写真集-色校正
vol. 2 2020-12-15 0
SNAPS MOROCCOも色校正を向かえました。
といきなり色校正となっていますが、ここに至るまでブックデザインから始まり、体裁、仕様を固め、アートディレクション、写真セレクト、構成、紙面デザイン、さらに執筆と、いつもながら、いや、いつも以上に大変な時間をかけています。
特に文章には気を遣います。ブックデザインは写真を見せることが主体となっているものの、旅のエピソードを盛り込み、情景、空気感も文面で伝えれたらと思っています。何度も足を運んだモロッコではありますが、知らないことも多く、現地ワルザザート在住の方にもチェックいただきながら執筆を行いました。写真のみならず文章からもモロッコの魅力を感じ取ってもらいたいと思っています。
前置きはさておき、ようやく印刷所へ入稿し色校正を行いました。色校正はDDCPです。
DDCPとはダイレクト・デジタル・カラー・プルーフの略で、印刷機を使わず、デジタルデータを専用紙に直接プリントするものです。
色校正としては、本番の印刷機で、本番のインク・紙を使い印刷する「本機色校正」に対して、DDCPは「簡易色校正」と呼ばれるものです。しかし、本番の紙をターゲットとし本紙に近い色味でプリントしますので、紙の風合いこそ感じ取れませんが、仕上がりをイメージする事が出来るプリンティングディレクターとデザイナーの目で確認する上において、スピード、コストを含め十分な色校正と言えます。
写真データ調整はプリンティングディレクター熊倉桂三氏のもと黒田典孝氏が行います。先ず、私の作成した写真データは個別に補正をかけず、紙面ターゲット補正のみの通しでプリントします。両氏は私の目指す写真のトーンもすべて理解してくれています。もはや阿吽の呼吸というか、一発でほぼほぼイメージ通りの色校正が表れました。
その中から数点、気になる写真のみを再調整します。そして今回が二度目の色校正です。
再調整と言っても、微妙なニュアンスで、イエローを増やすとかシアンを弱めるとか具体的な指示もさることながら、もはやイメージの伝達です(笑)そしてその簿妙なニュアンスを黒田氏は的確に調整してくれるのです。二回目の色校正で完璧に仕上げてくれました。本当に心強いプリンティングディレクターです。
このDDCPは本刷りでの大事な見本となります。次回は刷り出し。山田写真製版所、富山本社に向かいます。