CMアップデート4。出演者紹介 -新人Hソケリッサ!-。
vol. 25 2020-03-17 0
今までご支援してくださった皆様、これから支援しようか考えてくださっている皆様、サイトを覗いてくださっただけの皆様もありがとうございます!
おかげさまで残り16日間で目標金額まで残り27%となりました。
引き続き何卒ご協力をよろしくお願いいたします!
昨日、現在制作中の映画「Songs For My Son」にも出演していただいているダンスグループ、新人Hソケリッサ!のドキュメンタリー映画、ダンシングホームレスを観に行った。
映画はソケリッサのメンバー数名に焦点をあてこれまでの経緯や生活、そしてなぜ踊るのかという事を丁寧に描いており、ソケリッサの事を多少知っている自分でも、映画を通してより一層彼らを理解する事ができた。
彼らと出会ったのは、2年程前、代表のアオキさんが国立奥多摩美術館に興味をもってくださり、ソケリッサのパフォーマンスをその場所でやらせてもらえないかと話を持ち掛けてくれたことがきっかけだった。
始めて観た彼らの踊りは、想像通り正直全く「上手」なダンスではなかったが、不器用ながら愚直に身体を使い、必死に何かを伝えようとする彼らの身体には、今まで見てきた踊りやダンスからは感じたことがない表現があった。
お祭り等で楽しく皆でほろ酔い加減で揃って踊るわけでもなく、おしゃれなクラブでDJのビートにクールに身体をくねらせる物でもなく、アイドルたちの様に全員が同じポーズで踊るわけでもないし、キレッキレのコンテンポラリー感もまるでない。
ただ彼ら一人一人の背負ってきたこれまでの、あえて言うと、どうしようもない様な人生を露に、全身で肯定的に表現している。その行為がとても実直に感じられ、それが見ている自分にも伝わり、彼らの人生を想像し、自分の人生も照らし合わせて不思議な感動を与えてくれた。
日本の様な社会で、身一つで路上に出る覚悟を持つという事は想像を絶する過酷な理由があるはずだが、街で見る彼らはただ黙って社会に背を向け背中を出して路上で寝転がっている。そんな彼らが踊りを通して社会に真っ向から向かってくる感じが、ちょっと違うかもしれないが、追い詰められた野生動物が突然きびすを返してこちら側に向かってくるような、それに近い緊張感も同時に感じた。
ダンシングホームレスの中で、彼らの事がヤフーなどで記事になった時に、インターネット掲示板などで「踊れるなら働け」などの様な書き込みが多くされていたと言っていた。
今日たまたま付けていたラジオで、相模原市の福祉施設で多くの入居者の方々を殺した罪に問われている被告に死刑判決が下ったという事が伝えられていた。
自分の考える社会に適合しない人間には生きる資格が無いと身勝手に判断し、殺してしまうまでに至ってしまう思考は本当に理解が出来ないし、そんな考えに行きついてしまう彼こそがなんらかの障害を持っているのではないかと考えてしまう。
しかし、またそんな彼を、社会というルールに適合しないから死刑として命を奪うということは、彼自身が行った犯罪に重なる部分もあるのではないかとも思ってしまう。
いずれにせよ、自分が信じる表現とは、社会という不完全な集合体に適合させようとする力に対して疑問を持ち、この社会の可能性を少しでも広げていこうという姿勢が見れるものだし、ソケリッサはそれを体現している存在だと思っている。
そして、現在制作中の映画「Songs For My Son」において、言葉として自分自信を表現できない主人公の口内に住む言葉の役として彼らが出演してくれる事の意義を再確認できたし、彼らがその役をやってくれる事により、この映画は間違いなく豊かな映画になるだろうということも再確信できた。
ダンシングホームレスは、東京では現在渋谷のイメージフォーラムで上映中なので、是非観に行ってみてください!
和田