山里俊役の西尾塁さんより応援コメントをいただきました!
vol. 10 2024-10-13 0
西尾塁(役名:山里俊)より
1983年、京都市中京区にて社寺建築家の次男として生を受ける。母の勧めで児童劇団に入所し子役として演技、日本舞踊などの訓練を始める。89年、5歳でフジテレビ『華岡青洲の妻』の華岡良平役でテレビドラマ初出演。子役時代はTBS「水戸黄門22部」のレギュラー出演など100作を超え、京都・太秦時代劇を中心に活動。近年では『浅見光彦シリーズ』『鬼平犯科帳』『科捜研の女』や、映画『引っ越し大名!』などに脇役として出演。2022年、初監督作となる児童文学を原作とした短編映画『灰/Ash』を海外10映画祭に出品。23年、監督2作目となる長編ドキュメンタリー映画『Muck Around』では少年院から出院した少年2人のその後の人生を密着。約2年間に渡る撮影を終了し公開を控えている。
「約10年前に京都・太秦の撮影所で出会った柳監督が初のオリジナル映画を撮る!」。オファーを頂いた瞬間から高い波動を感じてドキドキしたのを覚えています。コロナ渦もあって数年ぶりにお会いした柳監督の純粋な輝きに魅了され、撮影中は自然と高いモチベーションとエネルギーがみなぎっていました。「山里俊」という役柄は、登場シーンこそ少ないのですが、演じ方によって、観る人に多様な想像をしてもらえる「余白」と「後味」のある役どころ(化学調味料的な)。山里という謎の人物の背景設定を中心に、事前に監督にアイデアを聞いてもらい、何度か相談を重ねて撮影に臨みました。
この山里もそうですが、登場人物それぞれのフィーリングや佇まいが密に映し出されているのがこの映画の魅力の一つ。子役ちゃん達の活き活き具合から、いわゆる「ダメだったオジサン」のリアルな呼吸、ヒロインの孤独感と心に空いた穴。誰にでも起こり得る身近な設定に自分を重ね合わせたりしたら、、、そりゃ泣いてしまいますね。「重くもなく軽くもない、ふんわり心に染み込んでいく映画」。そんな作品だと思います。
そして、1曲のテーマソングが少しずつ雰囲気を変えながら各所に散りばめられていて、観終わった帰り道から数日間は口ずさんでしまう。その度に出演者の顔が浮かんでくることでしょう。他府県の方々も、京都観光を含めて、京都シネマで鑑賞からのロケ地巡り(そのうちCafé)をオススメします。歩いて1駅弱ほどの距離なので、テーマソングを口ずさみながらコーヒーやティーなどを楽しみ、さらに余韻に浸れるというフルコースになっております。(カフェ隣接の公園では、子供達のリアルなワイワイが見られるかもしれません。あと、時間によって鳩が多いです。プチ情報でした!)
この作品は、僕が生まれ育った町、まさに庭のような場所でつくられた現代劇映画です。そんな作品が海外で評価されたことにも興奮し、胸が熱くなりました。京都といえば時代劇の印象が強いですが、この作品は「とある喫茶店マスターの話」。しかも真っ向勝負の王道ホームドラマ。「京都産」の素敵な映画がまた1つ誕生したことを大変嬉しく感じています。そして、柳監督の企画力と創造性、地力を持って、撮影地の京都から公開スタート!を実現してくださったことが何よりです。
最後に、皆さんにも何年経っても心の中に大切にしまってある思い入れの深い映画ってないですか? 何度も何度も観てしまう、何度観ても最高の映画。このクラウドファンディングへの参加を通じて作品に関わってもらうことで、より太くその「思い入れ深い映画リスト」に入れてもらえる良き機会になれば素敵だなあと思います。京都でつくられた小さな映画が大きな映画に成長を続けるには、皆さんのご支援、ご協力が必要不可欠でございます。監督をはじめとする製作スタッフならびに出演陣と共に、映画『事実無根』の行く先を見届けてほしい!どうぞよろしくお願いいたします。