影絵師 川村亘平斎を追うドキュメンタリー『A river flow』をクラウドファンディングで実現!

写真家 小暮哲也がインドネシアで影絵師 川村亘平斎を追うドキュメンタリー『A river flow』制作をご支援下さい。

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伝統的影絵を学びながらインドネシア各地へ調査の旅に出る影絵師 川村亘平斎。新たな作品を構想するその1年を写真家 小暮哲也が追いかけます。創作の源流に迫るドキュメンタリー『A river flow』の制作にご協力下さい。

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このプロジェクトは、目標金額2,500,000円を達成し、2017年7月6日23:59に終了しました。

コレクター
234
現在までに集まった金額
2,779,000
残り日数
0

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このプロジェクトは、目標金額2,500,000円を達成し、2017年7月6日23:59に終了しました。

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カンカクフィルム

Photographer/Cinematographerとして活動するコテツ(小暮哲也)と、民族音楽が大好きで川村亘平斎随一のファンの立和田圭吾の2人で始めた、このプロジェクト成功のためのチームです。 2人ともに川村亘平斎に魅了されて5年以上。その5年の中でも特に意義ある今回の川村の仕事を、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。

カンカクフィルム監督 小暮哲也ロングインンタビュー(後編)【取材・文/岡部徳枝】

vol. 48 2017-07-06

こんばんは。カンカクフィルムの監督 小暮哲也です。
ついにファンディングは目標金額を達成いたしました!!ここまで応援いただいているみなさま本当にありがとうございます!!
まだ数時間募集期間は残っていますので最後までお付き合いお願いいたします!!

今回は昨日に続き、監督 小暮哲也自身へのインタビューの掲載です。
取材と文章を書いてくれたのは、ライターの岡部徳枝さん。僕がバリへ川村亘平斎の滞空時間を追いかけて行った時からの長い付き合いの友人で、その後も何度も一緒に川村亘平斎の作品を目撃した仲間です。
後半は川村亘平斎の修行の話から始まり、僕自身の話へと進んでいきます。
読みやすい文章ですのでぜひ最後まで目を通していただけたら。どうぞよろしくお願いいたします。

カンカクフィルム監督 小暮哲也ロングインンタビュー(後編)【取材・文/岡部徳枝】

●亘平くんはトレイラーの中で、今回のインドネシア滞在のことを「修行」と表現しています。そんな修行中の亘平くんを見た率直な印象は? 

K:どこか穏やかではないというか、とにかくそこにあるものを野性的にめいっぱい吸収しようとしている感じがしました。インドネシアに滞在するこの1年間は、美術新人賞を受賞したことで得た研修期間。研修をするからには、その先の成果を求められるわけですよね。だから今のうちに、ありとあらゆるものをインプットする必要性に迫られていると思うし、亘平くん自身も、どんなことでも自分のためになると思ったらやってみるっていうハングリー精神がすごい状態でした。日本にいるときからいつもストイックだったけど、これまで見たことないくらいのストイックさ。今回同行したカリマンタンの影絵ライブも実は無償なんですよ。それでも何かを吸収できると信じているから行く。いざ現地に行ってみたら電気が通ってないとか、スピーカーに埃がたまっていてノイズがひどいとか、環境が整ってない状態なんだけど、ここまで来たんだからもうやるしかないわけです。そういうことを含めすべて「これは修行だから(笑)」と向き合う姿勢に、川村亘平斎ってやっぱりすごいなと感じましたね。

●インドネシアで研修をする、その成果を日本に帰国して発表するという課題があるわけですが、根本的に亘平くんがそこで何を掴もうとしているのか気になるところです。

K:正直言うと、僕も現地に行くまでいまいち掴めないでいました。だけど、カリマンタンとバリで彼のことを見ていて、すっと腑に落ちたんですよね。あぁ、背骨になるものを作ろうとしているんだなって。そもそも亘平くんの表現というのは、バリの古典をそのまま再現するものではなく、東京人としての感覚だったり、前衛的なアイデアだったり、独自の芸術センスを活かしたものだと思うんです。それが川村亘平斎の魅力だったりするけど、ここにきて影絵芝居の基礎をどっぷり学ぶことで、一本筋を通すというか。彼の中に揺るぎない土台ができて、誰が見ても間違ってないなと思うような芸術家としての背骨が育まれていくんじゃないかな、と。何百年という歴史を持つバリ芸能の中でも影絵師は、とりわけ技術を修得するのが難しいと聞きます。それをこの1年間で修得できるはずがないことは彼もわかっていて、それでも失礼がないように敬意を払いつつ、絶対逃げられない境地に足を踏みこんでしまったという(笑)。一度そこまでいかないと見えない景色を見ようとしているんだと思います。そしてそれがこれから先、彼にとって重要な骨格になっていく。僕は、今の亘平くんを見てそんなふうに感じています。

●インドネシアでのインプットが日本に帰ってきてどう弾けるか楽しみですね。

K:亘平くんの作品って、できあがったものを見るとすごくおもしろいんだけど、なぜそうなっているのかわからないっていう魅力があって。その源流を描くのが今回のドキュメンタリーだと思ってます。帰国して3年後にどんな作品ができるかまだ想像もつかないけれど、影絵の技術を取り入れたものであることは確かだと思う。だからその伏線として、もし叶うならバリの儀礼で影絵芝居をする亘平くんを撮っておきたい。儀礼で行う影絵芝居は、とても神聖なものと聞いています。カウイ語は、言葉に発するだけで力があるから芝居自体がお経みたいなものだって。影絵を映すスクリーンの前に水が置かれていて、芝居が終わるとその水は聖水としてお坊さんに納められるそうです。それだけのことを亘平くんがバリで実現できるなら、応援したいし記録してみんなに届けたい。どんなことがあっても撮影する。そんな思いでいます。

●インドネシアの土地に亘平くんがどう向き合っているかも興味深いところです。亘平くんは、日本にいた頃もさまざまな土地に出かけていたけれど、そこに存在するものに対しての洞察力、嗅覚が特別ですよね。

K:そう、そこは今回の滞在でも強く感じました。インドネシアはとにかく広い。土地にある壮大なパワーを目の当たりにして、そこから受け取るものがすごく刺激になっているみたいです。たとえばカリマンタンでボートに乗っているとき、海から川を遡っていくんだけど、どこかでふと両岸の植物が変わってジャングルになる瞬間がある。その瞬間、とんでもなく気持ちが高揚する、と。ジャングルではオランウータンとも遭遇したけど、なんだか神様みたいだなぁって眺めてました。オランウータンはインドネシア語で「森の人」という意味。「川の人」というのも存在するらしいです。これは見えないもの、つまり霊的なものなんだけど、ふと川の一部にさしかかったとき「あぁ川の人ってこんな感じなのかなぁ」なんて気配を感じてみたり。鏡みたいに黒く光るジャングルの川のこととか、亘平くんは19歳のガイドの少年とずっとそんな話をしていました。そういう高揚感がきっと今後の芸術面に影響を与えるんだろうし、影絵の物語を作っていく上で大切なインスピレーションになっていくんじゃないかな、と。

●このドキュメンタリー作品を通して小暮くんが伝えたいこととは?

K:僕が撮りたいのは、人の生き方。亘平くんの生き方を通して、人ってこんなにおもしろく生きてるんだよってところを伝えたい。それが観る人にとって日常生活のヒントになるといいなと思っています。亘平くんには未来を感じるんですよ。伝統はずしりと重くて、いろんな人の思いが積み重なっていて、よもすれば消えてなくなるとか暗くなりがちだけど、伝統と未来は地続きだと捉える亘平くんの前向きな姿勢がとても好きなんです。僕自身、亘平くんの生き方からいろんなことを学びました。そもそもインドネシアに興味がなかったし、カリマンタンが世界で3番目に広い島だなんて知らなかった。ジャングルが100キロ四方にあって、その規模のデカさなんて行かないと実感できないスケールです。亘平くんと出会わなかったら知らなかったことがたくさんある。でも実はそういうことって世界中にたくさんあふれてるんじゃないかなって。ちょっと視野を広げてみたら、世界も人間もこんなにおもしろいんだって発見があるような作品を作りたいです。

●映像作家、小暮哲也としても大きなターニングポイントになりそうですね。

K:確実にそうなると思います。これを作り上げたときに、自分自身も変わっている予感があるし、僕は今まさに変わろうとしているんじゃないかな、と。僕の中には写真制作、映像制作の土台があって、どんな仕事をふられても順序立てて進めていけば必ずゴールにいけるっていう決まりごとのようなものがあるんです。亘平くんにもそういう決まりごとがあるんだろうけど、いつもどこかでその枠を飛び越えようとしている。何かを壊そうとしているのを感じるんです。亘平くんはいつも僕のクリエイティビティにすごく敬意を払ってくれるけど、壊さないともうひとつ先には行けないよって言われている気もする。で、壊す作業をするならまさに今かもしれないな、と。亘平くんを撮ることによって刺激を受けたり、開花されたり、人と向き合う作品作りは撮る側も成長していけるもの。もっと広く、もっと開いて、人間的にも変わっていきたいと思っています。そしてなにより思うのは、これだけ価値のある活動をしている亘平くんの姿を残さないのはもったいないということ。もしも記録しなければ、人の記憶の中だけで終わってしまう。僕が見たこと、感動した亘平くんの姿をたくさんの人に見ていただきたい。作品として記録して、日本だけじゃなく世界中へ、何十年、何百年後の後世にまで残していきたいと思っています。

【取材・文/岡部徳枝】

岡部徳枝
ツイッター:https://twitter.com/noriedaokabe
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