映画の夢と現実について(監督:石橋夕帆)
vol. 25 2018-06-26 0
私はフィクションが好きです。物語が好きです。
映画でも、ドラマでも、小説でも、漫画でも、アニメでも。自分の人生以外の物語に触れる事ができる媒体に惹かれます。
特に漫画が大好きです。(映画と答えられずすみません)
こういったものが好きな理由は、もうシンプルに現実逃避できるからです。私は私の淡々とした日常とだけ向き合って生きていけないので、物語に救いを求めているのだと思います。そして自分の作品では脚本を書くとき、いくつか意識している事があります。
・登場人物たちに自己投影せず、なるべく妄想だけで描く事(無意識に入れてしまっているものはあると思いますが)
・説明的な台詞や感情をストレートに表現する台詞をなるべく入れない事
・あくまで「人と人との間に生じる出来事」で進行していく日常の物語である事
そんな点を意識しながら自身の監督作品は作っています。ちなみにここからポエミー増し気味ですみません。笑
私は生きていて、人生の中できっと
他人と全く同じ景色を見る事は出来ないのだろうと思っています。
誰かと一緒にいたって、どんなに景色が美しく感じる時だって、
同じ場所に立つまでにそれぞれに違った人生を歩んできて、
目に映る景色も感情も100パーセントは共有できないのだと。
だとしたらいま居る世界は、日常は、美しくて寂しいものです。
心というフィルターを通して見える景色を何とかして他者と共有出来ないかと、たどり着いたのが「映画」でした。ですがそこは現実逃避型の夢見がちな私なので。退屈だと感じる日々を美しく、少しでもいいものに思えるように変換したい。自分の中でそういったスタンスが定着していきました。他人と分かち合う事を諦めきれないから、こうして映画を撮っているんだと思います。
「石橋監督の作品は、フィクションと私たちの日常との隔たりを曖昧なものにしてくれて、それがどうしようもなく哀しく、愛おしく、心地よいのだと思います。」
『左様なら』原作者のごめんさんがプロジェクトページにお寄せ下さった言葉ですが、この言葉がじんわりと染み渡りました。そうありたいと、心から願っています。
監督・石橋 夕帆
映画『左様なら』プロジェクトページ:https://motion-gallery.net/projects/sayounara
映画『左様なら』プロモーション第一弾:https://youtu.be/kirNgPShxsE
映画『左様なら』プロモーション第二段:https://youtu.be/mewu4qV9nrA
映画『左様なら』プロモーション第三段:https://youtu.be/PshffpFGDUo
Twitter:@sayounara_film/Instagram:@sayounara_film