関野さんの近況が届きました!<旧石器時代からのつぶやき7>
vol. 22 2024-12-14 0
こんにちは!クラウドファンディング(以下、CF)担当スタッフです。
お待たせしました!「旧石器時代からのつぶやき」その7をお届けします!
(クラファンが終わってもお届けしますよ!)
今回のつぶやきは、少し前、10月中旬に行われた北海道・二風谷での、旧石器生活中のつぶやきです。
以下、関野さんから届いた写真とメッセージです。
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旧石器時代からのつぶやき7「水」
北海道に来て困ったことが二つある。一つは竹が生えていなかったこと。もう一つは河川の水が飲めないということだ。
本州以南でもより上流に人が住んでいる場合は、チフス、赤痢、ウイルス肝炎などに感染する可能性があるので、飲まない方がいい。
北海道ではさらに特殊な事情がある。エキノコックスだ。キツネの糞で汚染された水を飲む、あるいは食べ物、埃から経口的に体内に入ってくる。すぐに発症するわけではなく、肝臓の腫大、腹痛、黄疸、貧血、発熱や腹水貯留などの初期症状が現れるまで、成人では通常10年以上を要す。10年後に症状が出てきた時には相当身体を蝕んでいて、致死率はかなり高い。
熱に弱いので、100度Cなら1分で死滅するが、低温には強く、マイナス20度でも死なない。
奥多摩や山熊田では生水を飲んでいた。それで下痢になったり体調を壊すことはなかった。しかしエキノコックスは怖いので、煮沸して飲もうと思ったが、次の問題が生じた。沸かそうにも、鍋、土器がないのだ。
土器がないと、水を煮沸できないのか? 何か器があれば、水を汲み、そこに焼いた石を入れればいい。しかし、北海道には竹がない。本州では竹で、水筒、コップ、皿などを作っていた。木で器を作ろうか? 石器で木を掘って木器を作れば良いが、掘ったり、穿ったり、時間がかかりそうだ。
祐ちゃん(二風谷での協力者)がいいアイデアを出してくれた。沙流川の河口、海に出ると、ホッキ貝の殻が散乱している。40〜50ccくらいしか入らないが、水を汲み、そこに焼いた玉石を入れれば煮沸出来る。100度Cにはならないが70〜80度Cにはなる。
海岸に出てみると、たくさんのホッキ貝の殻が散乱していた。
水を汲んで、焼いた石を入れてみた。ジュッーと音を立て、小石から泡を出し、蒸気が出てきた。すぐに飲もうとしたが熱くて飲めない。この熱さならエキノコックスの卵も死滅するだろう。
雨水も利用した。ビニールシートのような防水布はないので、雨が降った直後の、山から流れてきたのではない水たまりの水を、ホッキ貝の殻で掬って飲んだ。
2024.10.14 石器野吉晴
写真 関野吉晴
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いかがでしたか?
さて、現在関野さんは、次の旧石器生活に向けて準備中です。
年末年始を岩陰で過ごすことになるとか??? 想像するだけで凍えてきます...
つぶやきも不定期に、アップデート記事としてお届けしていく予定です。
Instagramなどにもアップしていくので、コレクター限定記事とはならないのですが、
コレクターの皆様には記事をメールでお届けできるのが何気によきと思っております!
次のつぶやきにもご期待ください!
◆関野吉晴 Instagram
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