ビデオブログを考える。(19) - コンテンツのスケール
vol. 29 2014-06-20 0
ブログコンテンツの難易度は、取り扱う内容で大半が決まる。スケールが大きければ大きいほど、その難しさは比例していくはずだ。
取り扱う内容が難しいと、一つの記事や動画で伝えるべきことにブレが生じてしまう。事実を伝えるのか、私見を伝えるのか、批評を行うのか。これが定まっていないと、一つの説得力やコンテンツの評価へ繋がることは無いだろうと思う。
●第176週より クラウドファンディングの種類を説明する紅葉
自分の身の回りの出来事を取り扱うのはそこまで難しくなく、個人的にもお勧めできるビデオブログの内容だ。しかし、ひとたび自分の許容を上回るコンテンツを扱う必要が出てきた時、とても慎重に伝えるものを吟味していく必要がある。
ルミナスタジオが今回のプロジェクトをクラウドファンディングで資金調達することを決めた時、支援を得るには先ずクラウドファンディングそのものを動画で取り扱う必要があると判断した。視聴者層関係なく、日本国内ではまだまだクラウドファンディングの利用率・認知度が高いわけではなく、そのままいきなり募集を開始してしまうと、"無名の個人が不特定多数から資金を募る"という事自体がネガティブな印象を抱かれてしまわれかねない。
そこで、クラウドファンディングの正しい知識を周知してから視聴者へ事前プレゼンを行い、プロジェクトの掲載へ向けた下準備を行ったのだ。
クラウドファンディングそのものの説明をした時、その内容は非常に悩みながら制作していた。
それは、自分の身の回り以外に在ることを説明するという事であるため、間違った認識で伝えてしまわないように気をつける必要があるからだ。言わば『配信者のメディアリテラシー』の必要性とも言えるだろう。
視聴者から寄せられた質問のコメントにもかなり配慮した。動画コメントやSNS等でどういった質問が来るのかもある程度想定し、できるだけ早く返信できるよう対処していった。このように、取り扱った内容が自分の許容の外側であるほど、視聴者からのリアクションも含めてセンシティブになる必要がある。
スケールの大きなコンテンツを取り扱うのは、まさに諸刃の剣とも言えるのではないだろうか。時事ネタや政治・社会系の内容を取り扱う場合は尚更で、視聴者への信頼や評価を得るためには相応の吟味と配慮などが必要となる。
ルミナスダイアリーでそういったスケールの大きなコンテンツをあまり取り扱わないのは、キャラクターの個性を尊重しているためでもある。出来る限りネガティブなコンテンツや事象を3人に扱わせるべきではないという判断であり、小さなチャレンジの積み重ねを演出するためにも、現在自分が手に届く範囲のことを取り扱っていきたいのだ。
動画でも気を病むような内容を観るよりは、その出演者の希望や夢が緩く感じ取れる"淡いポジティブさ"を観ているほうが、心を落ち着けることができるはず。ルミナスダイアリーではこれを非常に重視している。
言い方を変えれば、今現代社会で一番必要な『自己啓発』の形なのではないだろうか。