事務局メンバー・松下倖子(『エス』主演)からのメッセージ
vol. 6 2024-04-30 0
みなさんはじめまして。『エス』千穂役の松下倖子です。
これまでご支援いただいた皆様、本当にありがとうございます。
『エス』監督の太田真博やすてきな仲間たちとともに、私も映画エス応援プロジェクト事務局メンバーのひとりとして活動しています。
太田と私は2012年に出会いました。太田が不正アクセス禁止違反容疑などで逮捕された翌年です。当時、私が所属していた劇団の舞台撮影を太田が担当していたことがきっかけでした。
太田の初期監督作品『笑え』(主演:滝藤賢一さん)を観た時の興奮を、今でもよく覚えています。観終わってすぐに太田に「ずるいと思いました。私もあの場にいたかった」みたいなメールをしました。出演者があまりにも全員活き活きしていて楽しそうで、俳優として羨ましくてしかたなかったんです。もういてもたってもいられなくて、無駄に部屋の中をうろうろした記憶があります。
(『笑え』は、5月25日(土)に開催される「太田真博監督初期作品集」で上映します!入場無料です。ぜひお越しください!)
それから太田のワークショップに参加させてもらって、太田監督の長編『園田という種目』に出演しました。
その後、太田とはふたりで演劇映画ユニットを組んで、作品を一緒につくってきました。
そして現在、太田は私の夫でもあります。
12年前に出会ったとき、太田は「自分を支えてくれたまわりの人たちに恩返しをしたい。そのために映画をつくり続けたい」と言っていました。
私は、太田ほど、俳優ひとりひとりと向き合い、それぞれの魅力を引き出す監督や演出家を他に知りません。太田ほど、俳優の芝居をよくすることに全力を注ぎ、諦めの悪い人も知りません。実際、太田の演出を受けた俳優さんが、圧倒的に魅力的な芝居をするようになった瞬間を何度も見てきました。太田のそばにいて、太田がまわりの人のためにできることを常に考え続け行動してきた姿を見てきました。
けれど、太田が、自分の作品をとおして、より多くの人の力になれるかもしれないと思えたのは、『エス』の東京公開がきっかけだったのではないかと思います。
『エス』の上映後、たくさんのお客様がお声がけしてくださいました。『エス』を観るために仕事を早退してきてくださった方、4回も観てくださった方、ご家族が逮捕されたばかりの方など、おひとりおひとりが掛けてくださったお言葉や表情が、太田と私たちの背中を押してくれました。
なんとか『エス』の上映拡大を目指したい、そう思わせてくれました。
『エス』をひとりでも多くの方に届けられるように、他の事務局メンバーとともに日々動いてまいります。これからもよろしくお願いいたします。(『エス』千穂役・松下倖子)