60年代〜鹿児島で発行されていた同人誌モダンパルスについて
vol. 7 2017-10-16 0
いよいよ門のクラウドファンディングも本日まで。ご支援していただいた方本当にありがとうございます!
締め切り前の最後のアップデートは、リターンにも設定されている鹿児島でかつて発行されていたフリーペーパー(同人誌)モダンパルスについて。
この同人誌は当時パノニカというジャズ喫茶のオーナーの中山さんを中心にしたコミュニティから、ジャズやヌーベルバーグなど当時最新の文化を鹿児島に伝えるフリーマガジンとして発行されていたものです。今回のジャズ喫茶<門>もそのコミュニティの中にありました。
当時は鹿児島にいくつもあったジャズ喫茶のオーナーが集まってライブを企画するためのLSJP(ライブセッション・ジャズパーティの略)という団体もあって、モダンパルスと連携してイベントをやったり(60年代にアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズや、ヘレン・メリルを鹿児島に呼んだりしています)、レコードコンサートをやったり、モダンパルスという同じ名前のバンドを組んだりしていたようです。こうしてモダンパルスやLSJPといういくつかのコミュニティが、60年代から鹿児島のサブカルチャーを作っていました。
中にはもう齢80を超えるその当時のメンバーの方に話しを聞くと、ジャズ喫茶のネットワークは全国的にあって、当時デビューしたばかりの村上春樹氏(彼も自分でジャズ喫茶を経営していた)もこの鹿児島の同人誌に寄稿していたりします。文学の世界では鹿児島出身のビートジェネレーションにも関係の深い詩人ナナオサカキがいたからだと思いますが、ビートニクの詩人であったアレン・ギンズバーグやゲイリー・スナイダーが諏訪之瀬島に行く時に鹿児島に立ち寄った時に家に泊めたとか、驚きの話しがたくさん出てきます。
Coffee Innovateのブログ
http://coffee-innovate.com/blog/
今回のクラウドファンディングのわたしたちの想いは、単にモノとしてのアナログのレコードコレクションとかサウンドシステムを残すというだけでなく、こうした先人が街に残してくれた文化的な資産を共有して次の世代につなげていきたいということです。
形あるものはいつか滅びますが、彼らの暮らしと活動の中で生まれたつながりはわたしたちが忘れない限りなくなることはありません。門のアーカイブとサウンドシステムと同様に、彼らの活動の痕跡をこの街のみんなが財産として共有できるようにして行きたい。それが今回のプロジェクトのゴールです。
モダンパルスの現物はあと数部が残っているだけとなってしまっていますが、今回はその原本をスキャンして製本しもう一度読める形にしてお渡しする予定です。初号から20号くらいまで出ていたようですので、その中からお好きな号をお持ち帰りいただけるよう現在準備中です。こちらも準備出来次第支援いただいた方にはご連絡をします。
- 前の記事へ
- 次の記事へ