オーディション裏話
vol. 5 2024-11-05 0
『キッチンオブドラゴン 風の天龍炒飯』に興味をもっていただいた方、ご支援いただいてる方、ありがとうございます。
『キッチンオブドラゴン』のオーディション裏話をお届けします。
2024年5月25日に合同オーディションを実施しました。
「キッチンオブドラゴン」と「俺が死んだあとのこと」2作品の合同オーディション。
2作品合計の応募者数は237人
そのうち、キッチンオブドラゴンの演技審査の参加者 26人
1役につき3~5人程度の方で演技審査をさせていただいたかたちになります。
ちなみにプロダクション所属の方、フリーの方の割合は、応募者数全体で7対3ぐらいです。
応募いただいた方、参加いただいた方、ありがとうございます。
ここから裏話
自主映画のオーディションの場合、大きな問題があります。
自主映画は「信用がない」ということです。
制作者(監督)サイド、出演する俳優(プロダクション)サイド、両方からいえることです。
〇俳優側から制作者(監督)サイドに向けて
謝礼が支払われるか分からない、
作品が完成するか分からない、
撮影が安全に実施されるか分からない
制作作品がおもしろくなるか分からない。
監督の経歴が分からない
制作会社が入っていないと様々な保証がない。
〇制作者(監督)側から俳優サイドに向けて
撮影当日にちゃんと来てくれるか分からない。
撮影に協力的に対応してくれるか分からない。
自主映画のオーディションには、演技スキルや作品のクオリティとば別次元の不安がつきまといます。
そこで神戸インディペンデント映画祭の短編映画企画で実施したこと
オーディション前にシナリオ初稿を完成させ、演技審査に参加する俳優には、シナリオを提示する。
オーディション開催前に、撮影日程、撮影場所をほぼ確定させ、撮影スケジュールを伝える。
制作した作品のお披露目上映の日(映画祭日程)を決めておき、作品を必ず完成させる保証をする
謝礼や撮影日、条件、作品内容などをできるかぎり事前に明示し、そのうえで俳優、プロダクションに作品に参加していただくか判断していただく。
条件を提示したうえで、相手側が可否を判断する、というビジネスでは当たり前のことですが、自主映画制作ではあまり行われていません。
映画祭が間に入って、オーディションを実施するということは、映画祭側に当然責任が伴いますので、そのあたりを整理し、運営しました。
できるだけ、事前に準備できることは準備して提示する、それが俳優さん、プロダクション側に少しでも参加していただきやすくする礼儀だと思っています。
ひとつひとつは小さなことですが、そういうところはしっかり見られていると思っています。
大きな制作会社やテレビ局などのバックアップがない状態で、映画をつくるということは、小さな信頼を積み重ねていくしかありません。
オーディションでどんな俳優さんが選ばれるのか、については
作品の募集役柄にあっているか
演技スキル
経験値
などが一般的です。
「キッチンオブドラゴン」でいうと、作品の内容が若干特殊なため、作品の内容に興味をもってくれているか、撮影を楽しんでやってもらえそうか、などの視点でも意見をかわしました。
あと、今回の短編映画制作やオーディションは、
「関西の俳優、監督に新しい出会いを」という趣旨もあるので、
神戸や関西エリアで活動している、またゆかりのある俳優さんも中心に選考しています。
余談ですが、自主映画の場合、監督は「知り合いの俳優」を起用するケースが多く、
新しい出会いが生まれにくい状況があります。(自主映画は、お互いに「信用」がないため、そうなるのだと思います)
そこで、できるだけ「新しい俳優さんと一緒に制作する」ということを映画祭の短編映画のコンセプトに掲げています。
選考ポイントでなまなましい話をすると、
作品が完成したあと、広報・集客面で協力してくれるか(貢献してくれるか)などの視点もあったりしますが、低予算の自主映画の場合、そこまでシビアなものではありません。
(商業映画ではないですし、それだけの謝礼を払っているわけでもない)
監督も俳優もスタッフも、
作品に参加する、となったら全力で力を注いでくれるものだと思いますので、
運営サイドができることは、事前にできるだけ情報を開示し、参加するか、しないかの判断材料にしていただく、ということだと思っています。
キリがないのでこのへんで。
来年の短編映画企画やオーディション(来年あるかどうかわかりませんが)
ある場合は、ぜひ参加を検討してください。
来年実施するためには、今年の企画を成功させる必要があります。
キッチンオブドラゴンのクラウドファンディングにご支援のほど、よろしくお願いいたします!!