だものみち 無事1周年と少し 迎えることができました。
vol. 17 2021-08-06 0
クラウドファンディングにご支援いただいた方、お世話になっている方々へ
本当に本当にご無沙汰しております。
色川の小さな解体処理施設だものみちは無事、1年を迎えることができました。(正確には1年と4か月ほど)まずは、このクラウドファンディングにご支援いただいた方、この1年お世話になった方々、本当にありがとうございました。
▲看板を掲げ、前よりも施設らしくなったかな
コロナを言い訳にオープニングパーティができておらず、多くの方にまだ完成した施設をみていただけてなく、大変心苦しい限りです。また、リターンも完全に終わりきっておらず、関係者の方にはご迷惑をおかけしております。申し訳ありません。
本日は、1年間やってきたこと、今後やっていきたいことや考えていることについて報告させてください。少し長くなりますがお付き合いいただければ幸いです。
●最終アップデート以降行ったリターンの報告
●一年間の活動について
●今後、やっていきたいこと
《最終アップデート以降行ったリターンの報告》
・らくだ舎特製ジビエオムハヤシ
これに関しては、コロナの関係でまだ来られていない遠方の方もいる状況でして、、、この場を借りて、再度案内させてください。らくだ舎の営業時間は毎週木金土の3日間、10:00~17:30となっており、前日までにご予約いただければ用意できます。もしくは、やっぱり遠方で直接の来店が難しいという方には、ハヤシライスを真空包装してお送りします!(詳しくは別途案内いたします)
・シェフ松本さんの山肉フレンチイベント
毎年、夏、色川にめっちゃいっぱいシェフ連れてキャンプに遊びに来てくれる松本さんのフレンチイベント。これも、コロナでずっと延期してましたが、今年の4月にようやく開催できました!本来は小阪の棚田で青空レストランてきに行いたかったのですが、あいにくの雨でらくだ舎さんに場所をお借りして行いました!急な変更にも柔軟に対応していただきほんまにありがとうございました!
できるだけ、自然のものを使いたかったので、前々日くらいから色川入りしてもらい、いい感じの石やいい感じの丸太を集めたりして、丸太はスライスしてお皿にしたり、、、おかげで、いつものらくだ舎さんとはまた違った雰囲気もでて、唯一無二の空間を作れました。
場所提供いただいた、らくだ舎さんありがとうございました。
・施設に支援していただいた方の名前を掲示しました!
確か、途中経過までしか報告してなかったような気がする、、今年に入ってようやく完成しました!(ほとんど、おかんに書いてもらいました。ありがとうございます。)
《一年間の活動について》
資源の循環
①鹿、猪の受け入れ
②肉の販売(飲食店への卸と個人のお客さんへの販売)
③ペットフード用のジャーキー作成・販売
④残差のたい肥化
⑤ラーメンひろし
人や情報の循環
⑥オンライン狩猟体験(山肉山分け仲間)
⑦狩猟体験ツアー
①鹿、猪の受け入れ
基本的には色川内で捕獲された鹿・猪のみ受け付けています。この一年で搬入した個体は全部で60頭ほど。色川には猟師さんが10名くらいいますが、おおかた農家さんだったりほかの仕事があって、対策の意味でとっている人が多い。普通の処理施設なら引くほど処理頭数は少ない気がします(笑)が、猟師さんの処理の負担の軽減や捕獲個体の全利活用はおおかた達成できてる気がします。ここが逆転して、売るためにどんどんとらなければとなってしまうと何か見えなくなってしまう気がするので、まーこのままでもいいのかなと思う。が、やっぱりとらなあかん場面もあるので、そこはバランスよくやっていきたい。
そんで、解体、精肉、包装の仕事であるが、まーなかなか孤独な闘いというか、向き不向きはあるなと思いつつ、なんとかやれている。めっちゃおいしそうに熟成できた時はやっぱりうれしかったりするし。
話は少し変わりますが、とうとう那智勝浦町でも豚コレラが出てしまい、今後、流通させるのに血液検査だして、陰性の証明が必要になりました。陽性固体は販売できず、自分たちで食べる分に問題ないとのことだが、なにやら少し食べづらい気もする(笑)
②山肉の販売(飲食店への卸と個人のお客さんへの販売)
実はあんまりできていない部分でして、、なかなか営業ってやつは向いていないらしく、向いてる向いていない以前の問題な気もするが、、
現在は飲食店数軒、個人の料理人さんなどにお肉をおろしています。これまでの知り合いや、友達の紹介や、まったく新しいつながりもあったり、ありがたくお付き合いさせていただいています。部位はどこでもいいよなど言ってくれるかたもいて、めっちゃありがたいのですが、それでも余ってくる部分もあり、もう少し売り方を工夫して、極力在庫を抱えないようにしていきたい。そもそも、ネットショップさえできていないし、、早いこと、ちゃんと形にせねば。(独自のネットショップではないが、クラファンも支援していただいたたまな商店さんでは取り扱っていただいています。詳しくはこちら)
③ペットフード用のジャーキー作成・販売
解体処理施設を作ろうと言い出した5年ほど前に、施設建設のための資金調達の一つとして作り出された商品。今では、だものみちの一商品ですが、一番思い入れがあったりする。加工や包装はその当時から協力いただいている方に引き続き、関わってもらってます。この辺りでは、スーパー HATIさん、道の駅なち、にぎわい市場、自然食品の店コケコッコーさんなどにおいてもらっています。(左はお土産用の鹿まんま。まだ世に出てません。)
④残差のたい肥化
通常、施設から出る内臓などの残渣は産業廃棄物となり、それに準じた廃棄方法をとる必要がありますが、たい肥化は問題ないとのことだったので、現在、鹿、猪残差のたい肥化に取り組んでいます。(販売の予定はないが、鹿のたい肥は販売禁止とのこと。BSEてきなやつ)
残念ながら、つっこみどころ満載なたい肥スペースなので、(屋根ないし、、、)あまりいいたい肥ができることはないかもしれませんが、すこしづついいものにしていきたいと思います。
たい肥は残渣を鶏糞やぬか、最後におがくずやモミがらで蓋をして、そのまま放置です、、、
まーこのあたりはまだまだ勉強が必要ですね。畑にまくのは怖いので、とりあえず木を育てるのに使います。
小屋の周りは割と広くて使い勝手いいのですが、なにせ影がないのと、もう少し川沿いに木があると気持ち的にも落ち着きそうなので、その木を育てるときに使いたいと思ってます。
⑤ラーメンひろし
ほとんど、活動してはないのですが、去年の11月に一度やりました。ラーメンひろしは猪の骨色川野菜でとっただしを使ってます。今までは猪チャーシューを作ったときのたれで醤油ラーメンのみでしたが、その時参加してくれていた方と一緒に味噌ラーメンを誕生させました!わりとおいしかったです。次はいつになるかわかりませんが、ぜひ食べてみてください。
⑥オンライン狩猟体験(山肉山分け仲間)
施設を立ち上げる前から、狩猟や獣害のことを体験・知ってもらうためのツアーを実施しており、この施設を作ってからも割と事業の軸として活動していこうと思ったのですが、立ち上げとほぼ同時にコロナが来てしまい、開催が難しくなりました。どうしようかと悩んでいるころ、あちらこちらでオンラインなんとか、リモートなんちゃらなど遠隔での取り組みが始まっていました。これは悩んでいる場合ではない、まずはできることをやろうということで、体験ツアーの参加者でもあり、色川によく足を運んでくれていた方々と一緒にオンラインの狩猟体験(通称・山肉山分け)を企画しました。
山肉山分けは2週間にわたって開催され、1週目で罠を仕掛けるところから、捕獲→止めさし→解体→精肉の流れをすべてライブ配信する。その後、包装したお肉は参加者に送られる。2週目は参加者に届いたお肉を調理してもらい、その様子を食レポしてもらうことに加え、色川からは暮らしや地域の仕事の様子を配信する。最終日は参加者、スタッフ、猟師さんなど交えてオンラインで交流会を行う。
△お肉と一緒に、猟師さん自慢のお土産がついてくる
色川に興味を持つきっかけ・訪れるきっかけになればいいなというのが一番。そのためというわけではないが、色川の景色や産品というよりも、そこに住む人・それらを生産している人に焦点をあてた見せ方をしている。つまりは多くの猟師さん、農家さんに協力したいただいており、めちゃ迷惑をかけているということ、、、
いったん、次回開催は未定ですが、たぶんまたいつかやると思います。(笑)
⑦狩猟体験ツアー
コロナ禍でしばらくできておらず、またこのごろの様子を見ても大手を振って開催できる状況ではないですが、少しづつ、地域限定で少人数でできるかたちを模索していこうと思っています。SNSの発信はなかなか気をつかう部分も多く、ひっそりやってる感じになるとは思います。
オンラインの体験を一年行い、感じたことの一つにやはり現地ツアーのかわりにはならないということ。やはり、現地の空気感や実際にみたり触ったりすることで得られるものや気づくことが多分にあり、そこはオンラインでは補えない。ただ、現地までのきっかけづくりとしてはとても適していると思う。ちょっと現地まで行くのは遠いなとか時間がないなという方にとっての入り口にはなりえるような気がする。というわけで、オンラインと現地の両輪でバランスよくやった行きたいと思う。
《今後、やっていきたいこと》
お金の循環
色川の小さな解体処理施設だものみちは大きなテーマとして、「循環」を掲げている。これまでは「資源の循環」「人や情報の循環」という2点で活動してきました。これからは、実際に現場の獣害対策の活動に還元できるような循環を作りたいなと思っています。
色川には地域住民有志で構成された色川鳥獣害対策協議会があります。色川では20年以上にわたって、猪や鹿や猿と戦い続けていますが、その当時から活動母体として町の支援を受けることなく、地域住民主体で対策を行ってきました。
具体的な取り組みとして、サルに発信機をとりつけ追い払い、また、その情報を地域住民にメールで流す仕組み作り、モンキードッグの活用、猪や鹿の捕獲にかかる特区、檻の貸し出し・作成など行ってきている。すでにやっていないものもあるが、現在もサル対策を中心に活動している。
△捕獲し、発信機を取り付けたのち、群れに戻す
現在、活動資金として、ありがたいことに年間40万の補助が出ている。ぱっと聞くと、結構多いようなイメージを持つが、資機材の購入や人件費などでぎりぎりもしくは足りない年もある。その時は人件費を抑えるなどの工夫をする。また、補助がいつまで続くかもわからないことも不安要素としてある。
今、やりたいと思うお金の循環は上記の活動の資金源としてお肉の売り上げの一部を還元するというものです。いろいろと考えなくてはならないこともあるので、すぐすぐとはいなないし、そもそもその形がベストなのかも検討していかなければですが、何らかの形で実現したいと思います。
お肉の売り上げからという形にすると、消費者にもこちらの現状を知ってもらう機会にもなり、もしかしたら協力してくださる方も出てくるかもしれないという下心も少しはあったりします、、、
定期販売・購入
だものみちの年間搬入頭数はだいたい50頭ほどとかなり少なく、そもそもジビエの普及とか広くたくさんの人に食べてもらうことは難しいです。そのため、お肉を届けられる人数は少ないですが、色川の現状を理解し、応援してくださる方と濃い関係性を築いていきたいという思いがあります。その形として、2か月もしくは3か月に一度という形でその間にとれた個体の定期販売をしていきたいと思っています。もちろん、野生動物には野菜と同じように旬がありますが、季節ごとに変化があり特徴があります。そんな野生動物の生態や暮らしの様子と一緒に、その季節のお肉の特徴を生かしたレシピも充実させたいと思っています。
まあこれに関しても言うは易しなので、しっかりと有言実行していきたいと思います。
以上、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも、活動を温かく見守っていただければとてもうれしいです。よろしくお願いいたします。
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