ビデオブログを考える。(6) - 制作効率性を求める(その1)
vol. 8 2014-06-05 0
多くのYouTuberがそうしているであろう様に、ビデオブログという文字のブログに相当するジャンルの動画であっても『テンプレート』は制作効率の面で非常に重要な要素だ。
これの有無では、作品の制作ペースは3倍も4倍も変わってくるもので、その部分の作成に時間を掛けることは、前回取り扱った『チャンネルブランド力の向上』へ最も貢献する要素の一つにもなる。
ルミナスダイアリーの構成は幾つものテンプレートによって成り立っている。
●新シリーズ枠50より 画面構成のレイヤー図
非常に分かりやすいテンプレートの例が『テキストボックス』とキャラクターの配置だ。
テキストボックスとキャラクターの配置は2010年以来から殆ど変わらないままで、そこから視認性と最背面の映像・写真がより観やすい配置を意識するべく、ボックスの比率やテキストの行数なども検討し、改良を行っていった。
最初期のテキストボックスとキャラクターの配置は、すべて手作業で毎シーンごとに行っていた。
ルミの立ち絵イラストとEDIUS内で作成したテキストボックスを配置する座標をメモし、テキストトラックを2行分用意する。テキストフェードも行毎なので、それぞれずらしてタイムラインに配置する。
増大するトラックは、シーズン2以降にミレーニアが登場して更に膨れ上がった。最終的には恐らく20トラックほどにまで増えていたかもしれない。
それもあってか、後ほど導入したVFXツールは非常に役に立った。Adobe After EffectやApple Motionがそれに値するものではあるが、ルミナスタジオは『制作効率性』を重視したため、機能性が非常に強いAfter EffectよりはFinalCut Pro Xとの連携力が非常に高いMotionを使う必要があった。
2011年にFinalCut Pro Xが登場した時は、映像関係に携わる人間からは酷評の嵐であった。しかし、その中で数少ない絶賛をMac App Storeでレビューを記したほど、ルミナスタジオにとっては革新的な映像制作ソフトウェアだったのだ。
EDIUSを使っていた頃は無駄に膨大になっていたトラック数が、FinalCut Pro Xを導入した後は3つのトラックだけで完結するようになった。
予め用意したキャラクターとテキストボックス、そしてテキストのフェードに配置後も編集可能なテキスト本体。これをMotionで一つにまとめ、トラック上で配置できるようになったおかげで、ルミナスダイアリーの連載速度を向上させる地盤は更に固まっていったとも言えるだろう。
ここまで効率化を進めていくのは良かったが、そこで次第にネックとなっていったのが映像や写真のソース自体の品質と、編集に必要とするコンピュータのマシンスペックに関する問題であった。