コラム4 どちらが都会?
vol. 5 2017-05-20 0
開始4日め、残り12日です。折り返し地点(50%到達)が見えてきました。
「CDをつかんで南フランスに走り出したくなる」・・・そのような選曲です。
入手の機会をお見逃しなく。
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コラム4 どちらが都会?
【コート・ダジュール沿岸にはローマ遺跡が点在】
日本の約5倍という広大な国土を持つフランスですが、日本も首都圏に一極集中と呼ばれますが、フランスのパリ一極集中の度合いは、さらにそれよりも上です。政治の中心地であることはもちろんですが、産業、空港、他国との国際関係、教育、どれをとっても、抜きんでて、パリは特別な存在です。これは歴史的なもので、過去のフランス国王も、「パリだけは意のままにならぬ」とぼやいていましたから、パリはあたかもフランスの中の独立国・・・特権的地位を確立しています。
そんなパリから見たら、フランスの他のすべての地域は「地方」として見えてしまうわけです。フランスを旅していると、パリの人たちが地方を見る「上から目線」と、地方の人たちがパリジャン・パリジェンヌを皮肉る「逆上から目線」に気づかされることがままあります。私も1度、ボルドーで、ステーキにマスタードをつけて食べようとしただけで、「お前も、あの性格が悪いパリジャン達に毒されているな!」とからかわれたのを覚えています。
南フランスは、北部フランスに比べて言葉もゆったり、そして、少し強い訛りがあるために、パリなど北フランスの人から見たらやはり田舎、という感覚があります。ところが、南フランスの人は、それに負けてはいません。2000年さかのぼったら・・・古代ローマ帝国の時代までさかのぼったら、南仏のほうがはるかに「文明化された都会」だったからです。南フランスには、「建築の民」ローマ帝国が築いた遺構が数多くあります。ポン・デュ・ガールの水道橋をはじめとして、各地にはたくさんの円形劇場や、闘技場、凱旋門、浴場、記念塔、・・世界遺産に指定されて観光地になったり、中にはいまだ「現役」で使われているものさえあります。
南フランスでバカンスを満喫していると、否が応でもこういったローマの建築遺産に出会います。その昔ローマの属州=プリヴィンキアだったところから、プロヴァンスと呼ばれるようになった南フランスは、そのころまだ野蛮だったガリアの地=北部フランスに対して、どこか、優越感があり、決して単なる「田舎」ではないのです。
音楽は、場所だけでなく、時間を超えて旅するのに適したアイテム。「南フランスのバカンス」のアルバムを聴いて、時間旅行もしてみませんか?