大阪の本屋さんをたずねてきました。
vol. 2 2019-12-30 0
こんにちは、渾身の年賀状データをプリントパックさんに提出したら発送日が「1月6日」と返信が来てひざから崩れ落ちた本屋ロカンタンの萩野です。
ワイルドバンチさんでのイベント出演のため、先週末は大阪へと出張。市内の本屋さんをいくつかたずねてきました。当初立てたルートは、梅田蔦屋書店→ブックスタジオ大阪店→阪急古書のまち→本は人生のおやつです!!→柳々堂→toi books、をぜんぶ徒歩で移動する、というもの。
わたしは人ごみが苦手で、ターミナル駅での乗り換えなどがもっとも疎ましく、また歩くのがまったく苦でないため、こういう計画を平然と立てるのですが、方向音痴が甚だしく、まずスタート地点の蔦屋書店にたどり着けない。で、気づいたら阪急古書のまちに着いたので、ここからスタート。
さいきん新しくなったようで、きれいに区画されたなかに古本屋さんが蝟集しております。芸術書(とりわけ骨董系)の「りーちあーと」さんと、人文書の「太田書店」さんですでに数千円を使う。
次。前から行きたかった堂島の「本は人生のおやつです!!」さん。店主の坂上友紀さんの本への愛情と熱量が尋常でない。1を話しかけると19くらいで返ってくる。おやつどころか三食ぜんぶ本を食べているのではないか。私が疎い現代文学のオススメを聞いて、大島真寿美さんの『ピエタ』(ポプラ文庫)ほか文芸書を購う。
で、ここから建築書専門書店の「柳々堂」さん(肥後橋)へ行く予定が、紙袋の底が抜けて(!)、近くのプロントに避難。体力および財力、ならびにバックパックの収容力と相談して、「toi books」さんへ行っておしまいにすることに。肥後橋付近では「calo bookshop」さんも勧めていただいたのですが、定休日でした。
さいご。本町の「toi books」さん。新刊は文芸書と人文書がメイン。キューブ状に組まれた古本中心の棚がおもしろい。空間ごとにテーマがあたえられているのですが、これが洗練されている(へたにマネすると大怪我しそう)。日本語の魅力、みたいな棚に本上まなみさんのエッセイ『芽つきのどんぐり』(小学館文庫)があって、一行読んで納得した。買いました。
「toi books」さんでは、整った時間のなかで、まるで本が自然と語りかけてくる。たぶん同じくらいの坪数だと思うのですが(雑居ビルの二階という条件まで同じ)、「本おや」さんとはまるで手合いが違う。本屋は店主のたたずまいを模倣する。いや、それそのものではないかしら。
わたしはこのちょうど中間くらいの感じで本屋ロカンタンをやってみたい、と都合のよいことを思いました。というか、そもそも身の丈でしかやれません。そのために始めた自宅兼本屋です。自分にできることをていねいにやっていくことで、店も私も変わってゆければよい、そう思っています。
本屋ロカンタン店主・萩野亮
https://twitter.com/roquentin_books