【あと4日!】スタッフへの想い
vol. 3 2022-07-19 0
みなさま、暑い雨の日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
私たちは連日、ロケーションハンティングや各種打ち合わせを行い、着実に映画撮影に向けて準備を進めています。いつも感じるのですが、私のような経験の浅い監督についていきたいと思ってくれて、自分の人生の重要な知識と時間を分けてくれるスタッフには本当に頭が上がりません。
そんな中、スタッフの人件費が第一の目標の資金の使い方に入っていなかったことについて、ご意見をいただきましたので、この場を借りて、人件費について少しお話をさせていただきたいと思います。
いただいた指摘は、「スタッフの人件費が達成要件に入っていないのに撮影を敢行するのはいかがなものか」といった内容でした。いろんな考え方の人がいるし、いろんな立場の人がいるから、私の考えが唯一正しいとは思いません。今回ご指摘くださった方にも、私が気付かなかった視野を共有してくださり感謝しています。
そもそも、目標金額をこの50万円に設定したのには理由があります。
映画を撮るのに絶対に削れない経費を計算した時、クラファンでは50万円が最低限必要だという結論に至りました。つまり、それを下回った場合は、撮影が不可能だろうということです。
ただ、何度もお伝えしているように、これはスタートラインなのです。
本当に撮りたかったロケーション、美術、機材などを使うには、そして人件費を十分に払うには、ここから先にさらにもう少し応援をもらう必要があります。最低限のラインを目標に設定したのは、映画の撮影を優先するためで、だからと言ってそこから先のことを諦めている訳ではありません。
しかし、ご指摘をいただいてから、「私は自分の作品を作ることに盲目になっていたのだろうか」と気が付き、自己嫌悪に陥りました。そして、同時に「誰もお金を出してくれるわけじゃない私たちのような若者は、映画を一生撮れないんじゃないか」という不安と悔しさに襲われました。
極論ですが、現在の日本で映画を撮ることができるのは、2種類の人間だと思います。
クレジットを持っているか、お金を持っているか、です。
クレジットというのは、映画の最後に流れる名前のことで、つまり、どこかの映画に名前が載ったか?=経験があるのか?という指針になります。そもそもクレジットというのは、元々、「信頼」という意味です。映像に参加し、やり遂げたということが、次の作品を依頼する際の「信頼」に繋がるのです。そして、お金の方は、言わずもがな。でも、金銭的な不安なしに映画を撮影するのは、商業のトップ監督ですら、なかなかその機会を得ることは難しいところです。
なので、基本的に、自分の映画を撮りたいと思っている人は、大金持ちのパトロンを探すか、たくさんの映像に関わったり、映画祭で賞を取ったりしてクレジット(=信頼)を増やしていくか、という道を辿ることになります。
若い私たちには、まだどちらもありません。
今回のクラファン企画は、私たちにとって、支援者を見つける冒険です。そして同時に、スタッフ一人一人にとって、クレジットを増やす旅路でもあります。ただ、それでも、やはり労働力に対して対価が支払われるべきだと考える人もいるでしょう。
そのことについて、今回プロデューサーにそう相談した時、彼女はこう返事をしてくれました。
第一に、「あなた(林青維)は、すでに、商業で脚本を書いている。私たちは今回あなたの作品を一緒にやることで、次回自分が映画を撮る時に、同じように脚本を書いてもらえる。あなたが脚本に脚本を依頼する時に支払うはずだった人件費を、今、自分の人件費で前払いしてるんだと考えたらどうだろう」ということ。第二に、「私たちが、一緒に作りたいから作る」。監督が作品を作りたいように、スタッフも作品を作りたいと思っている。決して誰かに強制されている訳ではないということ。
私たちはまず、何者かになるために作品を作る必要があります。そのために、お互い相互幇助で、自分が持てる技術を寄せ集めあって、作品を作って行くんです。
しかし、彼らが、ギャランティはいらないといってくれたとしても、やはり使ってくれてる時間に対する対価を払いたいものです。クレジットとギャランティがどちらも担保される映像業界であってほしい。その夢を身近なところから叶えて行くべきだと、思ってます。
もし皆さんも、この思いに同意してくださるならどうかお力をお貸しいただけないでしょうか。
若者が、最初の一歩を踏み出せるような映像業界を、
一緒に作ってくださいませんか。
応援、まだまだお待ちしております。
ぜひ身近な方に、この企画を広めてもらえると嬉しいです。