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「在日クルド人の現在2021」プロジェクトをクラウドファンディングで実現!
川口市を中心に、埼玉県南部にはトルコから逃れてきたクルド人が2000人以上住んでいます。彼・彼女たちがなぜ日本に来たのか、何を思いながら日々暮らしているのか、在日クルド人の等身大の姿を知るためのイベントを開催します。
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6月20日「世界難民の日」に向け、川口に暮らす難民申請者、トルコから来たクルド人の現在を写し出す写真展とその関連イベントを準備中です。
川口市を中心に、埼玉県南部にはトルコから逃れてきたクルド人が2000人以上住んでいます。彼・彼女たちがなぜ日本に来たのか、何を思いながら日々暮らしているのか、在日クルド人の等身大の姿を知るためのイベントを開催します。
はじめまして。私たちは在日クルド人の現在(いま)2021実行委員会です。ここには日頃、日本にいるクルド系住民と向き合い、さまざまな形で活動しているグループが参加しています。
今回は「世界難民の日」にちなんで私たちが開催するイベントを知っていただき、多くの皆さまに在日クルド人のリアルや背景を伝えていくご協力をお願いしたいと思い、このプロジェクトを立ち上げました。
埼玉県川口市や蕨市、戸田市、さいたま市等、埼玉県南部には約2,000人のクルド系住民が暮らしています。主にトルコから弾圧や抑圧を逃れ、親戚や知人を頼って来日した人たちで、1990年代から少しずつその数は増え、2010年代に急増し、いまに至っています。
©Sachiko Saito
単身で日本に来るに留まらず、家族単位で日本に移住してくるケースが多く、子供から高齢者まで幅広い世代のクルド人が、故郷から遠く離れた日本の地で、つつましくもたくましい暮らしを営んでいます。
ソフレという布に料理を載せる ©Sachiko Saito
解体工事や工場など、日本人が忌避しがちな危険な労働現場で報酬を得て、家族の生計を立てているケースが一般的です。しかし、日本では難民認定やそれに準ずる在留資格取得のハードルが高く、社会的に不安定な状態に置かれている人たちが少なくありません。
解体現場の風景 ©Sachiko Saito
本国を離れ、日本に入国した後、難民申請をしている人が大半なのですが、難民として認定されたクルド人は一人もいません。特定活動や仮滞在という在留資格を得るか、人によってはその資格を得られず仮放免というさらに厳しい状況で生活しています。
日本で新たな家族を築き、子どもたちも次々と生まれるなか、健康保険に入れず病院にかかれない、教育期間を終了しても就労できない、最悪、入管に収容され、期限もわからず拘束される等、在日クルド人は日々困難にさらされています。
にもかかわらず、在日クルド人という存在は、地元ともいえるこの埼玉県南部でも、あまり知られていません。教室で机を並べる子どもたち、同じ学校に子どもを通わせている親同士、近くに暮らす住人同士であっても、文化や暮らし方の違い、言葉の壁などもあいまって、お互いのことを知らずに済ませている状態です。
地元小学校の運動会風景 ©Naomi Nakajima
まずはこの地元発信で、在日クルド人の現在を知り、お互いを知り合うイベントを開催したいと思い、ここに至りました。
まず一連のイベントを簡単に紹介いたします。
・在日クルド人の現在展
2021年6月9日(水)~13日(日)10:00~18:00(最終日は~15:00)
場所:川口市立アートギャラリー・アトリア 入場無料
※体調のすぐれない方等の入場をお断りすることがあります。
・【講演会】その虐殺は皆で見なかったことにした トルコ・クルドの町で起きた惨劇
2021年6月11日(金)19:00~21:00
場所:蕨市立文化ホールくるる 参加費:500円(高校生以下無料)
※体調のすぐれない方等の入場をお断りすることがあります。
・映画『Voices from the homeland』上映&監督アフタートーク
2021年6月20日(日)14:30~16:30
場所:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 参加費:500円(高校生以下無料)
※体調のすぐれない方等の入場をお断りすることがあります。
以下、それぞれのイベントについて、詳しく説明させていただきます。
川口市内には「川口市立アートギャラリー・アトリア」という市民に親しまれるギャラリーがあります。商業施設、大規模住宅に隣接し、目前には公園、親子連れの笑いあう姿が展開する施設で、これまでもふらっと覗ける気やすい展示会やイベントが多々開催されてきました。
この場所でクルドの人たちを写した写真、映した映像、他にもいろいろ情報を盛り込んだ展示会を開催しようと考えました。クルド人がクラスメートだったり、近所に住んでいたり、お店で出くわしたりした人が、ふと気が向いて一人で、友達と、家族と覗きに来るような展示会です。クルドの人たちにも来てもらいたいと思っています。写真や映像の中に、自分たちの姿を発見して、ちょっとうれしくなるような展示会。もちろん、このプロジェクトに関心を寄せてくださった皆さまにも、足を運びたいと思ってもらえるものをと、ただいま鋭意準備中です。
会期は2021年6月9日(水)~13日(日)、どなたでも入場しやすいように料金は無料にいたしました。実施の詳細はプロジェクトのフェイスブックページでご覧いただけます。
展示する作品は以前から在日クルド人に関心を持ち、活動している作家さんたちにお声かけさせていただきました。以下、ご紹介します。
齊藤幸子 1985年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部写真学科卒業。個人が歴史や社会的背景によってどのように条件づけられるかに興味を持ち、作品を制作する。「第22回1_WALL写真展」ファイナリスト。
©Sachiko Saito
中島夏樹 1994年生まれ。作曲家・映像作家。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。学内にて安宅賞、アカンサス音楽賞を受賞。同大学院美術研究科先端芸術表現科修了。個人の記憶と物語、特に音によって想起される記憶についてを主なテーマに、創作活動を行っている。2018年、株式会社MAGNETICA studioを設立。
©Natsuki Nakajima
久保田徹 1996年神奈川県生まれ。慶應大法学部在学中の2014年よりロヒンギャ難民の取材を開始し、ドキュメンタリー制作を始める。社会の辺境に生きる人々、自由を奪われた人々に寄り添いながら静かにカメラを向け続ける。札幌国際短編映画祭ほか、国内外の映画祭にて受賞・出展多数。
©Toru Kubota
BARBARA DARLINg アーティスト。東京都中心に活動。Optional Art Activity「Who is "Mr. SUZUKI”?」(Take Ninagawa, 東京, 2016)に参加、「作家ドラフト2016」(京都芸術センター, 京都, 2016)出展、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 東京, 2015)や「The shiny future exhibition 2013 The HUMANISATION」(東京都美術館, 東京, 2013)をキュレーション・出展。次回作として、 難民問題やと芸術に見る支配と搾取構造をモティーフに2020年アテネで滞在制作した作品「Under the tree(仮)」を発表予定。http://www.barbaradarling.com/
©BARBARA DARLINg
彼らの作品に加え、在日クルド人や、彼らと関わってきた活動の歩み、現在行われている取り組みのスナップ写真など、資料展示も行います。
春の祭、ネウロズ ©Naomi Nakajima
また、展示会の会期中、6月11日夜、JR蕨駅前にある「蕨市立文化ホールくるる」多目的ホールにて、ジャーナリストの舟越美夏さんをお招きし、講演会を開催します。舟越さんは2015年から16年にかけてトルコ南東部で起きたクルド人虐殺事件を取材し、最近、その内容をご著書にまとめられました。この事件の状況や経緯、長い間虐げられてきたクルド人の悲劇はなぜ国際社会から見過ごされてきたかというお話をおうかがいします。当日は「クルドを知る会」の代表や在日クルド人のスピーカーも登壇します。
【講演会】その虐殺は皆で見なかったことにした トルコ・クルドの町で起きた惨劇
さらに世界難民の日である6月20日(日)当日の午後には、川口市にある「スキップシティ 彩の国ビジュアルプラザ」にて、中島夏樹監督による映画 『Voices from the homeland』の上映とアフタートークを行います。
©Fumio Yoshimatsu
こちらはクルドの語り部・歌い手である「デングべジュ」についてのドキュメンタリーフィルムで、2019年から2021年、映像はトルコ南東部、北クルディスタンにて撮影されたものです。使用される言語はクルド語、トルコ語、そして日本語で、クルドの人にも、日本の人にも観ていただきたい作品となっています。
映画『『Voices from the homeland』上映&監督アフタートーク
今回のプロジェクトは実行委員会形式で行っています。これまでも地道に活動してきた、分野の異なる4団体が参加しています。簡単にご紹介させていただきたいと思います。
・
クルドを知る会
クルドの文化の紹介を通して、在日クルド人と日本人の相互理解を促進することを目的としています。定期的にさまざまな文化イベントを企画・実施しています。
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クルド人難民Mさんを支援する会
日本で難民申請をしているクルド人の難民、Mさんを支援する会です。
・
クルド文化教室
芝公民館と芝銀座通り商店街の Antenna Books & Café ココシバを主活動場所として、川口市に多く暮らすクルドの方々と地域の方々との交流をはかる活動をしています。
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クルド日本語教室
クルド日本語教室は、Japon Kursという名前で2016年5月にスタートしました。地域のボランティアの皆さん・遠方からのボランティアの皆さん、多文化共生を学んでいる学生ボランティアの皆さんの協力で成り立っています。クルド人の方々と日本人が、お互いに幸せな人生を築いていくことがこの教室の目標です。
なお、この期間を含む6月中に、 「在日クルド人の現在(いま)2021」コラボ企画を開催してくださる会場を募集しています。街のなかのあちらこちらで、共に暮らす難民等の外国人、世界の各地で起こっている弾圧や抑圧に思いを馳せる機会がつくれたらと考えました。
昨年の世界難民の日に開催された読書会
3か所の会場代や作品の現像費・使用料、機材、設営の作業費、広報・宣伝、そして小冊子の作成にも費用がかかります。全て合わせると100万円近いお金がかかりますが、現在、大竹財団から50万円の助成金をいただいており、それを補うものとしてここで集まったお金を使わせていただく予定です。
小冊子は展示の一部や、在日クルド人への理解を促す一連の資料、これまでの取り組みについて等、新たに原稿も寄せていただいて作成しています。A5判の24ページで、カラー写真も豊富に使用し、手に取った人の心に響くものにしようとイベントの傍ら、制作にも力を入れています。
有志の尽力あっての活動で、出費を最大限抑えて取り組んでいますが、彼らの負担も小さくできれば、こうした活動が継続的に可能になりますし、より多くの人が知り、クルドの人々を支える大きな声につながっていく可能性があります。
今回のプロジェクトで支援してくださったみなさまへ、以下のアイテムをお返しする予定です。
お礼の手紙(PDF) スタッフ一同より感謝の気持ちを込めたお手紙をお送りします。
小冊子「在日クルド人の現在(いま)2021」(仮題) 今回の展示会・講演会・上映会と連動した、「在日クルド人の現在(いま)2021」をテーマに作成した特製小冊子です。A5判24ページで、専門家や有識者に寄せていただいた文章、これまでのクルド支援活動を示す資料、展示写真の一部等、カラー写真も豊富に使い、多彩で充実した内容となります。
クルド関連書籍 これまで難民関連やクルド関連の書籍は日本でもいくつか出版されてきました。そのうち以下の本をピックアップいたしました。どちらかお好きなほうをお選びいただけます。
『あるデルスィムの物語―クルド文学短編集』(さわらび舎刊)
デルスィム、それはクルド人の土地 そして虐殺の地。初めて日本語に訳された国なき民族、クルドの文学。語りえぬ思いが、物語を通じて現れるとき、人は沈黙の意味を知る。1937年トルコ、デルスィムで起きたクルド人虐殺をテーマに10人のトルコ人作家が描いた、人々の記憶と葛藤をめぐる物語。
『日本で生きるクルド人』(ぶなのもり刊)
祖国での迫害と差別、逃れてきた日本での過酷な扱いと軋轢、政治と入管行政の狭間で翻弄される在日クルド人の今を追う。家や町中、ときには入管収容施設の面会室で、彼らの声に耳を傾けて書かれた記事から浮かび上がる彼らのライフヒストリー、現在の暮らしと心境、そして取り巻く環境。毎日新聞の連載を元に、記事に載らなかった言葉や新たな取材内容も盛り込んだ一冊。
クルド手芸オヤストラップ/ブックマーク クルドの女性たちが伝統的に行ってきた手芸です。もともとはスカーフなどの縁を彩る飾りとして編まれていました。花や動物などのモチーフも豊富で、日本ではピアスやブローチ等のアクセサリーとしても使用されています。今回は誰でも気軽に身に付けられるストラップと、本の栞を準備いたします。どちらかお好みのほうをお選びください。
イベント関連DVD 6月11日に開催される舟越美夏さんの講演会「その虐殺は皆で見なかったことにした トルコ・クルドの町で起きた惨劇」の映像をDVDにしてお送りします。
写真パネル 今回の展示会で使用した齊藤幸子さんの写真パネルです。プライバシーの問題もあるので、それがクリアされたごく少数ですが、ご自宅やスペースに展示いただければと思います。いずれのパネルになるかは改めてご提示いたします。メール等でご相談させてください。
なお、このプロジェクトはプロダクションファンディング(All in)で行っています。目標金額に満たなかった場合でも、不足分は自己資金で補填し、イベントはいずれも開催します。リターンもお届けいたします。ご安心ください。
ここまで読んでくださって、ほんとうにありがとうございます。
この地に暮らす在日クルド人の皆さんが少しでも笑顔で暮らせるように、そして、その周囲を取り巻く私たちが彼らと同じ場所で生きる喜びで輝けるように、私たちはこのプロジェクトをスタートさせました。
©Sachiko Saito
©Sachiko Saito
これからもクルドの皆さまとつながりながら、情報を発信し、互いに支えあう豊かな社会を目指していきたいと思います。
皆さまもこの活動に連なっていただけましたら幸いです。ご支援、ご協力のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。
©Fumio Yoshimatsu
在日クルド人の現在(いま)2021実行委員会一同
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