住民訴訟・伐採差し止め訴訟 第1回口頭弁論報告の続きと次回のお知らせです
vol. 4 2021-07-22 0
(「相原高校のシンボルツリー・クスノキを守ろう! クスノキ訴訟だより NO.3 」発行:2021年7月21日より、裁判についてお知らせします)
◆報告集会◆
波止場会館 中会議室にて(14:30~15:30)
・山下弁護士より、振り返りとして今回は陳述と書類確認、次回の日程に終わったが、傍聴席がほぼ埋まって裁判官への心証は良かったと思う。
・裁判官がマイクを使用せず、聞こえなかった。
・今後、学習会や映写会を試みては? の発言があった。
・訴訟だより 3 号への感想依頼や、次回の国賠訴訟口頭弁論の陳述を呼びかけました。
【裁判傍聴記】
裁判所なんて60年以上前に小学校の社会科見学で行って以来だ。法廷物のドラマはよく見るけれど、 実際の法廷ははじめてだ。傍聴席は昔は公園にあるような木の長いすだったけれど、今はふかふかの独立したひじかけいすだった。私は少しうとうとしてしまった。
県からは 5 人、市からは 3 人が出席していた。はじめに、岩田さんが意見陳述書を読みあげ、次に浅賀さんが続いた。お二人とも訴えの趣旨を、わかりやすくまとめられ、耳の遠い私でもはっきりわかるよく通る声だった。
裁判官は3人で真ん中が男性で両側が女性だった。裁判官の法服とか、弁護士バッヂを実際に見るのは、はじめてだ。エレベーターで乗り合わせた男性の背広のえりに秋霜烈日の検事のバッヂが見えた。
裁判後の報告会で、ペリー来航時にもあった横浜のたまくすの木(タブノキ)は何度も伐られそうになったが、 今も残っているという話が出た。橋本のクスノキも生き長らえますように。 (西橋本 iさん)
13:30 開廷で原告陳述が開始された。事前に陳述書が配布されていたので、分かりやすかった。しかし、 被告人からの答弁書には「却下」と書かれている。これから審議が深まると、期待しています。
なんとしても、費用など返還させ、「伐採差し止め」を叶えたい。クスノキを残すことは母校アイデンティティーをレガシーとして継承することです。
帰宅途中、久々に中華街へ寄り道したが、新コロナで何も食べずに帰宅した。被害を受けなかったことが 何よりだった! (S43年食品化学科卒業生 川添務さん)
◆次回口頭弁論のお知らせ◆
第 2 回住民訴訟・クスノキ伐採差し止め訴訟
日時:8 月 25 日(水)15:00~15:30(15分前集合)
場所:横浜地方裁判所 502号法廷
裁判終了後(15:30〜16:30)報告集会を予定しています。
暑さが厳しい時ではありますが、傍聴いただけたらとてもうれしいです。
※国賠訴訟期日延期のお知らせ
8 月 18 日(水)に予定されていた国賠訴訟(第 1384 号事件) 第 1 回口頭弁論は、延期になりました。日程が決まりましたらまたお知らせします。
〈相原高校跡地の現在〉
相原高校の人気スポット、美しかったイチョウ並木は約 1000 本の樹木と共に伐られてしまい、現在は工事ヤード。 まちの景観を著しく損なったことは一目瞭然。2枚の写真は、ほぼ同じアングルから撮りました。見比べてどちらが良いと思いますか?
撮影日:2019/12/8
撮影日:2021/3/11
【寄稿・日常になじんだ景観の大切さ】
鎌倉市 岩田薫
北鎌倉駅の下りのホームに面して、緑の洞門と呼ばれる素掘りのトンネルがあります。岩をくり抜いて 歩行者とバイクが通行できるようになっています。この緑の洞門を開削し、車が通行できる道にしようという方針を鎌倉市が2015 年に打ち出しました。
洞門を破壊して広げることにより、奥にある円覚寺の塔頭が開発する墓地の付加価値が上がり、高く売れるというのが理由でした。しかし、多くの市民が素掘りのトンネルを破壊する行為に反対し、私達は市長相手に何度となく裁判を起こしました。
今もこの洞門は、破壊されることなく残っています。 市側の開削工事を止めたのは、文化庁の鶴の一声でした。洞門の上の尾根は、鎌倉時代の史跡に相当し、価値があるから残しなさいというのです。古い円覚寺境内絵図にも洞門の尾根が描かれており、文化的価値が高いとの見解が示されました。
市側は、ならば尾根を残し、トンネルの素掘りの部分は、重機で掘削して車が通れるように広げればいいと計画を変更してきました。 ところがこの計画にも、横やりが入りました。鎌倉市の文化財専門委員会で、学識経験者から、「史跡も大事だが、街に住む人びとになじんだ日常の景観こそ、それなりに大事だ」との意見が出たのです。
日常になじんだ景観も文化的に価値があり、これを守ることが、古都のバロメーターにもなるとの意見でした。 こうした意見に押され、市長は現在も素掘りのトンネルを破壊できずにいます。
私たちは、クスノキ同様日常になじんだ景観をこそ残したいと願っています。
(岩田さんはクスノキ裁判の原告であり、緑の洞門保全活動にも取り組んでいます)