撮影後記など....(監督山本より)
vol. 6 2017-03-10 0
はじめに
おはようございます。監督の山本甲斐です。はじめましての方はこれからどうぞよろしくお願い致します。
今回は皆様に向けて、簡単なものではありますが撮影中のエピソードやメッセージを書かせて頂きます。コレクターの方々はもちろん、ご賛同を検討されている方も最後まで楽しんでいただければ幸いです。
撮影
クランクインは1月19日で、トップシーンからの撮影となりました。
映画の撮影はエピソードに事欠きません。今作品も例に漏れず楽しげなエピソードが多数ありました。赤ちゃん人形である通称ポポちゃんが川に流され救助に走ったり、お借りした現場で唐突に水漏れ事件が発生したり(結局水漏れではなかったのですが)、遅刻した者を笑った者が後日堂々と遅刻したり。
時には朝の5時に現場に集合し19時まで撮影、翌日も朝の5時に現場に集合して23時まで撮影、といったこともありました。その両日の合計シーン数は16。細かいシーンもすべて含めればこの作品は69シーンなので、その2日だけで全体のおよそ4分の1を撮影したことになります。さすがに疲労困憊で翌日は倒れてしまい……とも言ってられず、撮影はお休みでしたが、次の撮影のためにせっせと各々が動いていました。
今回ロケでの撮影日に雨は一度たりとも降りませんでした。ただし、風にはやられました。大いにやられました。運がいいのか悪いのか。
お芝居に関しては、僕が考えていることをどう伝えればいいのかということでよく悩んでいました。今ある芝居をどうやったらより良い方向に向けることができるのか。それは伝え方一つでどんな方向にも転がってしまうとても危険なものでした。なので声をかける時にも言葉を選ぼうとはしていましたし、時には役者さんに不可能な動きを要求していないか自分で動いてみたりもしていました。
そういえば、僕は現場の最中、役者さんを役名で呼んでいました。僕の目には春喜は春喜、美冬は美冬、粕谷は粕谷、ジュンはジュンとして映っていたのです。それくらい今回のキャスティングには自信を持っています。映画の中のキャラクターであることは間違いないけれど、彼らは確かにそこに存在していました。
様々な障害や困難にぶつかりながらも歩みを止めずに突き進み、2月10日に無事クランクアップを迎えることができました。エキストラでご参加くださった皆様、寒い中ありがとうございました。その日は外に出ると雪が降っていましたね。ヒロインである「美冬」の名にふさわしい雪でした。ほぼ吹雪でしたけど。それも奔放な美冬の性格を表していたのかもしれません。と、これはこじつけですかね。
大きな事故や怪我がなく、誰も死ぬことなく現場を終えられたことで胸を撫で下ろしたことをよく覚えています。冗談ではなく、人が死ぬ=この作品そのものが消失する、ということなのです。ですから、現場の最中に1番気をつかっていたのはそこの部分かもしれません。死んでも構わないという気持ちでやることと、実際に死んでしまうことはやはり大きく違いますから。
ポストプロダクションとこれから
ポスプロと略して呼ぶことが多いですが、まずは編集を行いました。音付きニューラッシュとよばれる、いわゆるOKテイクとキープテイクをシーン順・カット順に並べたものになるのですが、スタッフでそれを見ることから始まりました。日に日に編集者が紡いでいく映像たちを横目に、僕は先日公開した特報を作っていました。といっても特報の編集は1日で終わってしまったのですが。3月に入り、ようやく編集が終わりました。
編集が終わり、現在はダビング(セリフや効果音や音楽の最終決定作業)へ向けての作業を進めています。音によって映画はガラリと変わります。僕が監督をしてるとはいえ現段階では想像の範疇を超えることはないので、ワクワクしながら、たまに作業を覗きながら、僕は本予告の編集を行っています。ダビングが終わると、今度はカラコレ(映像の色味を変えること。最近ではダビングの前に行うことが多いとのことですが、この作品ではダビング後に行うことにしました)を行い、そして0号試写ののちに完成となります。
3月いっぱいまでにこれらの作業は完遂させますが、皆様にお届けできるのはそれからということになってしまいます。劇場のスケジュール上、4月中に公開できないことも考えられます。
しかし、必ず皆様にこの作品をお届けすることをここでお約束致します。どうかもう少々だけ我々にお時間をください。恐縮ですが宜しくお願い致します。
新たにご賛同を検討されているあなたへ
この作品には僕たちの熱意がこめられています。その熱意はきっとあなたの何かを突き動かします。完成まであと一歩のところにきているものの、目標金額を達成できなければ日本各地での劇場公開も困難になってしまいます。
映画を作ったからにはその作品をできるだけ多くの方々に届けなければいけません。作品を作ってコンペに送って、はい、終わり、では創作者として失格です。創作者とは伝えることがまず第一になければいけないのではないでしょうか。
私が伝えようとしているものは人生のほんの一部分かもしれません。けれどもそれがあなたの財産になるように命を削り闘っているつもりです。
どうか、この作品を伝えさせてください。