ミュージシャン・夏目知幸さんから応援コメントをいただきました!
vol. 14 2021-12-10 0
下北沢といえば、音楽も!2020年に解散したシャムキャッツのボーカル&ギター、夏目知幸さんからも応援コメントをいただきました。
今月からはソロプロジェクトSummer Eyeをスタートさせた夏目さんの今後の活動も要注目です!
===============================
ミュージシャンは曲を作ってそれを演奏するために旅をします。僕は10年そういう生活をしました。ライブして、騒いで、眠って、朝目覚めたら次の町へ。その繰り返し。あまりにも続くと気が滅入るので、3日か4日に1回くらいは休みが必要です。いわゆる中日(ナカビ)とか空き日と言われるやつですね。その時間に映画館へ行くのが好きでした。
忙しすぎると、自分が生きていることに愛着が持てなくなる。そんな時に映画館へ行って何処かの誰かの物語を見ると、不思議と自分の物語も動き出して、この世界も悪くないなと思ったりする。そうやって心に栄養をくれる場所が、僕にとっての映画館。
日本だけではなく、中国や台湾、韓国なんかでも映画館を訪れましたが、それぞれの場所に対して、その日に観た映画の記憶とともに「映画を観たの前後の記憶・感覚」が僕の中に強く残っています。一度しか訪れたことのない土地であっても、その体験はとても印象的で、今もその場所と特別に結ばれている感じがあるんです。こういうのって増えれば増えるだけ幸せです。欲張るわけじゃないけど、誰の迷惑にもならないし、なるべくいっぱい欲しい。コロナが明けたらまたどこかへ旅して、そこで映画を見たい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お世話になっている先輩から、下北沢に映画館を作ろうとしている人がいるから協力できないかと連絡がありました。資料をいただいて読んでみると、それはとても素敵な計画でした。僕にとって、そしてたぶん多くのバンドマンにとって下北沢はいい思い出も嫌な思い出もあるところです。すごくお世話になったけど、「揺るぎないホームタウン」という気分は実はあまりない。夢破れた人が去り、夢が叶った人も去る、とても東京っぽいイソガシイ町、下北沢。そんな印象です。けど、嫌いになれない可愛さのある街です。ちょっと文句言いましたけど、よく行きます。
そんな街に、映画館ができたら僕の暮らしはどう変わるか想像してみました。
遅く起きた朝、ふと映画が観たくなる。いい作品がないか調べると、ちょうど良さそうなのが下北沢で掛かってる。ついでに昼飯食うか。蕎麦かチャーハン。カレーもいい。どうしよう。レコ屋も行かなきゃな。だとすると映画は16時の回がいい。終わったら夜。友達誘ってみるか。とか考えてたら、同じ回を観てた奴に出口でばったり。せっかくだしどっかライブでも観に行く?いや、いい映画だったしこの残り香のままコーヒーがいいか。そこら辺で缶ビールでもいいし……。
みたいな感じかな。とっても良い。
東京はいいところです。飽きない。でもそのぶんせわしないから、油断するとすぐ、どうしてここにいたいのか分からなくなります。僕はしょっちゅうです。
そんな時、下北沢に映画館があったら、かなり助かるだろうと思います。
なので、このプロジェクトを応援します。
===============================
夏目知幸 プロフィール
東京在住のミュージシャン、コラージュアーティスト。2020年に解散したシャムキャッツのボーカル&ギター。
2021年12月にシングル「人生」でソロプロジェクトSummer Eyeをスタートさせる。
日本語の響きを大切にした歌世界とインディ・アイデンティティはそのままに、これまで愛してきた広範囲の音楽を咀嚼したポップスを展開。
プライベートな生活感覚とクラブのダンスフィールを繋げる、享楽的で拡張性のあるサウンドを届ける。
音楽活動の他、コラージュ作家としての個展や執筆などでも活動中。
Official Web Site http://summereye.net/
Instagram https://www.instagram.com/s.e.ntm/