翻訳者:ウィリアム・I・エリオットさんへの感謝を込めて
vol. 43 2023-07-24 0
ウィリアム・I・エリオットさんという偉大な翻訳家がいます。詩人でもあるエリオットさんは、1960年代から50年以上もの間、谷川俊太郎さんの詩を翻訳し続けてきました。
谷川俊太郎さんに言葉を書いてもらい本にすると決めたときから、原点であるニューヨークに届けるため、日英同時併記にしたいと考えてきたMidori S. Inoue。谷川さんの言葉をエリオットさんに翻訳してもらいたい。そんな想いが届き、谷川俊太郎事務所にご尽力いただいたおかげで、エリオットさんと共同訳者の西原克政さんに「記憶と空想」の翻訳をお願いできることになりました。
エリオットさんの翻訳してくださった言葉のなかでMidori S. Inoueが特に気に入っているセンテンスをほんの少しご紹介します。
I had a dream that I wished him to write fabulous poems like that for my coming book. And as time went by, a letter written in his genuine hand suddenly arrived.
「いつか私の写真にもこんな素敵な詩を書いてほしいと思い続け、時がたち、本当に私宛に届いた言葉(フォト絵本「記憶と空想」あとがきより)」
Everyone is different. You’re beautiful just as you are.
みんながみんなちがっていい。あなたはあなたのままでいい。
You’re already angelic.
ありのままのあなたが天使
シンプルな言葉の中に、豊かなイメージが響きあうエリオットさんの英語。ページを開くときに、エリオットさんの美しい英語もぜひ味わっていただけたら嬉しいと思っています。
エリオットさんは、丁寧に翻訳に関わってくださいました。翻訳の意図が上手に伝えられなかったときも、お会いする時間も作ってくださいました。Midori S. Inoueの話を丁寧に聞いて、ニュアンスについて確認しながら「これはどうだろう?」と言葉をつむいでくれたこと、本当に感謝しています。やり取りのメールも心温まるメッセージを書き添えて送ってくださいます。
エリオットさんから先日ご連絡がありました。「記憶と空想」をシカゴの大学の蔵書のコレクションに入れてくださるように、取り計らってくださったとのこと。
シカゴ大学の卒業生であるエリオットさん。彼が谷川俊太郎さんの翻訳した作品を収集するコレクションがシカゴ大学にあります。その蔵書の一つに加えてくださることになりそうなのです。
シカゴはMidori S. Inoueがコミュニケーション学を学んだ大切なご縁のある土地。大切な縁のある場所に「記憶と空想」が広がっていくことを、本当にうれしく思っています。
ご支援いただいたみなさまのお名前と想いを乗せて、フォト絵本「記憶と空想」が少しずつ広がっていきます。クラウドファンディングも残り2日。みなさま、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。