ムッシュウの撮影日誌7月編~広野町・楢葉町・富岡町①
vol. 4 2013-08-13 0
南側から福島第一原発に向かう!そして訪れた町・・・富岡町
今までの福島での撮影は、常に福島第一原発の北側を取材していました。福島第一原発によって南北に分断されてしまった福島県浜通り地区。そのため、第一原発の北側から南側へ移動しようとするとわざわざ福島市辺りまで遠回りしていわき市に向かうしか方法がありません。それだけで2,3時間の行程になります。
北側での撮影を終えた私たちは夜遅く、上記の工程を経ていわき市に入りました。そして次の日早朝、まずは双葉郡広野町にあるJ・ビレッジに向かいました。6月までは福島第一原発に向かう全社員の拠点になっていた場所です。周知の通り、J・ビレッジはJリーグの施設です。そこを現在東電が使用している・・・言わずもながですが、つまり東電が資金を出して立てた施設ということになります。東電のみならず日本の電力会社は本当にあらゆるところに、このような形でお金を出資しています。
行ってみると、何か物々しい雰囲気でした。規模は縮小されたとはいえ、今でもサッカーグランドに社員の車が縦横無尽に駐車されていました。関係者以外は当然立ち入り禁止、何も撮影できませんでした。
その後、国道6号線を北上しました。
広野町・楢葉町・富岡町と続きます。楢葉町と富岡町の境に福島第二原発があります。
ちなみに福島第一原発は大熊町と双葉町の境にあります。二つの町にまたがる形での原発建設。計算高さが垣間見えますよね。
まずは福島第二原発に向かいました。ずーっと空間放射線測定器を握りしめていました。
ちなみに、過去に私が自分で測定した測定値の一覧を記します。カッコ内は第一原発からの距離。
福島市駅前7月19日(60キロ) | 0.2~0.4マイクロシーベルトper hour |
南相馬市小高地区7月20日(20キロ) | 0.2~0.4 |
郡山市市役所前公園7月23日(60キロ) | 0.4~0.8 |
↑郡山市の高さに驚きました | |
双葉郡双葉町海水浴場の森6月9日(2キロ) | 2 |
↑このあと、1キロ以内まで近づきましたが、線量は1程度でした。 | |
双葉郡楢葉町第二原発付近7月22日(10キロ) | 2 |
双葉郡富岡町役場近7月22日(8キロ) | 3 |
双葉郡富岡町6号線通行止め付近(7キロ) | 4 |
↑通行止めの100M手前で引き返しました |
自分で放射線量測定器を購入し測定をすることで初めて気付いた重大な問題があります。これは映画で扱うので、あんまりここでは書きませんが、
「この数値、どうやって判断すんの?」ってことですよ、問題は!!!
話を戻します。
福島第二原発に近づくと、にわかに線量が上がりました。2マイクロシーベルトまで行きました。そして、通り過ぎると1に下がりました。後、第二原発に近づくとまた上がり始めました。
これは何を意味するのでしょうか?素人が測った線量ですからあいまいですがね・・・。第二原発には発電設備が4機あり、最後まで問題のあった第4号機にあった燃料が昨年末に移動が完了し、問題はないといわれています。念のため・・・。
そして、富岡町に入りました。
具体的に何かが変わった訳ではなかったと、今でもその時の映像を思い出すたびに確認するのですが・・・世界が変わりました。放射性物質は目に見えない。といわれています。でもオカルトですが、見えた気がしてなりません。例えば1分くらい軽い夕立があったとします。すると町並みはしっとりと濡れます。そんな感じです。
線量計測器もどんどん値を上げます。
前回、北側から海岸線を第一原発まで数百メートルまで近づいたときは、全く恐怖は感じませんでした。
しかし、今回は底知れぬ恐怖を感じました。線量が上がったことから来る恐怖だけではなかったと思います。未だにそれが何だったのかわかりません。今月もう一度行きます。それが何か自分で答えが出るまで数日滞在する予定です。
話を戻します。
で、結局、通行止めの手前で引き返し、まずは海沿いにある富岡駅に向かいました。
2枚の写真を紹介します。1枚目は駅です。2枚目はおそらく2階の部分だと思います。道路をふさいでいます。壁いっぱいにある「人」の文字・・・これが何を意味するかご存知ですか?
撮影日誌②に続きます。