巻き込んだものの責任
vol. 61 2015-09-02 0
北海道でかつて炭鉱があった町を、今回のロケハンで歩きました。
華やいでいた街の名残が胸に迫るところがあります。
そういう炭鉱街には、必ず、映画館の跡がある。
あぁ、映画というのは遺跡であり遺産なのだと、
見るたび思います。
映画は石炭なのだなと思うのです。
言わずもがな。
今は石炭の時代ではありません。
映画を見たいという欲求は消滅しかかっている。
ボクはそれを取り戻したいとは思いません。
いまさら石炭を掘っても仕方ないように、
失くなってしまうものは運命だと思っている。
映画『ゲーテ診療所』を望んでいる方々が、
どれだけいるのか数字にしてみたいという思いもあって、
今回クラウドファンディングをやってみました。
おかげさまで、達成こそ出来ましたけど、
多くの方々が望んでいるということとは程遠いという気がしました。
ずっと井の中の蛙、大海を知らずでやってきてますが、
これではダメですね。
もっと、外を見て、
ボクラが作るものを見たいというヒトを創造しなくてはいけない。
ドラッカー的に言えば「観客の創造」とでもいいましょうか。
それをしなくてはいけないんだと思います。
今回ご支援いただいた方々のなかには、
愛知、沖縄、北海道にお住まいの方が大勢いらっしゃいます。
まずは、そういうところにぜひ、ボクらはおじゃまさせていただいて、
もちろん映画も上映させていただいて、
なんなら増原は歌いますし、
丸山さん作曲のサントラを『ゲーテ楽隊』が演奏しますし、
ボクなんかのおしゃべりでよければなんぼでも話しますし、
移動型マメヒコを作って、珈琲を淹れたり、ケーキを作ったり、
ご当地の材料でお料理を作ったり、
とにかく、またそこは一からやりたいと思っています。
『ゲーテ診療所』は2016年のお正月封切りにしたいと思っています。
そこから、半年くらいかけて、見てもらうこと、
やれることを工夫して。
制作費を映画の鑑賞料で回収できるまでやるというのが、
なんていうか、巻き込んだものの責任じゃないかとボクは思っています。