ビハインドストーリー
vol. 20 2023-12-09 0
暖かな晴天が続き、アケヒョ(北極雷鳥)が獲れだすと、海氷の沖合には海が開きはじめた。
カユアングアは生活のために遠方まで狩りにでかける日が増え、そうなると僕は消滅集落に完全に取り残されていた。もし彼が帰ってこなかったら自分はどうなるのだろうか?
そんな季節が変わり始めたころ、ウーリングア一家が僕を迎えに来た。予定どおりではなかったが北極の気象には逆らえない。
「さあ、エンドー、今週がラストチャンスだ。そりが走れるうちに家に帰ろう」。