「そこまで一緒に。」に覚悟を突き付けられた日。
vol. 2 2026-08-21 0
「京都の伏見介護殺人事件って知ってますか?」
クラウドファンディング開始から2週間が経ちまして
本当に大変有り難い事にお陰様で
目標金額の93%まで達する事が出来ました。
そして本当にすいません。
自分が機械に疎く
ご支援を頂きました皆様のメッセージを
今更ながら初めて読みまして
こんなにも有り難く自分の心に熱く響き背中を押してくれるんだと
身に染みて深く感銘をしました。
そして改めて
このプロジェクトを立ち上げたのは自分ですが
自分1人の力では本当に到底ここまで来る事は出来なかったので
支えて下さる皆様と一緒にゴールに向かって進んでいるんだと実感しました。
ご支援を頂きました方達や
何の利益もないのに、このプロジェクトの宣伝をして下さりました方達には
本当に本当に感謝しかありません。
2023年10月。
吉報が入りました。
「そこまで一緒に。」の主演が
国民的女優と言っても過言ではない誰もが知ってる女優さんに決まったのです。
その吉報もあって僕は足取り軽く、
まだ撮影場所が決まってない場所を探して許可を頂く、
いわゆるロケハンに出掛けました。
ロケハン当日の朝。
演出部のスタッフと一緒に待ち合わせの駅で
もう1人のスタッフを待っていた時でした。
「京都の伏見介護殺人事件って知ってますか?」
突然、演出部のスタッフに聞かれました。
初耳の僕は知らない旨を伝えると
スタッフはスマホで検索し僕にその殺人事件の記事を送ってくれました。
「お待たせしました」
もう1人のスタッフが来たので、その場では読めませんでしたが
ロケハンが終わり家に帰ってパソコンで読みました。
ちょっと言葉が出ませんでした。
判決の日。
この介護殺人事件を担当した検察官は
本当は罪を犯した被告人に罪を問わなければならない立場の人間ですが
冒頭陳述の最中に被告人を思うあまりに涙で声を詰まらせて読めなくなり、
罪を裁く裁判官は目を赤くし涙を拭いながら判決を言い渡すなど
判決も含めて法廷史上、異例づくしの裁判でした。
その検察官や裁判官も涙した壮絶な人生を歩んだ被告人の記事を読み
僕も涙が止まりませんでした。
「祖母や叔母も大変だったけど、こんな凄い人がいたんだ」
僕は正直、認知症を今も全て把握してませんが
当時はもっと身内だけの経験だけで、
わかってるつもりで作ろうとしてる事に気が付きました。
そして調べれば調べる程に、
これはとんでもない社会問題で、未だに解決策が見付からないばかりか
日本の人口比率から考えても絶対に避けては通れない問題だとわかり、
これを作るのかと覚悟を突き付けられたのでした。
「………………」
最初は自分と世界との差が知りたいという自分勝手な思いで作りたいと思ってましたが
覚悟を突き付けられた僕は
あまりの問題の大きさに簡単に手を出すべきではないし
全てを把握してないのに責任が持てないと足がすくみました。
しかし、
そんな部屋の片隅で落ち込んでいる背中に向かって妻が言いました。
「だからこそ作るんじゃないの」
僕は驚き振り返ると、
「NHKじゃないんだから、あなたから見た、あなたしか作れない認知症でいいじゃない」
この一言に救われて僕は気持ちが変わり覚悟が出来ました。
こうしてまた一歩。
「そこまで一緒に。」は完成に向かって進みました。
次回は荒波を越えて主演が決まるまでをさせて頂けたらと思います。
