3号特集「ひとりの時間を考える」について
vol. 5 2019-05-22 0
3号のゲラがほぼ全て完成し、あとは修正を反映させるのみとなりました。データをそろえ、6月頭に印刷所に入稿し、初稿が出ます。いよいよ、あと一息・・!
さて、今回の特集「ひとりの時間を考える」について、記事を担当したマスダユキさんから、植本一子さんの取材についての文章が届きました。
特集では、ここに出てくる植本一子さんのほか、ツレヅレハナコさん、高橋順子さんに、それぞれ「ひとりで食べるごはん」について語っていただいています。
SNSなどの発達によって、「常に誰かとつながる」ことができるようになった、いま。でも本当にそれって、楽しいことばかりなんでしょうかか?「ひとり」は孤独ですが、どこか安らぎ、ほっとする時間でもあります。本を読み、ものを考えるのは、常にひとりの時間ですよね。誰かとつながるばかりでなく、自分と向き合うひとりの時間を大切にしたい。そんな思いから、特集の企画が始まりました。
もう1つの動機は、「ひとり飯」ブームって、なんだか主役が男性ばかりだなあ、と考えたこと。女性が1人で外食をすることは、「寂しそう」と思われがち。でもオンナだって、1人でのびのびと食べて飲んで、一息つきたい・・・!そんな編集オンナ2人の思いが詰まった特集です(笑)。どうぞお楽しみに。
(植本一子さん取材の様子)============================
昨年の、6月にしてはもう夏のように暑い日の午前中に、写真家で文筆家でもある植本一子さんの取材をしました。取材の内容は、「一人の時間を考える」というテーマで、もし一人の時間ができたら植本さんが行ってみたいお店に行って、お話を伺うというもの。人と一緒にいること、一人でいることのそれぞれにある寂しさを著作のなかでもよく書かれている植本さんにとっての「一人のごはん」、とても興味津々でした。
植本さんが指定してきたお店は、新宿駅のなかにある小さなお店「ベルク」でした。ここには私もたびたび一人で立ち寄ることがあります。狭い店内はいつもお客さんでいっぱいで、空いた時間に一人で入り、さっとビールを飲んで、少しおつまみを食べて次の場所に移動する、そんなときによく行くお店です。
ベルクで取材をすると決まってまず思ったのは、「席が取れなかったらどうしよう」ということ。私がいつも行く夜の時間帯はとても人気で、満席で入れないときも多いのです。お店の方にご協力いただき空いている時間を教えていただいたものの(くわしくは記事参照)、やっぱり心配になって1時間ほど前に来店し、席取りがてら、コーヒーを飲みながらお店の様子を観察していました。
お昼前のベルクには、のんびりとした時間が流れていました。一人でゆっくりとコーヒーを楽しむ年配の方や、一人でビールを飲みながら、資料と思しきものを読んでいる女性も。そう、ベルクは朝からビールが飲めるのです。素晴らしい。
そんな感じで待っているうちに、カメラマンの長野陽一さん、そののち植本さんがいらして、カウンターで注文をするところの撮影から取材が始まりました(植本さんの注文したものは記事参照)。
植本さんは表情豊かなとてもかわいらしい方で、質問には一つ一つはっきりと迷いなく答えてくれます。取材はとてもスムーズに進み、お昼の混む時間の前には終了。取材後にキッパー卵サンド(燻製の塩漬けニシンと目玉焼きと野菜のサンドイッチ)を注文する長野さん。とてもおいしそうでした。今度来た時はあれを頼んでみよう。
取材記事は、最新号の3号に掲載予定です!(マスダユキ)