『釣られた埋蔵金』の企画が生まれるまで(1)
vol. 4 2024-12-13 0
『釣られた埋蔵金』の企画が生まれた経緯を振り返っていきます。
実はキャストやスタッフにも話していない内容なので、ここで初公開……になります。
2018年の夏、とある単発ドラマの現場に参加していました。
とても刺激的な現場で、かなり充実した期間を過ごさせていただきましたが、その作品の監督から「自分のやりたい作品の企画書を書いてみなさい」と言われたのがきっかけです。
その方は、大学で教授もされている方で、学生さんの企画書を読む経験を多くお持ちでした。
また、探偵物の作品を数多く手掛けられており、僕の好きなジャンル、一言でいうと"冒険活劇"と親和性が高いと感じてもいました。
せっかくそう言って頂けたのだから、アイデアを整理して書いてみよう。
そうして9月末、企画書を監督宛にメールで送りました。
ちなみにタイトルは『サトシの冒険〜幻の巻物と一族〜』というものでした。
すごく恥ずかしくなってしまうようなタイトルですが、それしか思いつかなかったです。
数年ぶりに企画書を読み返してみましたが、本文にこのような記述がありました。
《日本を舞台にした冒険活劇の実写作品が見たい。それが動機です。主人公が様々な人々と出会い、事件に巻き込まれ、それを解決していきます。M 資金や
徳川埋蔵金など、都市伝説的なテーマを取り上げた上で、現代社会へのメッセージも織り込み、多面的な味わい方の出来る作品を目指しています。》
キャラクターとしては、以下の名前が記されていました。
・天野智(あまのさとし)
・川嶋志織(かわしましおり)
・影鶴壮太郎(かげつるそうたろう)
ストーリーは『天空の城ラピュタ』から着想しており、主役は男性でした。パズーをモデルにした青年です。
しかし、プロットを作成したものの、そこから何もせずに時間が経過します。
この期間、まとまった時間ができる度に、シド・フィールド、ブレイク・スナイダー、ロバート・マッキーなど、脚本術、創作術の書籍を読み漁りました。
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2021年の夏、
知人の俳優さんがTwitter(当時はXじゃなくてこの名称でした)に、ボクシング練習の映像を投稿していました。この映像を観たとき、「強い女性主人公のアクション映画」として思い出したのが『トゥームレイダー』です。
主人公のララ・クロフトはトレジャーハンターであり、その父もまた、考古学の道を探求する者だった。
その設定にインスパイアされた僕は、プロットを大幅に書き直しました。
つまり、この時点で主人公が男性から女性に替わりました。
このバージョンのプロットに登場するキャラクターの名前は
・間宮玲(まみやれい)
・糸川英斗(いとかわえいと)
・天沢一(あまさわはじめ)
・影本壮二郎(かげもとそうじろう)
・徳永紳一郎(とくながしんいちろう)
……この段階で、基本的な設定や物語の展開などの骨格が固まりました。
さて、ここまで3年が経過していますが《プロット》の状態で、まだ《脚本》の形式になっていません。
この続きは次の記事で。