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「犀の角」と「サヒヤンデ劇場」による国際共同制作「羽衣」をクラウドファンディングで実現!

長野県「犀の角」×インドケーララ州「サヒヤンデ劇場」による国際共同制作、
舞台作品『羽衣』プロジェクトをご支援ください!

⻑野県上田市の⺠間文化施設「犀の角」と、インド・ケーララ州のアタパディに位置する「サヒヤンデ 劇場」が国際協働し、「羽衣」伝説をモチーフとして、国内外で活躍する俳優美加理氏とカピラ・ヴェヌ氏を迎え、演劇作品を創作します。

コレクター
3
現在までに集まった金額
20,000
残り日数
32
目標金額 1,000,000 円
このプロジェクトでは、目標達成に関わらず、
2025年1月22日23:59までに集まった金額がファンディングされます。

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犀の角

「犀の角(さいのつの)」は、長野県上田市の中心地・海野町商店街の一角にあり、 劇場設備とカフェを持つ〈シアター〉と簡易宿泊施設の〈ゲストハウス〉からなる民間の文化施設です。ここは演劇や音楽、アート作品などを鑑賞しながら、訪れた市域住民、 アーティストやバックパッカーが相互に交流することができる街に開かれた非日常空間です。 地域を活性化していくには、流行を追いかけ、モノを消費するばかりでなく、 優れた芸術作品や価値観の異なる他者、あるいは自分の外側にあるものと出会うことが必要だと考えます。立ち止まり、考え、自分が信じてきた世界を一度疑ってみる。そんな未知なる世界との出会いが生まれる場です。

このプロジェクトについて

⻑野県上田市の⺠間文化施設「犀の角」と、インド・ケーララ州のアタパディに位置する「サヒヤンデ 劇場」が国際協働し、「羽衣」伝説をモチーフとして、国内外で活躍する俳優美加理氏とカピラ・ヴェヌ氏を迎え、演劇作品を創作します。

1、日印国際共同制作『羽衣』プロジェクトとは

「疑いは人間にあり」

これは能の演目『羽衣』に登場する天女(てんにょ)の台詞(せりふ)です。羽衣を纏って天から舞い降りてきた天女と漁師との物語。「羽衣伝説」の類型的な説話は、古代から日本だけでなく世界各地に存在しています。

「羽衣伝説」がもつ「美しさ」は、あらゆる分断を越え「人間」そのものについて考える契機をもたらします。

長野県上田市の民間小劇場「犀の角」と、インド・ケーララ州の山奥に位置する「サヒヤンデ劇場」。

2023年、このふたつの民間劇場がパンデミックの終息を契機に国際協働し、世界に遍在する「羽衣伝説」をモチーフとした舞台作品を創作するプロジェクトを立ち上げました。同年に「羽衣・天・水を巡る探訪」と題したリサーチから始動。「羽衣伝説」にゆかりのある全国各地を訪れました。2025年1月 「サヒヤンデ劇場」において創作。2月についに初演を迎えます。

演出は「サヒヤンデ劇場」を拠点に国際的な活動を展開する シャンカル・ヴェンカテーシュワラン氏が担当。俳優に、静岡県舞台芸術センター(SPAC)を中心に国内外で活躍する美加理氏と、南インドの伝統的な古典劇クーリヤッタムの継承者として世界的に活躍し、日本においてはSPACや「ダンス白州」等に出演し大きな反響を呼んだカピラ・ヴェヌ氏を迎えます

世界の片隅にあるふたつの劇場と世界的な俳優が手を結び、舞台作品『羽衣』の創作を通した文化や言語の境界を越えて行う芸術的な探求にご期待ください。「演劇」と「美」のもつ変革力は、混迷する世界を生き抜く可能性を広げてくれることでしょう。

本作品は、2026年以降に犀の角プロデュースによる日本での公演を予定しています。

本クラウドファンディングは、「サヒヤンデ劇場」における創作と上演にまつわる経費等に関して支援をお願いするものです。インドでの公演を日本にいるみなさんにご覧いただくことはできませんが、リターンの上演映像やオンライン通信を通じて、現地の雰囲気をお伝えできたらと考えております。

[羽衣伝説あらすじ]

浜辺に住む漁師は、仲間と釣りに出た折に、松の枝に掛かった美しい衣を見つけます。家宝にするため持ち帰ろうとしたところ、天女が現れて声をかけ、その羽衣を返して欲しいと頼みます。

漁師は、聞き入れず返そうとしませんでしたが、「それがないと、天に帰れない。」と悲しむ天女の姿に心を動かされ、天女の舞を見せてくれれば、衣を返すと言います。

羽衣を着た天女は、月宮の様子を表す舞いなどを見せ、さらにはその浜の美しさを賛美しながら舞い続け、やがて彼方の富士山へ舞い上がり、霞にまぎれて消えていきました。

2、世界の片隅から、新たな価値の創造と発信を目指して

はじめまして、「犀の角」の代表・荒井洋文とスタッフの村上 梓と申します。長野県上田市の中心地・海野町商店街の一角にある「犀の角」は、 劇場、スタジオ、カフェ、ゲストハウス、コワーキングスペースを備えた民間の文化施設です。

「犀の角」も「サヒヤンデ劇場」も非都市部にあり、自然に非常に近い場所を拠点に活動する劇場です。文明と一定の距離を置く二つの文化拠点が直接手を取り、作品を創作し発信することに大きな意味を感じています。

<商店街に面した犀の角>

<「犀の角」劇場スペース。普段はカフェスペースやゲストハウスのロビーに>

わたしたちが今生きる社会には、気候変動や世界各地で起きている戦争や紛争、行きすぎた資本主義が引き起こすさまざまな課題、社会的・個人的問わずコロナ禍を経て表出してきた抱えきれないほどの問題など、山のような困難が溢れています。

その問題の多くは、都市部に端を発した問題といってもいいかもしれません。

地方都市の小さな民間劇場がこれらのさまざまな困難に対して直接的な課題解決を図ることはできません。しかし、困難に直面する我々は人間と自然に寄り添い、互いに助け合い、考え続けることができます。そのことによって、人間社会の根源的な問題が明確に見えてきます。世界の端っこにある「劇場」から、これからの世界を創っていく価値を発信するべきだと考えています。

<ジャングルに囲まれた「サヒヤンデ劇場」外観>

<様々な人々が集う「サヒヤンデ劇場」内部>

資本主義や「個」を尊重する社会は、便利さや快適さを提供してくれる一方で、人間は有機的な繋がりを失い、バラバラになり、深刻な分断を生んでいます。 「演劇」と「美」は現代における社会的な分断を超えて、人間性について深く考える機会を提供してくれます。

ふたつの民間劇場で創作する作品を、まず「サヒヤンデ劇場」で初演したのち、「犀の角」プロデュースによる日本での上演を予定しています。その後は、世界中の小さな民間劇場などと出会い、手を組み、世界各地で上演することを目指しています。

3、アーティスト・劇場同士の出会いから、プロジェクト誕生へ

シャンカル氏は、ク・ナウカ シアターカンパニーの『天守物語』『王女メデイア』(演出:宮城聰)の鑑賞をきっかけに美加理氏と出会い、08年『山脈の息子−エレファント・プロジェクト(Sahyande Makan- The Elephant Project)』においてインドでの創作を共にし、インド国内や韓国でツアー公演を行っています。

<山脈の息子−エレファント・プロジェクト©︎Thyagarajan>

2020年、『インディアン・ロープ・トリック』(主催:京都造形芸術大学舞台芸術研究センター)の上演で来日していたシャンカル氏は、公演後に初めて「犀の角」を訪れます。振付家・ダンサーの山田せつ子氏(元京都芸術大学舞台芸術学科教授)が、地域で劇場を展開する両者を引き合わせてくれたのでした。上田では、上田紬の工房や別所地域など市内各所のリサーチと市民らとの交流を行いました。(長野県芸術監督団事業「NAGANO ORGANIC AIR」上田プログラム)

翌21年には「上田街中演劇祭」(主催:上田街中演劇祭実行委員)において、シャンカル氏が京都芸術大学と製作した『犯罪部族法』の映像作品の上映会を行いました。上映会後にはケーララ州にいるシャンカル氏とオンラインで繋いだポスト・パフォーマンス・ディスカッションを開催。多くの観客がシャンカル氏の作品に触れる機会となりました。

その上映会の会場となったのが「犀の角」でした。その後も、シャンカル氏と犀の角はオンラインでの交流を続け、創作の機会を模索していました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、交流は一時途絶えていましたが、感染が落ち着いた2022年にシャンカル氏より企画提案があり、プロジェクトが始動することになりました。

<ケーララ州にいるシャンカル氏とオンラインで繋いだポスト・パフォーマンス・ディスカッションの様子@犀の角>

4、社会的問題が世界を覆う今、だからこそ

近年は『犯罪部族法』や『インディアン・ロープ・トリック』など、主にカースト制度をテーマとした社会的な問題を主に取り上げてきたシャンカル氏ですが、こうした作品が結果として社会的な分断を助長しているようにも感じていたと言います。

そんなある日、飛行機の中から雪を被った白い富士山を見ます。

天女が舞い降りたかのような美しさに心を打たれたシャンカル氏は、日本の伝統芸能・能の演目『羽衣』を連想。

「美しい」と思う感情こそ、人と人をつなげるのではないかと、古典的な「羽衣伝説」から創作する着想を得るに至りました。

<天女が舞い降りたかのような富士山(イメージ)>

「羽衣伝説」を題材としたときに、かつてインドで創作を共にした美加理氏と作品を創りたいと考えたと言います。また、シャンカル氏と同じケーララ州で古典舞踊劇クーリヤッタムの継承者として活躍するカピラ・ヴェヌ氏と共演する構想に至りました。

「羽衣伝説」は日本だけではなく、アジア各地にも残されています。 それぞれの文化の中で描かれる物語にインスピレーションを得て、インドと日本のみならず、国を超えて個人、更には人間とは何かを探求していく時間となることでしょう。

5、「羽衣・天・水」を巡るリサーチの旅を経て、創作へ

「羽衣伝説」をモチーフとした作品を創作するにあたり、2023年7⽉7⽇から25⽇まで、全19⽇にわたって日本国内のリサーチを行いました。

「サイツノ・アーティスト・イン・レジデンス『羽衣・天・水を巡る探訪』」(助成:信州アーツカウンシル)と題して、「羽衣伝説」の舞台である「三保の松原」を起点に、各地に伝わる「⽻⾐伝説」の調査・研究を行いました。

リサーチのテーマとして「羽衣伝説」に加えて「天」、「水」、「水」を司る「龍」にまで範囲を広げ、天⻯川流域や上田地域の⺠話や伝承、⺠俗芸能の調査・研究、⼋ヶ岳地域における「⽻⾐伝説」の調査も実施しました。

調査した場所は、静岡県、長野県、山梨県、東京都、4都県に渡りました。各地で様々な事象を目の当たりにし、作品へのインスピレーションを積み重ねることができました。

<美保の松原の松>

<上田市内の民話が残る場所>

<野辺山宇宙電波観測所>

▼2023年リサーチの様子をまとめた動画

6、犀の角とサヒヤンデ劇場の繋がりについて(経緯)

年表

2003年 シャンカル、ク・ナウカの招聘で来日
2004-2006年 シャンカル、シンガポールの演劇学校にて観世喜正に能を学ぶ
2008年 美加理とシャンカル協働による舞台作品『山脈の息子-エレファント・プロジェクト』をインドで創作、発表
2009年 シャンカル、国際交流基金のJENESYSプログラムにて松本に滞在
2016年 シャンカル、KYOTO EXPERIMENT にて太田省吾作『水の駅』を上演
2016年 「犀の角」オープン
2019年 シャンカル、『犯罪部族法』を京都・春秋座 studio21及びシアターコモンズ東京にて上演2019年 シャンカル、山田せつ子氏の紹介で来上田。上田をリサーチ。
2021年 シャンカル演出『犯罪部族法』上映会を犀の角にて開催
2023年 シャンカル、インド・ケーララ州の山奥に自ら建てたサヒヤンデ劇場をオープン
2023年 犀の角とサヒヤンデ劇場による『羽衣』プロジェクトが始動。国内リサーチ『羽衣・天・水にまつわる探訪』を実施

実はシャンカル氏が美加理氏に出会ったのは、この年表以前の1997年に遡ります。
幾度か来日の機会はありましたが、サヒヤンデ劇場として日本の劇場と共同制作を行うのは今回が初めてです。
そして、犀の角が両氏とクリエイションの機会を持つのも初めて。
長年繋がりを持ち続けた三者が満を持して作品創作を行います。

7、プロジェクトメンバーについて

<演出・構成>
シャンカル・ヴェンカテーシュワラン
Sankar VENKATESWARAN

インドケーララ州出⾝の演出家。サヒヤンデ劇場主宰。カリカット⼤学演劇学部を卒業後、シンガポールの演劇学校にて学ぶ。

2007 年、劇団Roots&Wingsを旗揚げし、⽇本の舞台俳優 美加理との『⼭脈の⼦/エレファント・プロジェクト』(2008)、太⽥省吾作『⽔の駅』(2011)、イプセン作『私たち死んだものが⽬覚めたら』(2012)等を発表。

2013 年、ノルウェー政府よりイプセン奨学⾦受賞。

先住⺠の多く住むケーララ州⼭間部アタパディに⾃ら建てたサヒヤンデ劇場に拠点を移した後の初作品『犯罪部族法』(2017)は、チューリヒ初演後、ベイルート、マカンダ(南アフリカ)、⽩⽼などでの上演を積極的に展開。2016 年から2期に渡り、ドイツ公共劇場ミュンヘン・フォルクス劇場のレパートリー作品の演出を⼿がける。

2018 年度、セゾン・アーティスト・イン・レジデンスで東京と京都に滞在。最近の作品に、⽇本⼈演出家・和⽥ながらとの共同演出作品『さようなら、ご成功を祈ります(中略)演説「カーストの絶滅」への応答』(2022、京都芸術⼤学舞台芸術研究センターと国際交流基⾦による共催)、市⽴劇場テアターハウス・イェーナ、サヒヤンデ劇場、ドイツ⽂化会館による国際共同製作『IN MY TIME OF DYING』(2022)、インドとスリランカのアーティストが参加した『MY NAME ISTAMIZH』(2022、シアターフェスティバル・バーゼル初演)

<出演>

美加理

東京⽣まれ。俳優。⾼校在学中に故・寺⼭修司作・演出の「⻘ひげ公の城」で舞台デビューし、⼩劇場で活躍した後、演出家・宮城聰とともにク・ナウカシアターカンパニーの設⽴⽴に参加。

「王⼥メデイア」、「天守物語」、「マハーバーラタ〜ナラ王の冒険〜」など多くの作品で主演。その極度に集中した演技と強い⾝体表現は⾼い評価を集める。2007年以降にソロ

活動を開始。⾳楽家・種⼦⽥郷とのダンス・パフォーマンス「⽣のものと⽕を通したもの/闇の碧」、インドの劇団Roots&Wingsとの「⼭脈の⼦/エレファント・プロジェクト」

などがある。2011年からは、主に静岡県舞台芸術センターSPACで活動。「アンチゴネ」、『白狐伝』(宮城聰演出)等に出演。フランス・アヴィニョン演劇祭など

海外公演にも多数出演。現在は演劇活動の傍ら、⼭梨県⼋ヶ岳にて、新しい時代の循環型コミュニティの暮らしを模索中。

カピラ・ヴェヌ
Kapila Venu

インドのケララ州出身で、世界最古の生きた演劇の伝統のひとつであるクーリヤッタムの継承者。伝説的なクーリヤッタムの巨匠アマンヌール・マダヴァ・チャキャール師、著名なグル・ヴェヌ師、ウーシャ・ナンギャール師の弟子である。また、母グル・ニルマラ・パニカーから学んだモヒニヤッタム・ダンスの練習生でもある。20年以上にわたり、クーリヤッタムの公演、指導、ワークショップを世界各地で行っている。日本の著名な前衛舞踊家、田中泯氏に師事し、同氏の振付作品『Rite of the Forest』(2005年)と『Thottangal』(2007年)に出演。

また、エバハルト・フィッシャー博士、ピーター・オスカルソン、ウォーリー・カルドナなど、国際的に著名なアーティストや研究者ともコラボレーションを行っている。ニューデリーの国立演劇学校の客員講師、シンガポールのインターカルチュラル・シアター・インスティテュートのマスター・ティーチャーでもある。カピラ・ヴェヌの生涯と作品を描いた映画『カピラ』(サンジュ・スレンドラン監督)は、2014年、インド政府の第62回ナショナル・フィルム・アワードで最優秀文化映画賞を受賞。カピラは、インド政府から若手芸術家に対する最高の栄誉であるウスタッド・ビスミッラー・カーン・ユヴァ・プラスカール、マディヤ・プラデーシュ州政府のクマール・ガンダルヴァ・サマン、サンスクリティ・プラティスタンのサンスクリティ賞を受賞している。

<スタッフ>

舞台美術/ジャン=ギ・ルカ Jean-Guy Lecat
ドラマトゥルク/荒井洋文
企画制作/鶴留聡子
舞台監督/村上梓

8、リターンについて

・メッセージ付き写真

現地で撮影した写真にプロジェクトメンバーからのメッセージを書きいれ、データでお送りします

・犀の角の公式ページのスタッフクレジットに支援者のお名前を掲載します

ご希望のお名前を犀の角のイベントページに協力者として掲載させていただきます

・ケーララ州厳選お土産 (香辛料、雑貨など)

滞在制作を行うケーララで購入した南インドを感じるお土産をお届けします

・南インド滞在制作日記 

Instagramでの限定公開作品創作を行う稽古場や、生活を送る村の様子を実況中継的にお送りします

・南インド滞在制作日記 

冊子としてお手元に届きます作品創作を行う稽古場や、生活を送る村の様子を記録としてまとめ、冊子として後日お届けします

・現地から届く!手書きメッセージ入り絵葉書

滞在を行う南インドからプロジェクトメンバーからのメッセージを手書きで書き入れた絵葉書をお届けします

・上演の映像配信 (リアルタイムではなく、後日限定配信)

サヒヤンデ劇場で行われるパフォーマンスの全編映像を期間限定配信で見られます

・上演の映像の収録DVD

サヒヤンデ劇場で行われるパフォーマンスの全編映像を収録したDVDをお届けします

・サヒヤンデ劇場オンラインツアー+ミニ公開稽古(合わせて30分)

滞在が行われる劇場内部と、稽古中の様子をオンラインで繋いで特別にちょっとだけご紹介します(こちらのリターンを選んでいただいた方それぞれ、個別に対応させていただきます)

9、ご支援の資金使途

今回のプロジェクトは、日本から俳優、スタッフが合わせて3人渡航します。滞在制作の拠点となるサヒヤンデ劇場は都市部から離れた、山奥に位置します。空港からは車で3時間、もちろん公共交通機関は通っていません。そして、滞在期間は1月6日から2月5日まで、31日間。

その間、関係者は劇場に付帯する宿泊施設と、部屋数が足りなくなる期間は村のホテルで生活を送ります。インド側の受け入れはサヒヤンデ劇場オーナーのシャンカル氏と、企画制作スタッフの2名、他の出演者や技術スタッフは国内各地から参加することになるため、その分の交通費や滞在費もかかってきます。

さらに劇場の周りには飲食店や食堂があるわけではないので、期間中の食事はチーム内で自炊することになり、そのための食費や、食事を準備するスタッフも必要となってくるのです。総勢、10名を超える関係者が創作に携わり、1ヶ月に亘る滞在制作を送ることになります。(全期間、全員が滞在するわけではありません)

そして、現地でのパフォーマンスはチケット収入が見込めません。というのも、サヒヤンデ劇場が立つのは南インドの「ジャングルの中」。(シャンカル氏談)近隣に住むのは、西洋的な価値観を持つ演劇や舞台芸術に縁のない人々です。これまで開催された公演はほとんどの場合、無料で行ってきたそうです。

今回のプロジェクトでは、文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(国際芸術交流))と、セゾン文化財団(国際プロジェクト支援)の助成金をいただくことになりました。昨年度のリサーチを経て、今年度に行ったオンラインでのクリエイションによって、公演内容が具体化するなかで予算規模が拡大しており、現状でも予算が不足している状況です。

クラウドファンディングでご支援いただいた資金は、今回の南インドでの滞在費、作品創作のための資金とリターン購入・製作のための費用として使用させていただきます。

※2026年度以降で実施予定の日本公演の予算は別途用意することを想定しています。

10、想定されるリスクとチャレンジ

今回はプロダクションファンディング(All in)での挑戦になるため、もし目標金額未達となった場合でも、チーム内で資金を負担し「サヒヤンデ劇場」での制作と上演を実現します。リターンも必ずお届けしますので、ご安心ください。

11、メンバーからのメッセージ

<演出家/サヒヤンデ劇場代表・シャンカル氏のコメント>

2023年度リサーチ開始前

私は、演劇における、美のもたらす変⾰⼒に、深く惹きつけられてきました。
美の体験は、私たちを取り巻く世界に対する認識や理解に深い変化をもたらす可能性を秘めています。

イマーシブな美に焦点を当てた『⽻⾐』は、観客に、階級、肌の⾊、カースト、性別などの社会的なフィルターにとらわれず、⾃分⾃⾝の⼈間性について考える機会を⽣みだすことができると信じています。『⽻⾐』の物語で要をなす「共感(compassion)」と「⼈間の意識」というテーマは、現代の⽂脈において、引き続き取り組むことが求められる重要な⼈間の資質です。

上⽥を拠点とする犀の⾓と、インド・ケーララ州の奥深い森にあるサヒヤンデ劇場という2 つの地⽅拠点の劇場が、⽂化や⾔語の境界を越えて⻑期的な連帯を結んで活動を展開することに、私は⼤きな期待を寄せています。

アーティストや劇場の協働による『⽻⾐』において、芸術的な探求を続けていくことにわくわくしています。演劇と美の持つ変⾰⼒は、インスピレーションと探求における終わりのない源であり、私たちに何ができるのか、その限界を押し広げ続けることが楽しみです。

2023年度リサーチ終了後

今回の旅で多くのインスピレーションを受けました。稲垣先⽣のお話、野辺⼭宇宙電波観測所、飯⽥線に乗ったことも印象に残っています。とりわけ浜松市の岩⽔寺の洞窟での経験は際⽴っています。

別世界のイメージを与えてくれただけでなく、急激な気温の変化や⾳は私に時間という次元をもたらしました。⽣涯、私の記憶に残ることでしょう。

旅の最後にあるイメージが浮かびました。それは機織り機から紡ぎ出される⽻⾐が、天⼥に繋がっているというものです。天⼥は⽻⾐を取り戻すのではなく、⽻⾐との繋がりを断つことで、⾃由になるのではないか。取り戻すのではなく、⼿放すのです。

今回のリサーチはとても豊かで圧倒されました。実際に旅をして、実に多くの可能性が⽣まれました。たくさんのインスピレーションと共にインドに帰ります。

<俳優・美加理氏のコメント>


今回の旅のなかで『⽻⾐』に対する感覚が変わっていきました。⿓や蛇、⽔、天と地などとの関わりをリサーチするなかで「⽻⾐伝説」との繋がりができていきました。また、プロジェクトメンバーで動くことで関係性を紡げていけたことは貴重な体験でした。現在の⼩さな集団からシャンカル⽒が⽬指す世界の実現に向けて徐々に広がっていければ、⼤きな⼒になることでしょう。

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