言葉の宇宙船 | 芹沢高志からのメッセージ
vol. 16 2016-09-06 0
みなさま、いつも応援をありがとうございます。芹沢高志からのメッセージです。
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このプロジェクトを始めて以来、書物の肉体ということを考え続けています。つまり本の物質的な側面。ある時の編集会議で、肉体を持つということは、要するに「抱ける」ということだと言って、若い人たちにドン引きされましたが、そこにはある種のエロティシズムさえ漂うものと私は思います。書籍も旅をするし、人同様、歳もとる。
とはいえ、過度な擬人化は避けねばなりません。やはり本はブツであり、それ自身で自己創出する存在ではありません。しかし魂を文字として封じ込めた肉体であるからこそ、ここに人が作用すると、個人の精神の、あるいは人々の精神の、自己創出に決定的に役立つこともある。これこそが、道具としての本の真骨頂ではないでしょうか?精神と肉体を切り離さない。
このプロジェクトの推進力は対話です。対話、対話、対話。毎回、みんなで続ける対話は楽しくもあり、刺激的でもありました。対話だから行き先はあちらに振れ、こちらに振れ、絶えず揺れ動きます。しかしそれは、他の誰かにも役立つ彷徨であると私たちは思っています。その過程を素直に記録していく。この本自体が道具になることを、私たちは願っているのです。
芹沢高志
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クラウドファンディングは、明日で終了です。もし宜しければ、ぜひお近くの方にもこのプロジェクトをお知らせいただけたら嬉しいです。
しかし、このプロジェクトは、まだまだここからが本番。引き続き、どうぞ宜しくお願いいたします。