坂本龍一さんからのメッセージ
vol. 3 2023-03-14 0
クラウドファンディング終了まであと1週間となりました。
プロジェクトにご参加いただいたみなさま、ありがとうございます。
本の完成まで引き続きどうぞよろしくお願いします!
フェスティバルにたびたび参加して下さった坂本龍一さんからのメッセージを公開します。
今回制作するDVDにも、2011年のフェスティバルでの坂本さん、和合さん、大友さんのステージの様子が収録されています。
ぼくは2011年以前、福島にそれほど縁はなかった。
それが福島第一原発事故が起こり、大友良英さんから声がかかり、このフェスティバルFUKUSHIMAに参加するため、夏に四季の里に行ったのが、ほぼ初めてに近い僕の福島体験だ。いろいろな情景が今でもヴィヴィッドに浮かんでくる。
道の屋台で土地のお婆さんが桃を売っていて「おいしい甘い桃だよ〜。子供は食べちゃだめだよ〜」と
普通に言っていたのには、内心ゾクっとしながらそのお婆さんのあまりに屈託のない言いように笑ってしまった。
また駅前の植え込みの土の放射線量を測ったら、その頃ぼくが常に持参していた測定器では見たことのないような高い値だったのに驚き、しかもそのすぐ脇を子供や若い女性が歩き過ぎていく光景に青くなってしまったり。
そしてこのフェスティバルで憧れのドラマー、ピカと会えたのも思い出深い。
東京生まれ東京育ちの僕は、子供の頃から祭りや盆踊りというものには、ほとんど接したことがなかった。
それが福島では大友くんの楽団に混じり、盆踊り用に編曲された音楽を演奏しながら、人々が輪を描いて踊る光景を見る、とても楽しくもシュールな体験だった。
名前は知らない、あるいは思い出せないけれど、たくさんの思いのある人たちの一員になれた幸福感と悲しさは、
一生忘れられない。二度とこんなことが起きてはいけないと、強く思う。
坂本龍一
大風呂敷やフェスティバルには、在住・出身・近隣地域の皆さんから初めて福島を訪れる人まで、たくさんの人が参加しています。
思うところはそれぞれに異なり、様々な心情が行き交いながら回を重ねてきたプロジェクトの様子を形にできればと思います。
参考:2011年フェスティバルフォトギャラリー
大風呂敷の布やフェスティバルへのコメントも引き続き募集しています。
https://pj-fukushima.jp/news/1749/
また、クラウドファンディングへのご参加も、目標達成まで、お誘い合わせの上どうぞよろしくお願いします!