analog〜カッティングに寄せて〜
vol. 11 2012-12-21 0
12/18(火)、突き抜けるような晴天のもと、東洋化成さんへカッティング作業立ち会いに行ってまいりました!
初めてのレコード鑑賞、それが自分たちの作品ということで、かなり感動してしまいました。その感動を拙いながら文章でお伝えできればと思い、感想文を書いてみました。長いですが、ぜひお読みください!
今回のカッティング立ち会い企画、DJの方とかレコード収集が趣味の方とかにとっては、天にも昇るほど素晴らしい機会だ、という噂を聞きました。
が、実家にプレーヤーがあったような気がするけど触ったこともない僕にとっては、もちろん大きな楽しみではありましたが、天に昇るかと言われると昇らないかなぁ…くらいの心持ちで、東洋化成さんにお邪魔しました。
スタジオに入り、まずはCDの音を聴きました。
その音を巨大な機械に取り込んで、レコードに溝を彫ります。
で、まずA面のレコードが再生されました。
「初のアナログ遭遇がこんな贅沢で良いのか…?」と思ったような思わなかったような。
音の素晴らしさに聞き惚れ、あっという間にA面が終わってしまいました。
全体的に音が太くなります。「火の玉」で言うと、ベースはもちろん、ギターのメロディーもめちゃめちゃ太いです。
一本芯が通ったような感じ。
パスタで言うと、普通のパスタと、しっかりアルデンテのパスタのような違い。
そしてどの楽器もそうですが、楽器が「見える」ようになりました。
例えばバスドラムなら、ビーターが皮にあたる瞬間の空気感、皮の鳴り、胴の鳴り、そしてそれを拾うマイク。
そういうのが全部「見える」ような気がするんですよね。
バイオリン・チェロも、弓が弦に当たって、ボウイングして、また弦から離れる。
全部「見える」ようになります。
おまけとして、熱田君の顔まで見えてくる気がするので、そこはちょっと…アレですが…
「幸せはぬるま湯」「The Coast Session」は、完全に録った音が再現されていました。ビックリしました。CDとは音色が全く違います。
「きえぼく」「沈む瀬」とかは、あぁ、クレセントスタジオのベーゼンドルファーを囲んでみんなで録ったなぁ、とか思い出してしまいます。
あのベーゼンドルファーの重みがあるけどきらびやかな倍音、アナログで再生されると、倍音とリバーブの向こう側へ吸い込まれてしまいそうな気分になります。
そんなことを感じながらB面も聴き終え、その後もプレス現場の見学などさせて頂いて、東洋化成さんを後にしました。
東洋化成さんの案内して頂いた方にふと、
「この世からCDが無くなっても、アナログが無くなることはないですね」とか偉そうに言ってしまいましたが、ほんとに素直にそう思いました。
アナログで聞く音楽、歴史的には古いけど、僕にとってはとても新しい楽しみを覚えてしまいました。
完成品を楽しみにお待ちくださいね! 牧瀬