ノマド村ツアー_監督たちのくらし
vol. 15 2015-03-25 0
ノマド村ツアー
今回の映画『while we kiss the sky』のヴェルナー・ペンツェル監督と茂木綾子監督は、現在淡路島に住んでいます。17年程前に出会い結婚した2人は、しばらくドイツに住んだ後、スイスに引越アーティストが共に暮らす場の運営をしていました。laboratoire village nomadeというスイスのヌシャテール湖の湖畔にあった素敵な場所です。ここのことは、またご紹介しますが、その後日本に移住を決め、引っ越したのが兵庫県淡路島、淡路市の山の上にある小さな廃校でした。
その場所は、いま「ノマド村」と呼ばれ、島内外からいろんなお客さんがやってきます。いろいろな雑誌にも紹介されました。
監督達はここで、家族四人で暮らし、共同生活をするアーティストと数名で、展示をやったりコンサートをしたり週末カフェをしたり畑を耕したりお料理教室をしたりしながら、映画の制作もしています。
元廃校。普通のコンクリートの箱型の小学校(分校)でした。ここの内装工事は、ヴェルナー・ペンツェル監督指揮の元様々な人の協力を得て進められました。
1階のカフェ兼家族のリビングはこんな感じ。元々、職員室と保健室でした。床は元々ワックスがかけられツルツルピカピカだったのをサンダーで自分たちで剥がし、そのまま使っています。右側のちょっと材質が違うところは元々廊下でPタイルが張られていたので、杉板を貼っています。
壁がちょっと邪魔だったので、構造的に問題がないことを確認した上で、バリバリと壊しました。でも、「あ、ちょっと待って、そのくらい壁を残しておいて!」ということで、不思議な形に壁が残っています。
壁に穴をあけてカウンターにした向こうに見えるキッチンは、元々校長室。天井をみんなで解体し、廊下と教室の境目にあった木造の壁も自分たちで壊しました。右側にある靴箱は、「エンパイアステートビルディング」と呼ばれ、天井まで届いています。家具は、スイスから運んで来た、ドイツ時代から長く付き合っているものばかり。淡路の左官屋・久住さんの家から頂いた物もいくつかあります。扉もそうでした。
監督達が普段過ごすオフィスはこんな感じ。ヴェルナー監督が気になる写真をどんどんクリッピングして行き、なにやら世界が表現されています。ここは元家庭室・・・。反対側にある棚は茂木監督の本でびっしり埋まっています。(洗濯機もここにある)
廊下に出るとこんな感じで、昔の学校のまんまです。ヴェルナー監督の過去作『middle of the moment』のおっきなポスターがあります。このくらい大きいポスターは迫力もあるし、デザインもすこぶるかっこいいので、それだけで随分空間を変えてしまう力があるのだな、と思います。
もう少し進んでオフィス前の前には、今もうひとつ撮影が進行中の安泰寺の写真がたくさんたくさん並べてあります。こうして撮影して来た風景を思い浮かべながら、編集するんでしょうか・・・映像編集する人の頭の中の事までは、プロデューサーはわからないのです。撮影には同行しているし、インタビューはプロデューサーが行う事もあるので、なにが撮影されているかはそこそこ理解はしていますが、それが一本の映画になって60分とかになり見せられるときは本当にドキドキします。
その、ドキドキが、以下の編集室で編集されています。長い長い時間をかけて、ここに国内外からいろんな人が集まり、編集作業が行われています。仕上はヨーロッパで行われるのですが、ノマド村の2階のこの部屋でも、相当な編集作業が日夜行われています。
モチロン、ここも元教室です。
と、いうことで、プライベート度合いの高いお部屋はご案内できませんでしたが、ノマド村を軽く一周ご案内。元小学校なので、なんとなく懐かしさもありつつ、異国の香り漂う不思議に心地良い空間です。
今年も4月4日からノマド村のカフェ・CHiQがオープンします。週末だけですが、淡路島にお越しの際は、ぜひお立寄下さい。地球からにょきにょき生えてきている地球味の野菜や果物、穀物を中心としたお店です。今は、元のカフェ店主、茂木綾子監督が多忙につき、ノマド村にずっと一緒に暮らしている南野さんというアーティストの方がお店を引き継いでいます。校庭の畑や近所の農家さんにお借りした畑で育てたとれたて野菜たっぷりのメニューです。おすすめ!
と、いうことで、『while we kiss the sky』の監督2人、こんなところで暮らしながら、鹿児島の「しょうぶ学園」のことを想い、制作に励んでいる訳ですね。しょうぶ学園の福森伸さんにもお越しいただいた事があります。みなさまもぜひ、お立寄り下さい!