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旅マガジン『両棲集落 ーカンボジア・カンポンプロック村ー』をクラウドファンディングで実現!
世界遺産・アンコール遺跡群の近くに存在する、水陸両用の“両棲集落”カンポンプロック村。関西大学の調査による“建築”と、写真家・山田脩二が切り取る“暮らし”、2つの視点からその魅力を特集する、旅マガジンの出版プロジェクト。
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“消費する旅から、創造する旅へ”。 旅の価値をデザインする、事業/メディア プロデュースレーベルです。
世界遺産・アンコール遺跡群の近くに存在する、水陸両用の“両棲集落”カンポンプロック村。関西大学の調査による“建築”と、写真家・山田脩二が切り取る“暮らし”、2つの視点からその魅力を特集する、旅マガジンの出版プロジェクト。
東南アジアのインドシナ半島南部に位置するカンボジア王国。カンボジアといえば、なんといってもアンコール遺跡群を思い浮かべる人も多いと思いますが、それ以前に、「東南アジア最大の湖を有する国」であるという事実が、その歴史を紐解く上では欠かせない前提となります。
その湖の名は「トンレサップ湖」。カンボジアの公用語であるクメール語で、“川(tonle)”、“巨大な淡水湖(sap)”という意味を持っています。この湖には、東南アジアで最多といわれる約300種の淡水魚が生息しており、豊かな水と盛んな漁業で、数千年に渡ってクメール人の暮らしを支えてきました。
トンレサップ湖は、「カンボジアの心臓」とよばれるほど、カンボジアで生きる人々にとって欠かせない存在
この湖の特筆すべき特徴は、“伸縮する湖”であること。カンボジアの季節は、日本のような四季とは違い、雨季/乾季の大きく2つに分かれますが、例年5月〜9月の雨季になると、チベットを源流とする全長約4000㎞のメコン川が増水し、トンレサップ湖へと一気に水が流れ込みます。すると、元々約3000㎢(琵琶湖の約3倍)の水域面積を誇る湖は、なんと約1万6000㎢(琵琶湖の約16倍)の大きさまでに“伸びる”のです。
肥沃なメコン川の水と、普段は森林である場所にまで水域が広がることによって、湖には栄養が豊富に供給され、プランクトンや魚が大量に発生。この恵みを求め、湖の周辺や湖上には、漁業を生業とするクメール人たちが暮らしはじめました。そしてその様子は、アンコール遺跡群の中核を成すバイヨン寺院のレリーフにも描かれていて、数千年の時を超えてなお、当時の様子を私たちに生き生きと伝えてくれます。
アンコール遺跡群を代表する遺跡のひとつ、アンコール・トムの中心に位置する「バイヨン寺院」
バイヨン寺院のレリーフでは、トンレサップ湖で叉手網を使って漁をする様子が確認できる(撮影:本村浩之)
さながら、アフリカのナイル川の“氾濫”によって、エジプト文明、そしてその象徴であるピラピッドが築かれたように、カンボジアにおけるそれは、トンレサップ湖の“伸縮”であり、そして、クメール王朝、またその象徴であるアンコール遺跡群の誕生である、というわけです。
そんなトンレサップ湖には今なお、漁業を生業として暮らすクメールの人々がいます。そして彼らが形成する代表的な集落の一つが、今回の旅マガジンの舞台、その名も「カンポンプロック村」です。アンコール遺跡群から南東に約21㎞、トンレサップ湖の畔に位置するこの集落には、床の高さが5mを超える超高床式住居が、全長約1.2㎞にわたって二列に立ち並び、そこでは約3000人もの人々が今も暮らしています。
超高床式住居がずらりと立ち並ぶ、カンポンプロック村の航空写真(撮影:山田脩二)
そして注目してほしいのが、これほどの規模の集落が、なぜトンレサップ湖の“畔”に形成されたのか、ということ。前述のとおり、トンレサップ湖は雨季の増水によって“伸びる”ため、自ずとその影響で、一年の約半分は集落全体が水に浸かった状態になってしまいます。しかし彼らにとってそれは、私たちが思うような自然災害では決してありません。
増水でトンレサップ湖の水位が上がり、集落全体が水に浸かったカンポンプロック村の様子(撮影:山田脩二)
これも前述のとおり、トンレサップ湖は東南アジア一といわれるほど多種多様な淡水魚が生息する漁場であり、古より多くのクメール人たちの胃袋を支え続けてきました。そしてその最前線で活躍してきたのが、トンレサップ湖の“畔”に暮らし、漁業を営む人々だったのです。つまり、カンポンプロック村は漁村集落であり、定常的に漁業を行うために、トンレサップ湖の“伸縮”に合わせて陸上生活・水上生活のどちらにも対応できる住環境を作り上げ、そしてそれを現代まで受け継いできた、世界でも希にみる“両棲集落”なのです。
トンレサップ湖が“縮む”時期は「空中集落」、逆に“伸びる”時期は「水上集落」といったように、2つの顔を持つカンポンプロック村。「空中集落」では当然、移動手段は徒歩・バイクなどですが、ひとたび「水上集落」に変われば、舟上が生活の中心になります。この希有な集落の姿が、何千年もの時を超えて生き続けてきた背景には、カンボジアならではの皮肉な歴史があるといわれています。
水が引いた時期と、浸水した時期、同じ場所から撮影したカンポンプロック村の様子(上の撮影:山田脩二)
独裁者、ポル・ポトが政権を失ったのが1979年。しかし内戦はその後も、1991年まで続きました。ただしそれ以降は、アンコール遺跡群が世界遺産として注目を集めたこともあり、爆発的に外国人観光客は増えていき、この影響で、世界的に珍しい“両棲集落”も脚光を浴びるのは時間の問題かと思われました。しかしながら、内戦時の地雷埋設などの治安上の問題から、郊外にあるカンポンプロック村は観光客が容易にたどり着くことのできない場所として、その存在を広く知られることなく、外部からの接触も最小限に留められたといいます。
このような特殊な時代背景から、急速に近代化が進むアンコール遺跡群の周辺エリアの中にあって、まるでそこだけ時間が止まっていたかのようなカンポンプロック村を通じて、現在進行形のクメール文化の一端を、私たちは垣間見ることができるのです。
まるで時が止まっているかのような、昔ながらの舟中心の生活を送る集落の人々(撮影:山田脩二)
私たちは、この世界でも希有な“両棲集落” カンポンプロック村の魅力を、旅マガジンとして一冊の本にまとめ、出版します。
著者は、関西大学の建築環境デザイン研究室で、カンポンプロック村の住文化研究の中心メンバーとして活躍した、横山大樹が担当。彼は実際に現地に住み込み、集落全体を実測で図面化するなどして、約2年かけて“両棲集落”の集住構造に関する調査研究を行ってきました。
一級建築士|横山大樹(よこやまもとき)
2009年関西大学大学院博士課程後期単位取得済退学。在学中より海外へと建築を巡る旅を続け、その中で環境と調和した建築や集落と、暮らしの豊かさを目の当たりにし、カンポンプロック村での住み込み調査を企画・実施。2008年「両棲集落 実測図×山田脩二の写真」展を開催。
写真については、国立近代美術館の「現代写真家15人展」の一人として選ばれた山田脩二の作品を使用。彼は横山の現地調査に同行し、“両棲集落”で暮らす人々の様子を、約250点もの写真記録として収めてきました。非常に価値ある写真が未発表のまま数多く保管されていましたが、今回のプロジェクトでそれらが公開されることにもなります。
写真家・瓦師|山田脩二(やまだしゅうじ)
1974年東京国立近代美術館「現代写真家15人展」に選出。高度成長時代の都市と群衆の姿を撮影すると同時に、その影で置き去りにされた全国の地域を訪ね、都市と過疎の地域の落差を撮影する旅を続けた。集大成の写真集 「日本村1969-79」は、現在は入手困難な作品となっている。
上記のとおり、横山大樹が調査した“建築”の視点と、写真家・山田脩二が切り取る“暮らし”の視点。つまり、研究に基づいたロジックと、生活感を伝えるビジュアルを融合させることで、集落の魅力を立体的に解説する誌面を作り上げていきます。
なお、現地を訪れたのは、横山が2004年〜2007年、山田が2006年〜2007年と約10年前のことで、今回制作する本の資料や素材も当時のものが中心となります。一般的にいえば「10年も前の情報を、なぜ今さら」と思われるかもしれませんが、そこには確固たる理由があり、またそれは、今回のプロジェクト立ち上げるきっかけにもつながっています。
横山は、学生として“両棲集落”の調査研究を終えた以降も、ライフワークとして定期的に現地に足を運び、集落の様子を見守り続けてきました。しかしその中で、ここ数年のカンポンプロック村を取り巻く環境の変化に、複雑な思いを抱くようになったといいます。
「治安問題が徐々に改善されてきた影響もあり、カンポンプロック村に訪れる観光客は年々増え始めました。加えて、都市移住を求める若者の急増で、カンポンプロック村自体も漁村集落としての本来の機能を失いはじめ、観光業を主体とする業態の変化した集落になりつつあります。」
カンポンプロック村を見学する観光客。村民たちは漁業ではなく、観光業にシフトしつつある
「経済的な豊かさを手に入れて喜ぶ住民の姿を見れば、それを否定することはもちろんできないのですが、その様子はどうしても、これまで日本が辿って来た都市と地方の分断の歴史を想起させると共に、まるでその縮図をみているように思えてならないのです」。
数千年続いてきた、自然サイクルと調和した“両棲集落”の姿が、わずか10年の間に失われつつある。それを目の当たりにした横山は、10年前の独自性に富んだ集落の姿を記録として残すことを決意。そしてそれは、学生時代に残した専門的かつ学術的な記録としてではなく、多くの人にその本質が伝えられるような、俯瞰的かつ一般的なものとして残すことにこそ意味があると考えたのです。
そんな横山の想いを知った編集者・鈴木ヒデツグはちょうど、都市と地方の共存をテーマとしたメディアである、食べもの付き情報誌『東北食べる通信』の発行に携わっていたこともあり、“両棲集落”の在り方に深く感銘を受け、編集者としてその制作を担うことを決意しました。鈴木は、横山が記録として残そうとしていることは決して彼一人のエゴではなく、また、カンボジアの人々のためだけでもなく、むしろ私たち日本人にとって必要なメッセージだと捉えたのです。
先の東日本大震災での被害は、「天災」よりもむしろ「人災」によるものが大きかったのではないか…という声があります。これについては賛否が分かれるところだとは思います、いずれにせよ震災後、被災地沿岸部に、ものによっては14mを超える防潮堤の建設が予定されたことで、漁業者との対立が勃発するなど(延いては私たちの食卓の問題にもつながります)、人が自然をコントロールしようとする動きは確かに存在しています。20年前に発生した阪神・淡路大震災、そして東日本大震災と、自然は常に人間の想像の遥か上を行き、そのコントロール下に置かれることはないということを、私たち自身が身を以て痛感してきたにもかかわらず。
東日本大震災で甚大な被害を受けた福島県いわき市岩間の、決壊した堤防の様子(2013年10月撮影)
一方でカンポンプロック村はどうでしょうか。一年の約半分は集落全体が水に浸かった状態…というのは、私たちの感覚からすれば、毎年必ず洪水被害に遭っているようなものです。しかし彼らはその土地を離れるでもなく、ましてやその土地を作り変えるでもなく、自然と協調する生活スタイルを創造し、保持してきたからこそ、この数千年もの間、湖の恵みを変わらず享受し続けることができました。
水位変化に対応する工夫は高床だけでなく、床材を釘で固定せず持ち運べるようにするなど、随所に見られる
そんなカンポンプロック村を「原始的」な集落と捉える人もいるかと思いますが、私たちはそうは思いません。だからといって、ある種、暗い歴史の産物であるこの集落を「先進的」と言うつもりもありません。ただ少なくとも、経済社会の先頭を走ってきた日本が直面している課題に対し、「豊かさ」とはなにかという問い、そして普遍的価値が、そこにはあるように思うのです。
実際にカンポンプロック村をを訪ねてみたいという方がいらっしゃることも想定して、旅マガジンとして発行します。例えるなら『TRANSIT』(講談社)のような、トラベルカルチャー誌として仕上げること目指して制作中です。
制作中の誌面の一部イメージ
◆図書概要
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書名:『両棲集落 ーカンボジア・カンポンプロック村ー』
発行月:2015年11月予定(※目標金額に達した場合)
判型:210㎜×210㎜
ページ数:96ページ
色数:4C/4C(オールカラー)
発行部数:1,500部
販売価格:¥1,500 +税
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なお、10年前の素材で制作するとはいえ、あくまで“両棲集落”としての普遍的価値に主眼を置いた内容であることは前述のとおりですが、アクセスなど旅をする上で実害につながる可能性のある情報については、最新の内容を現地確認していますので、ご安心下さい。
制作については、出版社で旅行情報誌の編集を7年務めたのち、食べもの付き情報誌『東北食べる通信』、音楽フリーペーパー『引力レコーズ』などの各種メディア開発に携わってきた鈴木ヒデツグが担当します。
編集者|鈴木ヒデツグ(すずきひでつぐ)
トラベルメディアレーベル「旅とロック」代表。株式会社JTBパブリッシングで旅行情報誌の編集者を務めたのち、“世なおしは、食なおし。”をコンセプトにした『東北食べる通信』の創業に参画。現在は「旅とロック」をスタート、旅をテーマに各種事業・メディア開発に取り組む。
https://www.facebook.com/tabi.to.rock
なによりも内容が商業的なロジックに侵されないようにするため、出版社への企画持ち込みは当初から予定していません。ただし今回のプロジェクトのために、自らで出版者登録し、バーコードも取得済みですので、Amazonでのオンライン販売はもちろん、蔦屋書店(代官山)やBOOK246(南青山)、旅の本屋 のまど(西荻窪)など、主に東京都内の旅行特化型書店さんに直接営業し、オフラインの販路も獲得していきます。
むやみな拡散に走るのではなく、丁寧に創り、丁寧に届けることを第一としていますので、その点をご理解頂ければ幸いです。
私たちが今回クラウドファンディングに取り組む理由は、資金繰りのためということももちろんですが、それだけではありません。むしろそれ以上に、誌面だけでなく、“両棲集落”の魅力や価値を一人一人に丁寧に伝えていきたいという、想いにあります。そのためリターンについては、完成図書やオリジナルグッズの謹呈はもちろんのこと、すべてのプランに「コレクター限定UPDATE」を用意しています。そこでコレクターのみなさまに制作過程を共有していくことで、カンポンプロック村のもつ豊かさやおもしろさを、丁寧にお届けしていきたいと考えています。
【コレクター限定UPDATE】--------------------------------------
コレクター限定UPDATEで、制作過程を共有していきます。
コレクター限定UPDATEでは、制作過程はもちろん、誌面では使われない未公開写真、カンポンプロック村の様子がわかるムービーなどを、プロジェクト終了までみなさんに定期的にお届けし、図書発売前から先取りで、“両棲集落”の魅力を予習して頂けるように致します。
【オリジナル・ポストカード】--------------------------------------
オリジナル・ポストカードの種類は2つです。
1つは、本書の著者である横山を中心に、関西大学の建築環境デザイン研究室が2年間にわたり、カンポンプロック村での住み込み調査を行い、集落の建築の内外部を実測して書き起した図面をポストカードにしたもの。(下の図面は、ポストカード化する以前の図面の見本です)
1つは、写真家・山田脩二の作品で、図書内では使用できなかった未公開の写真をポストカードにしたものになります。(下の写真は、ポストカード化する以前の作品の見本です)
●2枚謹呈 = 図面×1枚/山田脩二 作品×1枚
●4枚謹呈 = 図面×2枚(それぞれ異なる図面)/山田脩二 作品×2枚(それぞれ異なる作品)
…となります。
【オリジナル・ポスター】--------------------------------------------
A3サイズのオリジナル・ポスターです。
ポストカードと同様、写真家・山田脩二の作品で、図書内では使用できなかった未公開の写真をポスター化したものになります。ポストカードとは内容の違う写真になります。(下の写真は、ポスター化する以前の作品の見本です)
【カンポンプロック村の旅コーディネート】-------------
本書の著者である横山大樹が、カンポンプロック村を訪ねる旅のコーディネートをします。
カンポンプロック村へ通じる公共交通機関はないため、どのように行けばよいか心配な方も多いはず。そこで横山が、電話やメールなどでコレクターの相談を受けながら、現地とのコネクションも使い、現地の旅がより楽しく安全なものになるようコーディネートします。例えば、アンコール・ワット ツアー中の、1日フリーの日を利用することを想定した相談も可能です。(※旅費はコレクター負担)
すべての資金は、本の印刷費・コレクターへのリターン諸経費・MotionGallery手数料の3つに使用させて頂きます。デザイン費・イラスト制作費・写真代・取材費など編集にかかる資金はすべて確保できていますが、印刷費だけは未達という状況です。
目標金額に達しなかった場合でも、出版できるまで資金集めに奔走する予定ですが、一方で、出版しただけで満足するのではなく、“両棲集落”に関わる次なるプロジェクトも見据えていますので、弾みをつけるためにも、ぜひお力添え頂ければ幸いです!
3000 円
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