始まりのトビラ 終わりのトビラ
vol. 2 2018-05-21 0
クラウドファンディングが始まって3日目、早速応援と嬉しいお言葉を頂いて
皆様の温かい懐にふれて涙が出る日々!
まだまだこれからですが、クラファンに挑戦してみて早速思ったことがありました。
それは、私は一人じゃないんだ、、ということ。
制作活動は発表するまで、表に立つまでは常に孤独な作業なので、
” 私がやろうとしている事は意味があるのだろうか” ”必要としてくれる人、喜んでくれる人はいるのだろうか”
という言葉が製作中に頭をよぎる事が何度もあります。
もちろん、これをやったら最高に素敵!!ということを強い意志をもって取り組んでいるのですが不安や恐怖は常にありました。
でも今回は、制作段階で応援してくれている事が目に見えてわかる。こんなにも心強いなんて!!!と嬉しい気持ちと感謝の気持ちで胸いっぱいです。
今は一人ではなく、応援してくださっている皆さんと共に制作しているのだなと感じています。
今回の個展のテーマは始まりと終わり。
私自身ここ数年で大きな変化があり、今人生の第3章が始まったように思うのです。
そこで終わりと始まりの狭間で、今まで生きてきて感じた事、嬉しかった事も悲しかった事も、悔しかった事も、幸せだったことも
全てを水を掬うように、自分を救いにいこうと思いました。
第1章が生まれてから結婚するまでの時期。
私は幼少期から既に自分の人生を諦めていたところがありました。
障害を持っている姉がいることで周りの子たちが普通に手にしていることを、私はどんなに羨ましいと思っても手に入れることができませんでした 。
それならば、叶わない自分の欲や意志はない方が苦しくないと思い、蓋をしてし諦めてしまいました。
それでも、姉のことは全く恨んではなく家族で守るべき存在だと思っていました。
「おまえが変なのはお姉ちゃんが障害者だからだ」クラスメイトにそう言われた時も、自分がいじめられる以上に、お姉ちゃんを馬鹿にされるのが悔しくて悲しかったのです。
人とは違う感性を持っていた私は、自分らしいことを手放しました。みんなから指をさされない普通の子でいられるように努力しました。
自分のことが大嫌いな子供時代。
そんな私が生まれて初めて夢を持つことができたのはデザインの専門学校で出会った友人達が、私の個性を褒めてくれたのがキッカケでした。
今まで我慢してきたことが、初めて許されたような気がしました。そこから、自分自身の感性を受け入れ始めました。
専門学校を卒業する頃、将来のことで初めて親に反抗をしました。才能も、資金もなかった私は自分を信じ続けて行動するしかありませんでした。
アルバイトを掛け持ちしながら、希望と不安と焦りを胸に、地道に活動を続けていきました。
活動当初はユニットで活動していました。一緒に活動していた彼からは本当に様々な事を学び今の活動の土台となっています。
ユニット活動suim++(スイム・ツープラス)
第2章が子どもが生まれ離婚するまでの時期。
ソロ活動になり、絵を描くことが仕事としてようやく軌道に乗り始めました。これから絵描きとしてどんどん進んでいくぞ!そう思った時、私のお腹には新しい命が宿っていました。
なんでこのタイミングで……と困ったのも正直な気持ち。でもお腹を触っていると、今までにない気持ちが湧き出してきました。
子どもを通して初めて自分を大切にしようと思いました。
それからの結婚生活はまるでジェットコースターのようでした。想像していたハッピーマタニティーライフとは程遠い、夏の強化合宿のようなハードな日々。
今まで悲しさではあまり泣かなかった私は、倒れるほど泣きました。
自分の中にこんな感情があったことに驚きました。
その果てに私は病気になってしまいました。顔の半分の細胞がストレスで死滅したと聞いて、涙が滲みました。でも、顔が思うように動かなくて、悲しい表情もうまくできない。
自分を押し殺すことで解決するやり方に限界がきたのです。これが、我慢に我慢を重ねた結果だと思いました。「このままじゃ一生幸せになれない」頭を鈍器で殴られた気分でした。
今までは子どもの為に離婚してはいけない。子どもの幸せを一番に考えていたけれど、病気になった事でようやく自分の幸せも考え始めることができました。
私が出した離婚という答えは、今までないがしろにしていた自分を大切にするための一歩だったように思います。
ここ数年間の辛い経験の数々は、私に黒い絵の具の使い方を教えてくれました。黒があるからこそ他の色がよりいっそう明るくなり希望が溢れるなんて、今まで知りませんでした。
今まで感じてきた苦しさや憎しみは感謝に変わり、また新しい絵を描くための糧になりました。そして様々な自分を見てきた中で「どんな私でもいいじゃない」そう思えるようになりました。
今まで生きてきた中で、初めて自分のことを好きになりはじめました。
それでも、離婚までの道のりは険しく離婚裁判までいってしまいました。闘病しながら幼い子どもを抱えての裁判は心身ともに辛いものでした。
身体の痛み、心の痛み、何度も挫けては前を向きの繰り返しでしたが、その中で日々の何気ない幸せを噛み締めながら「私は私らしく生きていい」そう小さな息子に教わっているようでした。
そして、家族や友人達、周りの方々のサポートがあったからこそ、乗り越えられたのだと思います。
そして第3章、、、
2年してようやく離婚が成立しました。子どもを奪われる恐怖も膨大な資料で攻撃される日々も過ぎ去りました。
年齢も今年の6月で30歳になり、絵描きとしても10年目になります。
今までに何度も、何度も、大小の始まりと終わりのトビラをくぐってきましたが、また大きな始まりのトビラをくぐったようです。
その中で、様々なトビラ、今までの始まりと終わりを作品にしたいと思いました。
それが、私が今までの私にできることなのだと思いました。
個展ではメインに100号の作品を2枚制作する予定です。今、制作しているのは『はじまりのトビラ』
過去を掬って(救って)いく中でどんな『終わりのトビラ』が出来上がるのか、私自身も楽しみにしています。
こちらのページでは今後も、展示への思いや制作状況などをお知らせしていきます。引き続き応援のほどよろしくお願い致します。