「頑張らない」介護の秘訣(「認知症のケアと看とり」キックオフイベントより)
vol. 15 2017-03-28 0
3/24(金)に「認知症のケアと看とり」のキックオフイベントを開催しました。
金曜の夜、ということもあり参加人数は決して多くはなかったですが、皆さん真剣に関口監督のお話に耳を傾けていらっしゃいました。
この日のテーマは<「頑張る」介護にさようなら!みんなの「できない」をオープンに>。
自宅介護生活8年目の関口監督は、宏子さんのMRI検査で訪れたクリニックの先生に「介護生活が7〜8年経過すると、ご家族がボロボロになるケースが多い中で、どうしてそんなに元気でいられるのですか?」と驚かれたそうです。
その秘訣は「一心不乱にならない」「人生プランAで進めば素晴らしい、でも実際はそうはいかない」「思うようにいかなかった時、プランAに固執せず、プランB。さらにその先のC、D、E…くらいまで、選択肢を広げて考えること」と関口監督。
関口監督が代替プランを考える時、最も優先させるのは「母の気持ち」です。
家族はつい「できなくなったこと」に目を向けてしまいがちですが、本当に目を向けるべきは「認知症の人の心」で、「母の2年半の閉じこもり生活や、3年半の入浴拒否にはきちんとした理由がある」と関口監督は言います。「プライドの高い母にとって、脳や記憶が混乱し、できないことが増えるのがいかに辛く、受け入れられないことか」。「私たちの社会ルールや常識で考えるのではなく、認知症の母の世界に視点をシフトすることで、見える世界が大きく変わる」と話されました。
また、介護をされているご家族から「できない」ことを相談されることも多い関口監督。そんな時は「できないことを頑張るのではなく、できることをする」「できないことを思い切ってオープンにすれば、思いがけない支援や援助が舞い込んでくる」とお話されるそうです。でも、その時にも大切にしなければならないのは「自分の都合」ではなく、「認知症の人の心」。母の日々の様子を観察しながら「今のケアやその体制は母にあっているだろうか?」と常に考えているそうです。映画監督でもある関口監督にとっては認知症の母にとって一番いい形を「演出」することこそが「ケアの醍醐味」で、「自分の演出がバチッとはまると嬉しくて、ワクワクしてくる」ととても楽しそうにお話しされていました。
関口監督のトークの後は、「毎アル」シリーズの映画音楽を担当してくださっている、芹澤朋さん(作曲家・アコーディオン)と波田生さん(ヴィオラ)による生演奏タイムでした!音楽に身を任せ、心身ともにリラックスして、この日は終了となりました。
参加者の方が帰りがけにかけてくださった「監督の話と音楽に、ふさぎこんでいた気分に光が差しました」という言葉が今も胸に残っています。
次回、4/6(木)のイベントは介護福祉士の飯塚裕久さんと関口監督による対談です。
介護福祉士として現場に立ちながら、ケアスクールの校長として次世代の育成も手がけられている飯塚さんとともに、認知症ケアに欠かせない「介護福祉士と家族の連携」や「介護福祉士という仕事」について掘り下げていきたいと思います。
ご興味、ご関心がございましたら、ぜひご参加ください。
「認知症のケアと看とり」の詳細はこちら↓
http://maiaru.com/2017/03/07/talk_event/
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