舞台を支えるお仕事レポート 舞台美術
vol. 17 2021-06-21 0
6月16日の舞台収録に向けて、2日前の6月14日から、各チームによる「緻密」な準備と「綿密」な打ち合わせ、そして「細密」な調整がつづけられました。素晴らしい「三密」です。
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舞台を支えるお仕事、舞台美術についてレポートします。
トクマスヒロミは、たぐいまれな素晴らしいセンスと技術を持つ舞台美術家です。
彼女の作る「平家物語」の舞台空間は、まるで現代美術そのもの。
「俊寛」では、巨大なトレーシングペーパーが空気を纏い、幻想的にゆらぐ諸行無常の世界を、そして「木曾義仲」では、10年前の「木曾三話」初演の時に彼女がデザインした●●●による舞台美術をさらにバーションアップ。木曾義仲にまつわる様々な情景を時に無情に、時に壮絶に感じさせる世界を作り出しています。さて、●●●とは何でしょう?!
金子あいはトクマスヒロミの舞台空間に「居る」のがたまらなく好きです。
いえ、金子だけではありません、須川崇志もトクマスヒロミの美術から多大なインスピレーションを受けて演奏します。そして、何より、カメラマン竹下智也が撮りたいと思う空間を見事に提案しています。
1日目、会場の「座・高円寺2」で仕込みがはじまります。
赤いリボン。緻密に下準備してきたパーツが小割りに完璧にセットされます。
これは、北日本新聞
これは、北陸中日新聞
これは、富山新聞。すべて義仲ゆかりの土地の地方紙です。これもこだわったところ。
赤いリボンがセットされた小割りを、美術家のトクマスヒロミ(下の写真の右から2人め)が、天井のバトンに取り付け中。あれ?舞台の上じゃないみたい。。。どこに下げるつもりでしょう?
(手前ではカメラマンの竹下智也と主演の金子あいが、舞台を見ながらなにやら相談中です)
赤いリボンとともに下がっているのは、そう「新聞紙」! 一体どんなイメージ?
床の上にも大量の新聞紙が!(決して面倒だからゴミを散らかしているわけではありません。笑。これも緻密な計算された作業なのです。)
細かいニュアンスを最後に加えていきます。
もちろん、すべての新聞紙と赤いリボンには、防炎のための処理を施しました。大変な手間がかかりますが、とても大事。
この舞台美術が、金子あいの語りと須川崇志の演奏によって、皆さんの目にはどのように映り、変化していくでしょうか。完成映像をどうぞお楽しみに!