劇伴音楽
vol. 17 2025-12-21 0
久々の更新になります
『釣られた埋蔵金』
企画・監督の前田優也です
最近の進捗状況につきまして
10月からは、劇伴音楽に関する作業を行っていました。
基本的に「完成した映像のタイミングに合わせてオーダーメイドで作曲する」いわゆる”フィルムスコアリング”の進め方になります。そのため、まずはオフライン編集で「映像の編集尺がFIXする」のを待つ必要がありました。(なお、日本の連続ドラマの音楽ですと、「悲しい場面」や「嬉しい場面」など、シチュエーションごとにパターンを作成しておき、各話で使い回します)
そのうえで「イメージに近い楽曲」を「参考曲」として映像に組み込みます。とはいっても、既存の楽曲をそのままひっぱるだけでは、映像と音楽のタイミングが意図しない演出になってしまいます。
そのため、「参考曲」ではありますが、曲の盛り上がりのタイミングなどを踏まえ、特定の箇所だけを切り取ったり、他の楽曲と組み合わせたりして、映像と合わせております。
なお、「音楽がない状態」で最適と判断した編集でも、音楽ありで考えると「もう少し、ショットの長さを変更したい」という部分がいくつかありました。
通常の商業映画ならば、作業工程が前後してしまうので、音楽に合わせて映像の尺を変更する事はありませんが、今回は自主制作の体制になるため、比較的柔軟に対応していきます。
劇伴音楽の発注にあたり「この部分にはこうした楽曲を充ててほしい」という要望を資料にまとめます。リズム、テンポ、楽器の編成、心情的なイメージ、などを文書化し、それを読みこんだ作曲家さんが、クリエイティブの火花を脳内でバチバチに弾かせてくださいます。(作曲家さんとは9月上旬に顔合わせを兼ねた打ち合わせを行っております)
ジャズやクラシックを基調とする非常に美しい楽曲をたくさん制作していただきました。個人的には、映像とは関係なく単体で聴いていたいと思うほどです。
DTMデモ音源として楽曲が届きます。その場面のためだけにオリジナルで作曲して頂いたオーダーメイドの楽曲。それを映像編集ソフトウェアのタイムラインに載せて確認し、「ここを0.25秒ほど短くしてほしい。ここは別の楽器が良い」などと、細かい修正依頼を行います。
また、「せっかく良い曲なので、数秒削る指示を出すのはもったいない。ならば、映像を音楽に合わせて伸ばそう」といった事も行っています。こういった事情もあり、まだ正式な「ピクチャーロック」が出来ておりません。
12月上旬に全ての楽曲のデモ音源がOKテイクとなり、現在はレコーディングとミックスの作業中です。予算規模的に収録のためオーケストラを手配する事は出来ません。ただし、今作の音楽はヴァイオリンとピアノをメインに編成しているため、このパートに関しては実際に演奏したものを収録して頂きます。すでに半分以上の楽曲データが届いており、残りについては今月中に揃う予定です。
本日、作業用SSDのデータを引っ越ししました。これまでは容量2TBを使用していましたが、空き容量が逼迫した影響で編集ソフトウェア:Premiereの動作が遅くなり、作業効率が格段に下がっていました。今夜の編集作業からは、新しく用意した4TBのSSDを使用しています。
追伸
「ピクチャーロック」以降の作業工程ですが、劇用画面の作成および合成、グレーディング(映像の色彩調整)、MA(音響の調整)等になります。これらについては、各分野の担当者にデータをお渡しして並行して進める形になります。
それぞれ本業のスキマ時間で作業を進める形になりますが、最速の場合で、2026年03月〜04月あたりの完成を見込んでおります。(対面で立会作業をする必要のある部分もあり、まだ確約はできないのですが、現状の目安として記載させていただきます)
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