ペンかパソコンか
vol. 38 2020-09-05 0
先日、エッセーを書くために、家だと他のことに気が散るので集中しようとカフェに行ったのですが、客同士の距離をとるために座席が半分ほどに減っており、この暑いのに外のテーブルしか空いていませんでした。店内ではパソコンやタブレットを広げている人が多かったのですが、外のテーブルでは私を含め4人いるうち3人が、ノートや紙とペンで書き物をしていました。店内と違って外には電源がないからなのか、それとも電子機器ではできない作業なのか、それともそもそもアナログ派なのでしょうか。私の場合、書いた文はどうせこうして後からパソコンに打ち直すとわかっていても、一旦手で書かないことにはどうもうまく文が書けないため、ペンとノートを用意して書いています。うまくといっても手書きなら上手に書けるという意味ではありませんが、パソコンで書き始めても、行きつ戻りつするばかりでなかなか進めないのです。以前誰か、作家だったと思うのですが、ワープロ、ワードプロセッサは文章を書くためのものではなくて、ワード=言葉をプロセス=加工処理するためのものだと言っていたことをなるほどそうかもしれないと思い出しています。
細川真衣