キャスティングについて
vol. 4 2021-02-04 0
本プロジェクトにお越しになった皆さま
こんにちは。
監督の葛西です。
今日は、キャスティングについて少し触れます。
皆さんが身近に触れている、いわゆる商業作品(今回は自主制作、インディペンデントなど)ですが、主にプロデューサーさんを中心にして出演者を決めています。
作品によってはキャスティングという役職もあります。
やり方は様々で、企画段階で仮決めして、それをプレゼンして魅力的な企画であれば通る。
一般の会社においてもこれは正統派なのではないでしょうか。
または、出演者のイメージがあり、あてがきのようにして描かれて、そのまま配役される。
オーディションという方法もあります。
ゲスト出演や少ない登場の配役は、付き合いのある事務所・俳優に声がけすることがあります。
オーディションの相手役としてプロデューサーや監督の目に触れて役を手にする人、事務所からの推薦、プロデューサーや監督との繋がり、助監督との繋がりで抜擢されることもあります。
当然この場合は誰かの目に触れている分、俳優としての信頼と人間としての信頼が大きなポイントであったりします。
長くなるのでここで一旦止めます。
今回はどうかといいますと、メインはあてがき的な側面もあったので脚本(初稿)の段階である程度決まっていました。
ですが、今回は内容的なNGもあり苦戦しました。
少ない登場の人物はというと、今回はオーディションという形はとらず、基本はオファーをしました。
この際に私が注意していたのは、自分の中でイメージを固め過ぎないことでした。
これは個人的な意見ですし、作品によって変わるので、今回だけのお話になります。
方向性を固めることを否定している訳ではなく、作品の可能性を広げる為に行ったことです。
今回、企画、脚本、監督をつとめますが、それぞれの立場を1人でつとめると、狭い世界観になることがあります。
また、スタッフが少ないので、たくさんの意見があるわけではなく、意見を聞くための努力も必要でした。
その為、それぞれの立場になって見方を変えるように努めました。
脳は1つしかありませんが、イメージを固めることを辞めることで、擬似的に客観性を作りました。
そうすることで、否定的な意見でも受け入れられ、逆に肯定的な意見には疑問を持つことができました。
この考えでいくと、オーディションという方法が最適なようにも見えますが、先ほども述べましたように、脳は1つしかなく、情報量が増える事によって処理が追いつきません。
また、この方法ですと、判断という観点ではデメリットが多いです。
なのでオーディションは最後の切り札としました。
では、どのような基準でオファーをしたかというと、まずは人としての信頼をポイントとしました。
とはいっても、毎日自分の周りにいる人という訳ではなく、表現活動をする中で1度はご一緒させて頂いた方の中からオファーしました。
キャストという見方以前に、人としてこの作品を一緒に作りたいなと思うかどうか、これはスタッフにも言える事です。
この言い方は語弊を招く気がしますが、演じるのは誰でもいいのです。
年齢や性別が違えば、そうはいかないじゃないか。ごもっともな意見です。
しかし、年齢や性別を変えればいいのです。
映画の中の人は、決まった人物象の範疇で作る必要は決してなく、軸となる骨格に肉付けしていき魂を吹き込むことでもできるのだと思います。
オファーをしなかった人たちのことを信頼していない訳ではないです。
当然、その他の見方もしていますし、割り切って考えた部分もあります。
とはいっても独断になる可能性があったので、毎回のように人から意見を貰っていました。
今回オファーした方には別途個別でお話ししているので、言葉は違えど何となく意味がわかってもらえると思います。
そんな感じで、昨日、全ての役のキャスティングが終わりました。
最後決まった方は、少し例外でした。
一番最初に着手して、一番最後に決まりました。
脚本が落ち着いたら、一度、脚本家という立場を降り、監督という立場で向き合い直し、それぞれの人物や状況を具現化する準備を始めようと思います。
それでは、また。