祭ばやしが聞こえる vol.9
vol. 57 2022-06-06 0
"そんな順調に行くわけない!!"
すっかり更新が滞ってしまった。
前回の更新からこちら、手伝いで参加してくれていたUさんがチームを離脱して、主に僕とパートナーの二人で配給宣伝の業務を進めてきた。「映画を手伝いたい」と言ってきてくれたUさんには数ヶ月前から、「手伝ってくれるのなら多くはないけど報酬を…」という話を何度かさせてもらっていたのだが、Uさんは頑なに断った。友人(特にパートナーが)でもあるためその頑なさに譲歩して、そこから踏み込むことをしなかったのだが、やはりそれが良くなかったようだ。これは、仕事は当然のこと、夫婦、家族、友人などにも当てはまることだが、責任のないところに真に豊かな関係性は生まれない(責任もって関わり合うことからすべては始まる)。ご本人が金銭的に不自由ではなかったため、Uさんは好意でそう言ってくれていた面もあったのだと思う。実際、Uさんが手伝ってくれたことで助かった部分も少なくない。だから嘘偽りなく感謝はしているのだが、対価をお支払いしていないため、オープンに接しているつもりでも、こちらもどこか気を遣ってしまう。Uさんからも、友達付き合いの延長でやるには配給宣伝の仕事は激務なので、「こんなはずじゃなかった。でも手伝うと言ったのだから責任もってやらないと…」という逡巡が伝わってくる。公私両方の関係性の風通しが悪くなり、実際、「遅れるという連絡一つくれればいいのにそれもなく開始時刻に遅れる」というようなことも起き始めた(もちろん、強制力のない関係なので、責める権利も責められる義務もない)。これはお互いのためにならないと判断し、今後の関係性を大切にするためにもこの仕事から離れてもらった。やはり最初が肝心で、きっちり報酬を決めてお支払いするということにしなかった僕の落ち度だと反省している。前作の映画の配給宣伝の苦い経験で懲りたので、こういうことは絶対に無いように…と肝に銘じていたのだが、ここに改めて「(自分も含めた)人間は弱いものだ」と心に刻みたい。そう思って自分とも人とも関わった方がいろいろなことがうまくいくようだ。
雑誌「東京かわら版」2022年5月号広告
三重テラス(中央区日本橋室町)にて、多度祭の古い写真展(2022.5.9〜5.15)
最終日・監督トーク&特別映像上映イベント
東中野・Space&Cafeポレポレ坐での前作『人情噺の福団治』上映会(2022.5.20)
右:伊藤 左:川井田プロデューサー(グループ現代)
新橋TCC試写室にて『おれらの多度祭』試写会
(4/19、5/11、5/17の計三回)
新宿郵便局にポスター掲示
そんなこんなでバタバタと都内を走り回っているうちに、東京・新宿ケイズシネマ公開の初日5/28(土)がやってきたのだが…果たして4月11日から上京して進めてきた僕らの準備はうまくいったのか?…そんな順調に行くわけない!!(次項に続く)
伊藤有紀