予告編解禁
vol. 10 2016-11-15 0
ご支援者のみなさま
お久しぶりです。
来年2017年2月6日・13日より、渋谷UPLINKにて、完成披露上映会を行うことになりました、映画『自由を手にするその日まで』。
今までmotion galleryのサイト上にアップしていたPR動画ですが、あちらは、クラウドファンディング用にアップしたサンプル映像で、カラーグレーディング前の仮のもので、本編映像と色調が異なるため、凍結させていただきました。
それと同時に、昨日より、新たに正式な予告編を解禁しました。
新たな映像が多数追加されております。
最近の私は、連日編集作業を行っています。
最近の主な編集内容としましては、カラーグレーディング作業と、シンセサイザーによる音作り、そして雰囲気音・効果音を付け足す作業を行っています。
予告ではもちろんですが、本編でも、お芝居を邪魔せず引き立たせるために、何種類ものシンセサイザーによる不安感をあおるような微細な雰囲気音・不協和音を、背景にうっすらと足し、その音に動きをつける作業を行っています。
また、それと同時に、エンジニアさんに依頼し、セリフの残響感などを調節していただいております。
すさまじく骨の折れる作業ではありますが、本来何かを産み出すということは、産みの苦しみが伴うものだと考えております。
映画を見た時に迫力を感じるのは、そこにつぎ込まれた、凝縮された膨大な量の思考の足跡、そして費やした長大な作業時間と労力が存在するからだと思います。
『既視感のない新しいものを産み出す』という事が、作り手として常に挑戦すべきことと感じております。
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以下、余談ではありますが、作り手としての思いのたけをつづらせていただきました。
映画は、元来生活必需品でも何でもありません。
しかし、生活必需品でも何でもない映画というものを、商品として売り上げ、流通させるために、近年では、観客の価値観を最大公約数的にくくったような映画があまりに多いのではないかと危惧しています。
そして、それが自主映画・インディペンデント映画の世界にまで広がりすぎているのではないかと思います。
市場の原理に基づいた映画では、分かりやすさというものが求められます。
勧善懲悪、善と悪、白と黒。。
日常生活の中で、人は、自分では理解できない、整理できない物事に対して整合性を求めます。
誰かを悪者にしたり、何かに優劣をつけたりすることで、物事に対して分かりやすい解釈を自分の中で付加することで、納得しようとします。
そして、人間が持つそうした心の機構に対してウケが良くなるように、勧善懲悪な白黒のはっきりした映画が作られることが多いと思います。
しかしながら、それは一見、観客のことを考えているように見えつつ、本当の意味では、実は観客のことをあなどっているのではと思えてしまいます。
映画の作り手としては、その全てに対してもう一度懐疑的な視点を持っていいのではないのでしょうか?
日常生活で、目を伏せ、心の中に鍵をかけてしまい込むことで何かをあきらめ、自分を納得させていた様々な感情。
それらをもう一度見つめなおし、あぶり出し、作品として濃縮する。
単純な善悪ではくくることのできないもどかしさ、見終わった後に、誰かを悪者にしたいけど、単純に悪者とは言い切れないもどかしさ。
誰かに同情したいけど、そうできないもどかしさ。
そうした人間の持つ不整合を映画の中で表現することが、作り手の私が挑戦すべきことと感じています。
そしてその不整合こそが、人間の愛おしさではなかろうかと感じております。
本作のヒロイン『彼女』も、そんな人間の不整合を詰め込んだキャラクターとして生み出しました。
最後まで名前の出てこない『彼女』というキャラクター。
なぜ、名前を出さないのでしょうか?
本作の『彼女』は、もしかしたら、観客のみなさんのそばにいる身近な女性かもしれません。
都会の隅っこで孤独に泣き明かす女性かもしれません。
そして、もしかしたら観客の中にも、あてはまる方がいるかもしれません。
他人ごとではない物語として受け取ってほしいという思いから、あえて名前を明かさないキャラクターとして生み出しました。
私は現在26歳です。
日本では、まだ26歳かと言われますが、それは間違っていると常々感じております。
もう26年も生きてしまったからこそ、観客の価値観を最大公約数でくくったような映画を作るのではなく、今一度、日常生活の全てに対して深く洞察し、それを冷静に分析し、作品として落とし込むことが、本当に挑戦すべき課題だと感じております。
まだまだ、これからたくさん山あり谷ありな人生を歩み、様々なことを学ばせていただくとは思いますが、現時点で、この気概でもって映画を作らなくては、26歳として恥ずかしいと感じております。
2時間超の本作。全5章からなる劇毒のシンフォニー。
長編復讐劇『自由を手にするその日まで』予告編
ぜひ、ご支援者の皆様も、周りの方々に宣伝、告知、SNSなどで拡散していただけたらありがたく思います。
ご支援者の皆様、そして出演者の皆様と一丸となり、最後まで、走っていきたいと思います。
よろしくお願い致します。