Sさんからのメッセ―ジ
vol. 30 2023-07-11 0
フォト絵本「記憶と空想」。私がこの本を出版したいと思ったのは「あなたはあなたのままでいい」ということを伝えたいからです。人生には様々なことがある。それでも、「今この瞬間」を慈しみ楽しんでほしい。今のあなたはすべてを持っている。おそれおおくも、そんなことを伝えたいからです。
先日、私の大切な友人と心のこもった大切なやりとりをしました。
今日はそのことをお伝えします。
2年前の個展でいらしてくださったSさん。
息子さんの20歳の誕生日にとFather & Sonの写真を購入してくださいました。
今回のクラファンでもご支援くださって、名前を見つけお礼のメッセンジャーを書く。
ただ、もしかしたら素敵なギフトになるのではと思い、「もし宜しければ、息子さんお名前も入れませんか?」とも付け加えてみました。2年前に購入してくださった「Father &Son」の写真は二章に掲載されているから、きっと良い宝ものになるのではないかと。
お返事がきました。
そこには、Sさんからの大切な想いが綴られていました。
「みどりさん、ご丁寧にありがとうございます。そしておめでとうございます。みどりさん2冊お願いできますか?一冊は息子に一冊はわたしに。今年50になったわたしですが、亡くなった主人と結婚したときの彼の年齢になりました。亡くなって20年。ずっと自分を責め赦しを乞うわたしでした。ですが、今やっと彼の遺言を50になったわたしへの彼からのラブレターであったと、受け取ることができました。そんな自分へのプレゼントとして、彼と過ごした思い出のNYを、みどりさんが写してくださった瞬間の輝きを美しい言霊と共にわたしからわたしへ送りたいのです。よろしくお願いいたします。あのステキな愛の日々があったことを思い出させてくださりありがとうございます。感謝」
2冊リターンを購入してくださったSさん。
「ご主人のお名前も入れたらいかがでしょうか?」とご提案したところ、息子さんと娘さんのお名前とご主人とご自身の名前を入れてくださることになりました。
「娘は(そのとき)生まれていなかったけど生れる前からずっとわたしを見守りわたしをはぐくみ、主人との別れの悲しみとそこにあった真実の愛を見続けてくれて来た子なので
兄妹の名前を入れていただけたら、嬉しいです。
余計なことですが、主人は自死で亡くなりまして、主人は武士のようなかっこいい潔い生き方でした。そのことがやっと20年たって腑に落ちました。ずっと20年わたしたちを見守り続くけてくれたこと。主人との約束に気付くことが出来ました。息子はテロの直後9月17日にマンハッタンで誕生しました。2歳で父と別れた息子にはパパの記憶はありませんが、彼の中にいる父親をみせてくれる写真に感謝しかありません。今までほとんど息子と写真を見ることがありませんでした。できませんでした。でもみどりさんの写真のおかげでその時間を取り戻すことが出来ました。本当にありがとうございます。20年の時を経て、いまただいま」
写真はただのきっかけなのだと思います。だけど、こうして小さなきっかけをそこに見出してくださったこと、かけがえのないSさんの人生のなかの、ほんとうに大切な瞬間を、写真がご一緒させていただいたこと。そのことがうれしいです。
Sさんの、とっても大切な人生のエピソード。
メッセージをご紹介するか迷いました。でも、Sさんとのやりとりのなかに、この本が本当に大切にしたいことがあると感じられたので、みなさんにお届けします。みなさんとのやりとりの中で、たくさんの人に育ててもらいながら、この本を出版している、そんなことを感じる日々です。
Sさん、素敵なメッセージをありがとうございました。