2年8か月の撮影期間、その方法(おススメしません)
vol. 14 2024-12-21 0
おはようございます!監督のにしやまでございます。
映画『みんなのふね』は2021年6月から2024年2月まで、約2年8か月撮影していました。
映画にするための予算が全くなかった(自己資金でスタートした)ので、撮影手法からよく考えなければなりません。よくある撮影手法ではお金がいっぱい出て行ってしまいます。
にしやまは普段は会社さんからの依頼等で撮影に行きますが、この場合は宿泊・交通費等が支給されます。しかしこの映画ではそれがありません。
どうやって予算を削りつつ、良いクオリティを担保しつつ、全国を回るJomonさんを可能な限り撮っていけばよいのか…?そこが最初から最後まで付きまとう課題でした。
とはいえ全国各地で開催されるJomonさんのイベントを撮影するには移動は必要です。
じゃあ削るのは宿泊費だな!ということで宿を真っ先に削りました(笑)
そう、移動する車で寝ればいいわけです。
運転席を目一杯前に出し、後部座席を倒したら、ギリギリ横になれるスペースが確保できました(足は微妙に伸ばせません)。
撮影初期は電源が必要な場合やデータ等の管理が必要な場合のみ宿を取ってました。
それが北海道に渡る頃には100V電源を車内で取れる&バッテリーでUSB給電できるようにしたので、完全に宿の必要がなくなりました!カメラの充電やPCを動かすこともできるようにしました。
…とはいえ、真夏の熱帯夜は地獄です(笑)後部ドアに簡易網戸を張って(Amazonで売ってます)、USB給電の扇風機を回して、起きたら汗でべっちゃべちゃ…みたいな生活を送ってました(笑)
そしてもっと危険だったのが冬…
長野では寝袋の性能が足りなくて凍えまくり、あったかい寝袋を持って挑んだ京都では車全体が凍って、朝日が当たるまで出られませんでした(笑)
窓ガラスはすべて凍結!ドアの継ぎ目も凍結!
いろいろ勉強になります(笑)
交通機関とレンタカーを使った撮影は佐賀県と山口県のみ、その他は自分の車で撮影に向かいました。
鹿児島の撮影の際、叔父がキャンピングカーを貸してくれることになり、沖縄撮影に向けてテストしてみました。生活環境は豪邸に住んでいるようで最高でした(笑)が、燃費が厳しい…2023年は既に燃料費が高騰しており、燃料費だけで数万円もアップしてしまいました…なので結局沖縄へは自分の車で行くことに。生活環境より撮影資金の確保を優先します。当然です(笑)
沖縄の車中泊は…激烈ハードです。
湿気がすごい、夜になっても気温が下がらない(30度近くある)、海のそばで暴風が来るととてつもなく車が揺れる(しかも涼しくない)…寝ては起きて水分補給を繰り返す毎日。
洗濯ついでに宿に4泊ほどしました(沖縄滞在期間は18日)が、夢のような居心地にびっくりしました(笑)これがなかったら確実に寝不足でやられてました。
そしてこんな状況なので、誰かに手伝ってもらうということもできません(報酬が払えない&こんな環境で手伝ってなんて言えない)。
なのでワンオペです。アシスタントもドライバーも制作さんもいません。
ちなみに某公共放送の撮影では「スタッフは撮影期間中運転してはいけない」というルールがあります。そりゃ疲れますからね…
しかしひとりの長距離運転は良い点もありました。北海道も沖縄も片道1,400km程度ありましたし、西日本も合計3000km程度走行しましたが、移動は思索の時間でもありました。
資金の使途、撮影・編集計画の練り直し、クラウドファンディングのこと、Jomonさんのやりたいこと伝えたいことを自分はどう表現するべきなのか…考える時間がたくさんあるというのは本当に必要なことでした。
監督として、カメラマンとして、ドローンオペレータとして、作曲屋として、プロデューサーとして…様々な役割をやるための思考の整理として、とても良い時間になりました。
ひとりで映画制作をスタートすることは、本当に、心の底からおススメできません(笑)
ここまで来れたのは、あまりにも多くの方の援助があったおかげです。
今まで一緒に仕事をしてきた方々の知見と助言、昔の知人の興味関心、クラウドファンディングやコミュニティで新しく知っていただいた皆様、Jomonさんや杉さん(後のミンナ)を通じて知り合った色んな背景と人生と哲学を持つ方々、何よりJomonさんの面白人間をどんどん吸い寄せるパワーのお陰で、僕も面白おかしく最後まで参加して撮り切ることができたわけです。「あ、これならできる気がする!」といろんな方に思わせてもらいました。
結局この映画は「みんなで作る」ことができました。そもそもこんな一介の三流カメラマンな僕が一人で長編映画を作るなんて不可能なんです(笑)
怒涛の如く過ぎ去っていった撮影期間、僕はこんなふうに過ごしていました。
重ねて申し上げますが、本当にこのやり方はおススメできません。「こんなやり方で映画が作れるのか!」と思わないほうがいいです(笑)
何度もダメになりそうな時がありました。資金的にも精神的にも体力的にも。
ただ運が良かっただけだな…と思う場面も多数です。
…でもまたやっちゃうんだろうなぁ…楽しいし(笑)
そんな作品を、来年皆様にお届けします。
Jomonさんが巻き起こした不思議な事実が、皆様に楽しく沁み渡っていくことを期待しつつ…
最後に!
東京で完成前先行上映会をやることになりました!
1/6と9、東京都府中市のコーヒー店、kettleさんにて映画『みんなのふね』の上映会を行います! しかも3回! オマケで監督がおります。
①2025年1月6日(月) 10:00開場 10:30上映(12:30終了)
②2025年1月6日(月) 18:30開場 19:00上映(21:00終了)
③2025年1月9日(木) 18:30開場 19:00 上映(21:00終了)
会場: COFFEA EXLIBRIS kettle(京王線・東府中駅徒歩3分)
おとな1,500円 高校生以下500円 ※ワンドリンクご注文をお願いします
※要予約・予約は以下のフォームよりご入力ください(各回定員30名)
https://forms.gle/qCji49fnZAHRkC787
kettle HP(最寄駅・京王線東府中駅/お店の所在地はこちらにて)
https://coffeaexlibris.shop-pro.jp/?mode=f5
kettle X
https://twitter.com/bbxbc539
kettleさんは何かと撮影中お世話になりまして、Jomonさんの全国ツアー中、ずっとコーヒーをご提供いただいたり、過去のクラウドファンディングや先行上映会において特別ブレンドを製作頂いたりなど、この映画に切っても切り離せないパートナーです。特別に店舗営業時間外にお店をお借りできることになりました。とびきり美味しいコーヒーやケーキと共にまったりと映画をご覧くださいませ!お待ちしております!
それではまた!