塩原俊之(アガリスクエンターテイメント)さんから応援コメントをいただきました!
vol. 14 2020-06-13 0
シアター・ミラクルを過去にご利用いただいたり、お世話になった方から応援コメントをいただく企画第12弾!
アガリスクエンターテイメントで俳優として活躍されている塩原俊之さんから応援コメントをいただきました。
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シアターミラクルは劇場であると同時に、僕にとっては無くてはならない【場】だ。
初めて訪れたのは2011年3月、所属劇団であるアガリスクエンターテイメント第14回公演『大空襲イヴ』でのこと。
本番を翌週に控えた金曜日、あの未曾有の大地震が発生した。
明日もどうなるか分からない中、楽屋で当時の支配人(星英一氏)と今後のことを話した。
地震の発生翌日から、ここで初日を迎える予定だった若き劇団は、中止を余儀なくされたそうだ。
旗揚げ公演だった。
星さんが言葉に詰まりながらも「やらせてあげたかったんですけどね」と絞り出したのを今でも鮮明に覚えている。
こんなこともあった。
日本にTwitterが浸透してまだ間もない頃、急遽ミラクルにできてしまった2日間の空き日程に、たった一言の呼びかけに多くの演劇人が集まり行われたイベント「プロジェクトあまうめ」。
こりっち舞台芸術のページより、当時のログを拝借してきた。
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@Theater_MIRACLE
非常に急ですが、来月6月12日(土)13日(日)が劇場キャンセルにつき空いてしまいました。試演会でも稽古利用でも結構ですので、よろしければご利用ください。お値段はご予算に応じて検討させていただきます。
【5/30 20:18】
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@D_mfs
今から準備で公演!とか誰かどうですか?
【5/30 21:29】
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@ahiruotoko
こういうの見ると、なんかしたくなる。
【5/30 22:43】
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なんとこの7時間後にはおおまかなキャスト、スタッフが揃ってしまったというのだから驚きだ。なんせ当時は今ほどTwitterが広まっていない世の中だ。
この劇場から発信されるものには、いつも誰かの「なんかしたい」が満ちている。
若手劇団の、初めての学外公演だったり。
中堅劇団の、勝負駆けロングランだったり。
老舗劇団の、思い付きの企画だったり。
かく言うアガリスクも、ここでJRとTwitterを使った体感型すごろくゲーム「JRすごろく」を開催したり。黒薔薇少女地獄さん、トリコロールケーキさんと立ち上げたコントイベント「新宿コントレックス」は今でも続いている。
未曾有の災害、非常時下でも、そしてもちろん平時でも、人の「なんかしたい」は誰にも止められない。他人にとってはどうでも良いようなことだとしても、その人のなんかしたいは何にも代えることの出来ないものだ。
支配人は池田智哉氏に代わり、運営の体制も、スタッフも設備も、出入りする顔ぶれも、色々と変わった。
そんな中で、唯一変わらず継承されていることがある。
それは、ここが誰かの「なんかしたい」を最大限尊重してくれる【場】であること。
世の中では、やりたいことをやらせてもらえないという事は、多い。
そんな中でここはある意味では想像力と同じくらい自由な【場】であると思う。
もちろん、ルールは守ってね。
僕はそんな新宿シアターミラクルが、すきです。
塩原俊之
◆プロフィール
塩原俊之(アガリスクエンターテイメント)
2006年、地元本八幡の居酒屋でたまたま知り合った冨坂友(アガリスクエンターテイメント主宰)に誘われ本公演『ナイゲン』を観たのをきっかけに同劇団に入団。俳優の道へ進む。
直近の出演作にアガリスクエンターテイメント『ナイゲン(朗読版)』、らまのだ『優しい顔ぶれ』、劇団肋骨蜜柑同好会『殊類と成る』、関係舎とカミグセ『カミグセ短編集vol.2』など。
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【ミラクル支配人・池田より】
塩原さんからコメントをいただいて気が付きました。
「プロジェクトあまうめ」から、今日で丁度10年なんですね。
思えば、「あまうめ」も震災直後の公演も、ミラクルだったんですね。
まだ自分がミラクルで働くなんて思ってもみなかったなぁ・・・。
前任の星さんから引き継いで、今に至るわけですが、塩原さんが書いてくださったとおり、マインドだけは変わらず今後も続けていけたらと思っています。
正直、多少のリスクや無茶をしょっても【チャレンジを尊重する場】でありたいなと思います。
コメントありがとうございました!