監督:茂木綾子
vol. 20 2015-04-22 0
みなさまこんにちは。
あっという間に残すところ6日になりました。120日なんて長いなあ、と思っていたら、あまりに早く日々が過ぎ去り驚いています。
しばらく前に、この映画『while we kiss the sky』の監督のひとり、ヴェルナー・ペンツェルの過去の仕事について触れましたが、今日はもう1人の監督、茂木綾子について少々。
茂木綾子監督は、元々写真家です。そしてヴェルナー・ペンツェル監督のパートナーでもあります。以前、しょうぶ学園の季刊『しょうぶ』に掲載されたインタビューをコレクター限定の記事としてご紹介しましたので、そちらをおよみ下さった方には既知のこととなりますが、ヴェルナーさんの映画に影響を受けたのがきっかけて、あれこれあって夫婦になって17年ほど。しかし、映画の共同監督は初めてです。
茂木綾子監督とsilent voiceの出会いは遡る事12年ほど前。一緒に西表島で『島の色 静かな声』という映画をつくりました。写真家である茂木綾子監督の映像はとても印象的です。トレーラー(3分)があるので、ぜひご覧下さい。
silent color silent voice/島の色 静かな声 from silent voice on Vimeo.
染織家の石垣昭子さんは、西表島で自然からの恵みを、その地の神様に感謝しながら、必要なだけ頂き染織する。藍も、芭蕉も、シルクも自分たちでつくる。「昔から同じこと」と夫の金星さんは言う。ある意味、そのような暮らしが未だ出来る西表島と言う場所は恵まれた場所だと思う。
つくったものは、長く大切に使う。自然からの恵みは謙虚に頂き取りすぎない。暑い時は昼寝する。夜の8時に銅鑼が鳴り、集落で大事にされてきた伝統的な祭のために老若男女が集まり夜な夜な練習をする。「いちゃりばちょーだい」一度会った人はみな友達!と祭のために那覇から地元に戻った若者が村祭で三線を弾きながら歌う。バブル景気で立てられその後廃墟になった御嶽(うたき)の上に建つ建物に悲しみながらも、300年後には自然に還るでしょうとも考える。
映画を撮影している時間は、とても貴重な体験だった。茂木綾子監督は、5年間通い、最後の一年は島にアパートを借りて長期滞在しながら島の四季を撮影した。この時は、繊細な染織作品の表情を撮影するために、フィルムを回していた。作品は今でも35mmフィルムで残る。しかし、これを上映出来るところはどんどん減っている訳だけど・・・。
長く通い、被写体との距離を縮めながら、でもなれ合うのではなくて、他者としての距離感も保ちながら撮影する。
この映画は2008年に完成した。2003年に初めて西表島へ行き、そこから5年かかっている・・・。『while we kiss the sky』は、2011年に出会い、2015年に完成。でも上映はほぼ2016年から。やはり、5年だ。時間をかけて丁寧にしかつくれない。
そんな茂木綾子監督は、自分の写真集ですら時間がかかる。2003年に初めてであってからずっと写真集がつくりたい、とは聞いて来た。ラフのカンプらしきものも幾つかみた。が、ようやく初の写真集が昨年完成した。『traveling tree』(赤々舎)というタイトルがいい。ぜひ手に取ってみてもらいたい。
写真家であり、映像作家である茂木綾子の映像を、どうぞお楽しみに。
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