過疎化する瀬戸内海の島々、古民家を次の世代に引き継ぐプロジェクト
vol. 16 2020-06-24 0
日本とは思えない場所が、そこには、あった。
音戸から倉橋島の桂が浜を経て、さらに20分ぐらい行くと、橋を渡った鹿島という小さな島だ。
いくつかの集落があるのだが、その奥には石垣の段々畑がある。ここ、まるで遺跡のようだ。かつては、畑として活用していたが、現在は、純粋に石垣があるだけ。
この界隈の集落は、空き家ばかりで、過疎化がどんどん進んでいる。
おそらく、瀬戸内海の島々は、10年もすれば、無人島がどんどん増えるだろう。このままでは、古民家は、廃屋になり、やがて遺跡になっていくしかない。すべての古民家を救うことはできない。個人的には、これはこれで、ナマ遺跡のような、独特な雰囲気がしてそそられる景色であるが…。
一方で、本当に昔ながらの竹で編んだ土壁の古民家を、できれば残したいとも思う。次の世代に受け渡すには、どうすれば良いのか。答えは、メンテナンスを続けるしかないのだ。
では、メンテナンスの費用はどうするか。もはや行政は財政的にあてにならないし、民間が、運用していくしかない。
そう思って、音戸で古民家を購入して、次の世代につなげるプロジェクトが始まった。