「そこまで一緒に。」がスタートしたキッカケ。
vol. 1 2026-08-13 0
「我々はその国の社会問題が見たいのです。」
明日でクラウドファンディングを始めてから一週間が経ちますが
早くも目標金額の三分の一近くまで達する事が出来まして、
ご支援を頂きました方達には本当に感謝しかありません。
3年前の2023年5月。
アメリカはロサンゼルスの小さな映画祭に前作「ふ、」が選ばれて
行きの飛行機の中で初めての海外の映画祭に意気揚々と浮かれていた僕は
3日後、ある作品に衝撃を受けました。
当日、日本でその当時、流行ってました翻訳機を買って
英語字幕の他の監督の作品を見ようと浅はかな考えを持ってましたが
案の定、登場人物たちの会話のスピードに翻訳機が追い付かず
静かに翻訳機をポケットにしまいました。
しかし諦めた次の作品が始まった時でした。
「何で?・・・英語がわからない僕でも物語がわかる。」
勿論、物語の細かい設定まではわかりませんが画のカットや繋ぎ方で
決してオーバーな分かり易い演技をしてる訳ではないのに登場人物の感情が痛い程にわかり
エンドロールが流れた時には感動してる自分がいました。
この監督は一体どんな人なんだろう。
凄く計算された技術の上で俳優たちに自由に生き生きと演技をさせる演出力を持った監督は
さぞかし経験豊富で熟練の監督に違いないと
とても興味が湧き上映後のアフタートークを楽しみにしていると
登壇してきたのは17歳の高校生でした。
小声で恥ずかしそうに受け答えをする高校生に衝撃を受けた僕は
その熱をそのまま映画祭の主催者に伝えると主催者は会場の角を指さし、
「この後に上映するあの大学生が作った映画の方が私は好き」と言いました。
当然、その大学生の映画も見ましたが余りの技術の高さに愕然として
終わっても席から立てない自分がいました。
肩を落としてトイレに行くと偶然にもその大学生が隣に来たので
勇気を持ってポケットから翻訳機を出して作品の素晴らしさを伝えました。
すると大学生から
「あなたの言葉は有り難いけど、こんな小さな映画祭しか通らなくて悔しいよ」と返ってきたのです。
僕が凄いと思って打ちのめされた映画は世界の大きな映画祭では全く通用しないのか。
どれくらい世界の壁は高くて厚いのか。
行きの飛行機とは違い頭を抱え過ぎたのか帰りの飛行機は床しか記憶にありません。
成田空港に着き、呆然と荷物を待ちながら自分と世界との差を感じてると、
同じく荷物を待ってる人達からアメリカの社会問題について話してる会話が聞こえて来ました。
?
そうだ。
映画祭で主催者や作品を選ぶプログラマーや審査員、色んな人達に聞いたけど共通して言っていたのは
「我々はその国の社会問題が見たいのです。」
確かそう言ってた。
もしかしたら自分と世界との差がどれくらいあるのか。
それを知るヒントになるかもしれない。
本当は包茎に悩む大学生の長編映画を次は作りたいと思ってましたが
レベル的に手を出すのはまだまだ色んなものが足りないと思ってました
「そこまで一緒に。」をスタートする決意をしました。
次回は「そこまで一緒に。」に覚悟を突き付けられた話をさせて頂けたらと思います。
