時にも「宇宙人」である（という設定の）入江陽さんへのインタビューの繰り返しでしたし、ソウル・ミュージックの時には大島さん、小山さんへのインタビューこそなかったものの、ユング心理学研究会の方にインタビューするシーンや、山で「幽霊がいるのかわかる機械」を通して、幽霊に向かってインタビューするシーンがありました。
個人的な勝手な予想ですが、副島監督は映画監督でありながら現役精神科医でもあり、
診察が仕事であるため、インタビューというモチーフがなんとなく彼の中で、人のことを撮影するときの強烈なイメージになっているのではないかと考えています。）
副島監督はスタッフ陣から「何を撮るの？」と聞かれて脚本上のシーン番号を伝えていたのですが、
すると改めてスタッフから、
「このシーンを撮るって言われたけど、このシーンどういうこと？結局、何を撮るの？」と私のほうに質問が来るので、
２日間かけて曲をつくるんだよ、という趣旨を説明。
それってマイのパートと交互に出てきて大丈夫なの？と心配される始末でした。
当日は大谷さんと大島さんを中心に、ミュージシャンのみなさんが前向きに制作をすすめてくれました。その雰囲気が撮りがいがあったので、映画スタッフたちもすごく楽しんで撮影にのぞんでくれました。
完成した曲も、みなさんお聞きいただいたとおり、私のような素人にとってもやばく、かっこよく感じられる、刺激的な一曲だったので達成感はすごく強かったです。
そのあと、あらへんの一回目が副島さんから送られてくると、物語の中に挿入的に登場するミュージシャンパートで観客が置いてけぼりになるかんじがしてしまいました。恐れていた事態に・・・（そこで「俺はそうは思わないけどな」などとのたまい、突っぱねる副島監督と険悪になり、数日後お互いそれどころではない&忘れっぽい性格なのですぐに忘れる。）
副島監督が結局65分バージョンに内容を見直し何とか編集してくれて、MAで音響効果とＢＧＭがつくと、不思議と二つの物語がうまくシンクロして見えるようになりました。映画らしい映画なのか？と言われると正直首を傾げるしかありませんが、とても面白く、謎のカタルシスがある作品になったのではないでしょうか。胸を張ってお見せできる６５分間になりました！
さて、主題歌「動物Z」制作＆レコーディングには、本当に丸２日間の、素材をチェックするところから各ミュージシャンの音入れまで、丸々密着してました。
クラファンリターンのミュージシャンドキュメンタリーは、実はプロデューサーの古市が編集してます…本編完パケてほっとしたらすぐ、予告編の編集し、それが終わったら即この、クラファンリターン用のドキュメンタリーの編集です。素材が２日間、３カメ分あるのでチェックだけで一週間てかんじです。
ミュージシャンたちの素顔と、録音ブース内や音チェック中のときにがらりと変わる表情、なによりバラバラの状態から一つの曲がどんどんできあがる様はかなり、編集しがいがあります。みなさんにお見せしたいところがありすぎて、長くなりすぎないように取捨選択が難しいです。
それから、お知らせ。
明日、10時に映画本編の予告編が公開になります。
ぜひご覧ください。
プロデューサー・古市