選択肢の少なさが可能性を広げる
vol. 5 2022-12-16 0
クラウドファンディングの【残り4日】となりました。
現在までで3,000人以上の方にご覧いただけて、少しでも西喜商店の取り組み、食品ロスについて知っていただけたかなと思います。
ただ普段青果流通の中、八百屋としての発信が主になっているので、今回消費者目線で話してみます。
私は本年度から正式に西喜商店にスタッフとして加わりましたが、その前は1年ほどアルバイトをしておりました。
学生時代、自炊はしているほうでしたが、一般的な男子大学生のレベルです。
近くのスーパーにいって安売りされているものを買って野菜炒めとかにするか、作れるものの材料を買いに行くかの二択が日常です。
そんなときに西喜商店でアルバイトをし始め、その日ロスになった野菜を頂くようになりました。見慣れない野菜や普段買わない野菜を頂くと、
「せっかくもらったし使うか。なにができるやろ?」
と、自然にレシピや調理法を調べ始めます。この日々が続くと、それが当たり前になります。
この生活で、料理を好きになり、これまで使わなかった調理器具や調理法、さらには家庭料理のアレンジやその場で他の人からは難しそうと思われる料理を作れるようになりました。
食品ロスの野菜があるので、買い物に行くことは少ないですが、以前から変化したのは、
『「これを作るためにこれがいるから買いに行こ。」じゃなく「この野菜とこの野菜で何が作れるやろ?」』
という点です。この変化の大きな利点は食材が余りにくいことと料理が自然とうまくなることです。消費者として、食品ロスのものを利用することで、経済的にも世の中的にも自分的にもいい循環が生み出すことができました。
現代ではチェーン店も増え、特に若い人は料理をする機会も少ないかと思います。そうなると、旬の野菜や地場の野菜も知らない、自分の作れる料理に使う野菜を買うため、時期によっては高いと感じてしまう、料理から離れてしまうといった良くない循環が始まってしまいます。
スーパーには簡単調理の手助けアイテムなども多くありますが、それを中心に考えるのではなく、食品ロスとして安く売られているもの、旬や地場のもので安くなっているもの、これらだけで料理してみる、いわば不自由を楽しむみたいな感覚です。
今回の【軒下青果店】では、この不自由を楽しむことで僕に起こった変化を自然に体感することができると考えています。スーパーほどの品ぞろえはなく、小さな棚に並ぶ野菜のみ。この選択肢の少なさこそが可能性を広げる大きな要素となっていると考えます。
食品ロスや買い物難民、地域コミュニティの形成といった社会課題の解決に繋がる可能性は十分に伝わっているかと思いますが、利用者の可能性を広げることにも繋がるのではないかと僕は感じています。
このプロジェクトが京都市内で広がる、野菜を買う人が増える、これによって可能性を広げるためのクラウドファンディング、野菜や人の循環を生み出す西喜商店の挑戦に残り少ない期間ではありますが、応援よろしくお願いします!